動画
曲情報
「Only Time」(オンリー・タイム)は、アイルランドのミュージシャン、Enya(エンヤ)の楽曲で、5作目のスタジオ・アルバム『A Day Without Rain(ア・デイ・ウィズアウト・レイン)』(2000年)からのリード・シングルとして、2000年11月6日にリリースされた。この曲はカナダ、ドイツ、ポーランド、スイスで1位、オーストリアで2位を記録し、アメリカではBillboard Hot 100で10位に達して、エンヤにとって唯一のトップ10入りシングルとなった。また、この曲は2001年のアメリカ同時多発テロ事件の犠牲者を追悼するアンセムとなり、エンヤは被害者遺族支援基金に収益を寄付している。
リリース
2001年には、「Only Time」のラジオ・リミックスがリリースされた。このバージョンはスイス・アメリカン・フェデレーション(S.A.F.、クリスチャン・Bとマーク・ドルド)によってリミックス・マスタリングされ、エンヤのプロデューサーであるニッキー・ライアンが最終ミックスを担当した。シングルの売上収益は、ニューヨーク市消防局の未亡人と子どもたちの基金(Widows’ and Children’s Fund of the Uniformed Firefighters Association)に寄付され、2001年9月11日のテロ事件で殉職した消防士の家族を支援するために使われた。
事件後、多くのラジオ局やテレビ局が「Only Time」を報道・特集番組に使用したことで、アルバムおよびシングルの売上は急増した。その結果、リミックス・バージョンはBillboard Hot 100で10位、アダルト・コンテンポラリー・チャートで1位を記録した。2002年には本楽曲がECHO賞で最優秀シングル賞を受賞している。
ミュージックビデオ
「Only Time」のミュージックビデオはグラハム・フィンクが監督を務め、四季(春・夏・秋・冬)をテーマにしたエンヤの歌唱シーンが描かれている。ビデオは2000年に公開され、2020年3月には録音20周年を記念して4Kでリマスターされた。
歌詞の意味
この曲は未来も感情も思い通りに掴めないという、人の心の不可思議さを静かに見つめている。愛が深まるのか離れていくのか、道がどこへ続いているのか、そのどれも自分では決められず、時間だけが答えを知っているという受け入れの感覚が淡く広がっている。
喜びも悲しみも道の分かれ目も、すべては流れる時間の中で自然に形を変えていく。その移ろいを無理に説明しようとせず、ただ静かに委ねるような余白が曲を包んでいる。
全体として、未来の不確かささえ美しく感じられるような、優しい祈りに似た静謐な曲になっている。


