【歌詞和訳】David Bowie – Heroes

MV(シングルバージョン)

歌詞&翻訳(シングルバージョン)

I, I wish you could swim
俺は、君が泳げたらいいのにって思う
Like the dolphins, like dolphins can swim
イルカたちみたいに、イルカたちが泳げるみたいに

Though nothing, nothing will keep us together
たとえ何ひとつ、俺たちが一緒にいられる術がなくたって
We can beat them forever and ever
奴らを打ち負かせるさ、これからもずっと、永遠に
Oh, we can be heroes, just for one day
そう、俺たちはヒーローになれるんだ、一日だけなら

I, I will be king
俺は、俺は王になるよ
And you, you will be queen
そして君、君は女王になるんだ

Though nothing will drive them away
奴らを追い払える術が何もなくたって
We can be heroes, just for one day
俺たちはヒーローになれるんだ、一日だけなら
We can be us, just for one day
俺たちは自分たちらしくいられる、一日だけなら

I, I can remember (I remember)
俺は、俺は覚えてる(覚えてる)
Standing by the wall (By the wall)
壁のそばに立っていたことを(その壁のそばに)
And the guns shot above our heads (Over our heads)
そして銃弾が俺たちの頭をかすめていったんだ(俺たちの頭を)
And we kissed as though nothing could fall (Nothing could fall)
そして俺たちはキスをした、何も崩れないって信じるかのように(何も崩れない)

And the shame was on the other side
恥をかいたのは向こう側だった
Oh, we can beat them forever and ever
そう、俺たちは奴らに勝てる、これからもずっと、永遠に
Then we can be heroes, just for one day
だからこそ俺たちはヒーローになれるんだ、一日だけなら

We can be heroes
俺たちはヒーローになれる
We can be heroes
俺たちはヒーローになれる
We can be heroes, just for one day
俺たちはヒーローになれる、一日だけなら
We can be heroes
俺たちはヒーローになれる

オーディオ(アルバムバージョン)

歌詞&翻訳(アルバムバージョン)

I, I will be king
俺は、俺は王になるよ
And you, you will be queen
そして君、君は女王になるんだ

Though nothing will drive them away
たとえ何ひとつ、奴らを追い払う術はなくたって
We can beat them, just for one day
奴らを打ち負かせるさ、一日だけなら
We can be heroes, just for one day
俺たちはヒーローになれるんだ、一日だけなら

And you, you can be mean
そして君は、君は意地悪でもいい
And I, I’ll drink all the time
それに俺は、俺はずっと飲んだくれてたっていい
‘Cause we’re lovers
だって俺たちは恋人だから
And that is a fact
それはまぎれもない事実なんだ
Yes, we’re lovers
そう、俺たちは恋人だ
And that is that
ただそれだけのことさ

Though nothing will keep us together
たとえ何ひとつ、俺たちが一緒にいられる術がなくたって
We could steal time, just for one day
時間を盗めるかもしれない、一日だけなら
We can be heroes, forever and ever
俺たちはヒーローになれる、これからもずっと、永遠に
What d’ya say?
どう思う?

I, I wish you could swim
俺は、君が泳げたらいいのにって思う
Like the dolphins, like dolphins can swim
イルカたちみたいに、イルカたちが泳げるみたいに

Though nothing, nothing will keep us together
たとえ何ひとつ、俺たちが一緒にいられる術がなくたって
We can beat them forever and ever
奴らを打ち負かせるさ、これからもずっと、永遠に
Oh, we can be heroes, just for one day
そう、俺たちはヒーローになれるんだ、一日だけなら

I, I will be king
俺は、俺は王になるよ
And you, you will be queen
そして君、君は女王になるんだ

Though nothing will drive them away
奴らを追い払える術が何もなくたって
We can be heroes, just for one day
俺たちはヒーローになれるんだ、一日だけなら
We can be us, just for one day
俺たちは自分たちらしくいられる、一日だけなら

I, I can remember (I remember)
俺は、俺は覚えてる(覚えてる)
Standing by the wall (By the wall)
壁のそばに立っていたことを(その壁のそばに)
And the guns shot above our heads (Over our heads)
そして銃弾が俺たちの頭をかすめていったんだ(俺たちの頭を)
And we kissed as though nothing could fall (Nothing could fall)
そして俺たちはキスをした、何も崩れないって信じるかのように(何も崩れない)

And the shame was on the other side
恥をかいたのは向こう側だった
Oh, we can beat them forever and ever
そう、俺たちは奴らに勝てる、これからもずっと、永遠に
Then we can be heroes, just for one day
だからこそ俺たちはヒーローになれるんだ、一日だけなら

We can be heroes
俺たちはヒーローになれる
We can be heroes
俺たちはヒーローになれる
We can be heroes, just for one day
俺たちはヒーローになれる、一日だけなら
We can be heroes
俺たちはヒーローになれる

We are nothing, and nothing will help us
俺たちは無力で、助けてくれる人もいない
Maybe we’re lying, then you better not stay
もしかしたら俺たちはただ嘘をついてるだけかもしれない、だったら君はここにいないほうがいい
But we could be safer, just for one day
でも、もっと安全でいられるかもしれない、一日だけなら

