動画
歌詞&和訳
We arrived too late
到着が遅くなりすぎて
Our mouths were opening
僕らの口は開いたままだった
I turned off the light
僕は明かりを消した
So, come on, night
だから、夜よ、おいで
You’re a witness, you
君は証人だよ
You’ve seen me interrupt
僕が遮るのを見たでしょ
A good, old-fashioned fight
古き良き、昔ながらの戦い
So, come on, night
さあ、夜よ、来て
Everyone is gone
みんないなくなった
Home to oblivion
忘れられた家
Home to oblivion
忘れられた家
Home to oblivion
忘れられた家
Watched the dying day
死にゆく日を見た
Blushing in the sky
空が赤らんでいる
Everyone is uptight
みんないらいらしてる
So, come on, night
だから、夜よ来い
Everyone is gone
みんないなくなった
Home to oblivion
忘れられた家
Home to oblivion
忘れられた家
Home to oblivion
忘れられた家
Home to oblivion
忘れられた家
I know we’re not
僕は知っている
Illegitimate
僕らが私生児じゃないって
In our hearing
僕らが聞いた限りでの話だけど
So, come on
だから、来て
So, come on, night
さあ、夜よ、おいで
曲情報
「ノー・ネーム#3」はエリオット・スミスのデビュースタジオアルバム『Roman Candle』(1994)に収録された曲。
解釈
この曲を解釈するにあたって、エリオット・スミスの生い立ちをおさらいしておきたい。
エリオット・スミスことスティーブン・ポール・スミスは、1969年8月6日にネブラスカ州オマハのメソジスト病院で、ネブラスカ大学メディカルセンターの学生ゲイリー・スミスと小学校の音楽教師バニー・ケイ・ベリーマンの一人っ子として生まれた。スミスが生後6か月のときに両親が離婚し、スミスは母親とともにテキサス州ダンカンビルに引っ越した。彼には母親との間に異父兄弟のダレン・ウェルチ(弟)とアシュリー・ウェルチ(妹)がおり、父親との間に異母姉妹のレイチェル・スミス(姉)がいた。
スミスは困難な子供時代と継父チャーリー・ウェルチとの困難な関係に耐えた。スミスは幼い頃にウェルチから性的虐待を受けた可能性があると述べたが、ウェルチはこの主張を否定した。彼は自分の人生のこの部分について「Some Song」に書いた。「チャーリー」という名前は、彼の曲である「Flowers for Charlie」や「No Confidence Man」にも登場する。
You’re a witness, you
You’ve seen me interrupt
A good, old-fashioned fight
So, come on, night
君は証人だよ
僕が遮るのを見たでしょ
古き良き、昔ながらの戦い
さあ、夜よ、おいで
「古き良き、昔ながらの戦い」とは父親の暴力を止めようとする子供のことだろうか。証人である「君」とは兄弟のことと解釈するのが自然だろう。
Everyone is gone
Home to oblivion
Home to oblivion
Home to oblivion
みんないなくなった
忘れられた家
忘れられた家
忘れられた家
「Home to oblivion」は「忘却の故郷」と訳すこともできるが、全体の歌詞の内容が一家族の話なので、「忘れられた家」だろう。語り手である子供が大人になり、子供たちが家を出たので、夫婦は引っ越したか、あるいは離婚して一家が離散したか。
Watched the dying day
Blushing in the sky
Everyone is uptight
So, come on, night
死にゆく日を見た
空が赤らんでいる
みんないらいらしてる
だから、夜よ来い
問題を抱えた家庭であることがわかる。「空が赤らんでいる」のは顔が怒りで紅潮していることの比喩だと思われる。
I know we’re not
Illegitimate
In our hearing
So, come on
So, come on, night
僕は知っている
僕らが私生児じゃないって
僕らが聞いた限りでの話だけど
だから、来て
さあ、夜よ、おいで
weと言っているのは兄弟を含んでいるから。そして私生児じゃないというデリケートな話をしているあたりも、家族関係に問題を抱えていることがわかる。エリオット・スミスとその兄弟も、半分だけ片方の親の血が入っているので私生児(非摘出子)ではない。