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曲情報
「Love Myself」(ラヴ・マイセルフ)は、アメリカの女優兼歌手であるHailee Steinfeld(ヘイリー・スタインフェルド)のデビューシングルである。2015年8月7日にリパブリック・レコードおよびユニバーサル・ミュージック・グループを通じてリリースされ、彼女のデビューEP『Haiz』(2015年)のリードシングルとして発表された。
本作は、マティアス・ラーション、ロビン・フレドリクソン、オスカー・ホルター、ジュリア・マイケルズ、ジャスティン・トランターによって作詞作曲され、プロデュースはホルターおよびマットマン&ロビン(ラーションとフレドリクソンのユニット)が手掛けた。
歌詞は自己肯定をテーマにしており、メディアでは「マスターベーションの賛歌」とも評されている。本作は現代の音楽評論家から肯定的な評価を受け、スタインフェルドの歌声とスタイルがテイラー・スウィフトやセレーナ・ゴメスと比較されることが多かった。また、商業的にも成功し、Billboard Hot 100では最高30位、US Dance Club Songsでは6位、Billboard Pop Songsでは15位を記録した。
背景とリリース
スタインフェルドは、映画『ピッチ・パーフェクト2』(2015年)で「Flashlight」を披露したことで歌手としての評価を得た。その後、2015年初めにリパブリック・レコードと契約を結び、デビューシングルとして本作を2015年8月7日にリリースした。
音楽性と歌詞
本作は「甘美で気分が高揚するポップ・アンセム」と評されている。歌詞には「自分の体を最優先にする」「痛みを和らげるために自分を愛す」「自分の名前を叫ぶ方法を知っている」などのフレーズが含まれており、自己愛と自己肯定のテーマが強調されている。ミュージックビデオでは、「セルフサービス」と書かれたレオタードを着たスタインフェルドが登場し、ファンやメディアから「自己愛の賛歌」として評価された。
音楽理論的には、本作はGマイナーキーで書かれ、コード進行はCm7-Gm7-B♭-Cm-E♭で構成されている。テンポは120BPMの4/4拍子である。
テーマと解釈
Vultureのライター、ディー・ロケットは、スタインフェルドが「マスターベーションの賛歌を巧妙に表現しつつ、親の目をすり抜けるほど控えめな仕上がりにしている」と指摘している。また、「Love Myself」が音楽業界における女性ポップスターの新たな潮流を生み出す可能性についても言及している。
一方で、スタインフェルド本人は、「この曲の意味はリスナーによって異なるが、私にとってはエンパワーメント・ソングであり、自己ケアや自己満足の大切さを表現したものよ」と説明している。
評価
本作はリリースと同時に好意的な評価を受けた。The Young Folksのブルック・ポーリング・ステネットは、「彼女のデビュー曲として非常に素晴らしい楽曲であり、18歳のスタインフェルドにとって大きな成功を収めた」と評した。The Independentは、「ポップの魅力を存分に感じさせるトラックであり、アリアナ・グランデやトーヴ・ローのようなアーティストに匹敵する」と評価し、「スタインフェルドが今後のポップ界で注目されるべき存在である」と述べている。
チャート成績
本作はBillboard Hot 100で30位、US Dance Club Songsで6位、Billboard Pop Songsで15位を記録した。また、Billboard Pop Songsチャートでは、1998年にナタリー・インブルーリアの「Torn」が26位でデビューして以来、ソロ女性アーティストの最高デビュー順位を更新した。
メディアでの使用
本作は、複数の映画やテレビ番組で使用されている。2015年には映画『Jem and the Holograms』のサウンドトラックに収録された。また、2018年の映画『ブロッカーズ』や、ドラマ『DC’s Stargirl』、『How to Be Single』などにも使用された。
ミュージックビデオ
本作のミュージックビデオは、ハンナ・ラックス・デイヴィスが監督を務め、2015年8月14日に公開された。映像では、スタインフェルドがロサンゼルスの街中でダンスを披露する姿が描かれている。
歌詞の意味
この曲は自分の価値を他人に委ねず、自分自身を思いきり愛し直す強さと解放感をはっきり描いている。相手に依存していた時間を手放し、ひとりでいることを前向きに楽しみ、自分の心も身体も自分のために使うという感覚がそのまま高揚として響いている。
思い出の痛みさえ自分の力で癒やし、欲しい安心や快感を自分自身から与えられるという自信が堂々としていて、誰かに求められなくても満ち足りていられる姿が鮮やかに浮かぶ。
全体として、他人の承認や恋愛に振り回されず、自分を主役にして生きる喜びを軽やかに歌い上げた、セルフラブのエネルギーに満ちた曲になっている。


