【曲解説】Harry Styles – Cherry

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曲情報

「Cherry」(チェリー)はイギリスのシンガーソングライター、ハリー・スタイルズの曲。この曲は2枚目のスタジオ・アルバム『Fine Line』に収録され、2019年12月13日にコロンビア・レコードとアースキンからリリースされた。

ハリー・スタイルズは、フランス人モデルのカミーユ・ロウとの破局後の心の痛みを『ファイン・ライン』のいくつかのトラックに綴った。二人は1年間のロマンスを経て、2018年7月に破局した。カミーユ・ロウはアートコレクターのテオ・ニアルコスと交際を続けた。

テオの父親は、億超えの美術品コレクションを所有しており、そのコレクションは世界最大級であると噂されている。歌詞の中の「彼は親のギャラリーに君を連れて行って、一緒に見て回ったりするの?」はそのことについて言及した部分である。

この曲は、カミーユ・ロウがフランス語でハリーに「ククウ」と挨拶するところから始まる。

アウトロのボイスメールもカミーユ・ロウの実際の声で、まだ友人関係であるカミーユに許可を取ってこの曲にサンプリングした。

歌詞の意味

この曲は別れた相手が新たな関係に踏み出したことを前に、複雑な未練と嫉妬が静かににじむ心情を描く。かつて自分に向けられていた呼び名が他者へ向かう可能性に強い拒否感を示しつつ、連絡が途絶えた現実を受け入れきれない揺らぎが続く。相手の中に今も自分の痕跡が残っているように感じ、その認識がかすかな慰めとして機能する一方、日常の細部にまで未練が染みついている様子が示される。相手の生活や交友を思い出す場面では距離が際立ち、かつて共有した時間の重さが痛みとして浮上する。最後に挿入される何気ない会話は、ふたりの断絶を柔らかい音色で際立たせ、もう届かない世界に置き去りにされた感覚を強める。全体として、別れの後に残る静かな愛着と苦味が淡々と表現された曲となっている。

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