Oh-oh-oh-oh
オーオーオーオー
Oh-oh-oh-oh
オーオーオーオー
Just for one day
一日だけなら

曲情報

 「Heroes」(ヒーローズ)は、イギリスのミュージシャン、デヴィッド・ボウイによる楽曲で、12作目のスタジオ・アルバム『Heroes』に収録されている。ボウイとブライアン・イーノの共作によるこの曲は、トニー・ヴィスコンティとの共同プロデュースで制作され、1977年半ばに西ベルリンのハンザ・スタジオ2で録音された。バックトラックは歌詞の完成前に録音され、ボウイとイーノがシンセサイザーのオーバーダブを加えた。ギターはキング・クリムゾンのロバート・フリップが担当した。ボーカル録音に際しては、ヴィスコンティが「マルチラッチ」システムを考案し、3本のマイクを異なる距離に設置、ボウイの声量に応じてマイクが順に開く構造とした。歌詞は他のアルバム曲同様、マイクの前に立ったまま即興で作られた。

 この楽曲はアート・ロックに分類され、演奏が進むにつれて段階的に盛り上がっていく構成となっている。歌詞は、東ベルリンと西ベルリンに引き裂かれた恋人たちを題材とし、死の恐怖の中で自由を夢見てイルカと泳ぐ幻想を描く。ボウイはこの曲のタイトルに皮肉を込めて引用符を加えており、ロマンティックかつ勝利を思わせる音楽や言葉に対するアイロニーを表している。歌詞の直接のインスピレーションは、ベルリンの壁のそばでキスを交わすヴィスコンティと歌手アントニア・マースの姿であり、オットー・ミュラーの絵画やアルベルト・デンティ・ディ・ピリアーニョの短編小説『イルカのための墓』からも影響を受けている。

 1977年9月23日、RCAレコードからアルバムのリードシングルとして編集版がリリースされた。初期の批評は概ね好意的で、ボウイの代表作の一つとして歓迎された。ボウイは同曲をプロモーションの一環としてミュージックビデオで強く推し出し、マーク・ボランの『Marc』やビング・クロスビーのクリスマス特番『Merrie Olde Christmas』など複数のテレビ番組でも披露した。また、ドイツ語版「Helden」、フランス語版「Héros」も制作された。大々的なプロモーションにもかかわらず、UKシングルチャートでは24位、アメリカのビルボードHot 100にはランクインしなかったが、ヨーロッパやオーストラリアでは複数の国でトップ20入りを果たした。

 リリースから時間が経つにつれ、本作の評価は大きく高まり、ボウイの最高傑作の一つ、さらには史上最高の楽曲の一つとして広く認識されるようになった。伝記作家たちはシングル編集版について、楽曲の力を損なっているとして批判している。ボウイの死後となる2016年には、UKチャートで過去最高の12位を記録した。この曲は以後のライブツアーでも繰り返し演奏され、1974年の「Rebel Rebel」に次いで最も多くカバーされたボウイ楽曲となっている。1998年には『GODZILLA』のサウンドトラックでウォールフラワーズによるカバーバージョンが発表され、アメリカとカナダでチャート入りした。また、2010年にはイギリスの番組『The X Factor』のシリーズ7ファイナリストによるカバーがUKシングルチャートで1位を獲得した。さらにこの曲は、広告やテレビ番組、映画などでも頻繁に使用されている。

制作と録音

バックトラック

 『Heroes』の制作は、イギー・ポップの『Lust for Life』の仕事を終えた後、ボウイとブライアン・イーノが新しいアイディアを練るところから始まった。録音は1977年7月から8月にかけて、西ベルリンのハンザ・スタジオ2で行われた。イーノは「ヒーロー」という言葉を念頭にコード進行を考案し、タイトルの元にもなっている。

 バンドは、ボウイの前作『Station to Station』と同じく、カルロス・アロマー(リズムギター)、ジョージ・マレー(ベース)、デニス・デイヴィス(ドラム)から構成されていた。録音はまずピアノとリズムセクションで行われ、グルーヴは約8分間のクレッシェンド構成で作られた。ギターはロバート・フリップが担当し、3つのテイクをすべてフィードバックループを使って録音した。シンセサイザーやエフェクトはイーノが担当し、複数の層にわたって楽曲に深みを加えている。

ボーカル

 ボウイはバックトラック完成後もしばらく歌詞を執筆せず、最終的にはスタジオの窓の外でトニー・ヴィスコンティとアントニア・マースがキスをするのを目撃し、それをインスピレーションとして歌詞を書き上げた。

 ヴィスコンティは、3本のマイクを距離を変えて設置し、ボウイの声量に応じて次第に広がる残響効果を生み出す「マルチラッチ」方式を採用した。最終的なボーカルトラックは3テイク録音された中で最後のものが多く使用されている。

歌詞

 「’Heroes’」の歌詞は、東西ベルリンに引き裂かれた恋人たちが死の恐怖の中で自由と愛を求める姿を描く。第1ヴァースは男性視点で愛の団結を語り、第2ヴァースでは2人の関係がより明確に語られ、第3ヴァースで「イルカのように泳げたら」と願いが述べられる。クライマックスに向かってボウイは絶叫に近いボーカルで「我々はヒーローになれる」と叫ぶ。

 ただし、タイトルに引用符が付けられているように、これは単なる理想主義ではなく、皮肉や儚さも含まれている。たとえば「君は意地悪でもいい、僕はずっと酒を飲んでいる」というフレーズや、「ただ1日だけでいい」という表現は、愛やヒロイズムの不完全性を示唆している。

 インスピレーション源としては、ヴィスコンティとマースのキスのほか、オットー・ミュラーの絵画『壁の間の恋人たち』、短編小説『イルカのための墓』などがある。また、ボウイの個人的な経験(結婚生活の問題、アルコール依存、水泳ができないという事実)も歌詞に影響しているとされる。さらに英民謡「Lavender’s Blue」のフレーズも引用されている。

関連動画

2.2億回再生を突破したライブパフォーマンスビデオ(2002年、ベルリン)

タバコを吸うシーンで有名なTopPopスタジオ(オランダ)でのパフォーマンス

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