【曲解説】Cyndi Lauper – I Drove All Night

動画

曲情報

「I Drove All Night」(アイ・ドローヴ・オール・ナイト)は、アメリカのソングライター、ビリー・スタインバーグとトム・ケリーによって作詞作曲された楽曲であり、当初はロイ・オービソンのために書かれた。オービソンは1987年にこの楽曲を録音したが、彼の死後の1991年までリリースされることはなかった。それ以前に、シンディ・ローパーがこの楽曲を録音し、1989年にアルバム『A Night to Remember』からのシングルとしてリリースした。ローパーのバージョンはアメリカとイギリスの両国でトップ10入りし、彼女にとって最後のアメリカでのトップ40ヒットとなった。現在でもローパーはライブコンサートでこの楽曲を定期的に演奏している。2003年にはカナダの歌手セリーヌ・ディオンによるカバーも発表され、カナダのシングルチャートで1位を獲得し、アメリカのアダルト・コンテンポラリー・チャートでは7位にランクインした。

シンディ・ローパーのバージョン

シンディ・ローパーは、1989年にリリースした3作目のソロアルバム『A Night to Remember』に「I Drove All Night」を収録した。彼女はこの楽曲について、「女性が運転すること、女性が自分自身で物事をコントロールすること」というテーマが気に入り、カバーすることを決めたと語っている。楽曲はアメリカでトップ10入りし、Billboard Hot 100では最高6位を記録。これにより、ローパーにとって8曲目であり、最後の全米トップ10シングルとなった。また、他の国々でもヒットし、グラミー賞の最優秀女性ロック・ボーカル・パフォーマンス部門にノミネートされた。

ミュージックビデオ

「I Drove All Night」のミュージックビデオは、シンディ・ローパーとスコット・カルヴァートが監督を務めた。ビデオには、楽曲の冒頭部分で「Kindred Spirit」という楽曲の歌詞が挿入されている。映像では、アンティークカーの映像やローパーの特徴的なエネルギッシュなダンスがフィーチャーされ、さらに映画のフィルムがローパーの裸の体に投影される演出が用いられている。

歌詞の意味

この曲は抑えきれない情熱に突き動かされ、語り手が夜を徹して相手のもとへ向かう衝動を描く内容とされる。都市からの逃避と長距離の移動は、理性では制御できない切迫した欲求の象徴として扱われ、相手に触れたいという思いが語り手を行動へと駆り立てる。物理的距離を越えて相手を想い続ける描写は、離れていても消えることのない強い結びつきの感覚を示す。

語り手は相手の存在が心を揺り動かす唯一の要因であると認識しており、夜の闇や孤独の中でもその鼓動を感じ取るような親密性が強調される。夜間の訪問という行動には危うさも含まれるが、それは語り手の情熱の強度と抑えようのない渇望を示す構成要素として機能している。全体として、愛情が衝動にまで高まり、移動や時間の制約さえ突破してしまうほどの熱情を中心に組み立てられた内容になっている。

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