動画
歌詞&翻訳
We are a nation with no geographic boundaries
私たちは地理的な境界を持たない国家
bound together throughout our beliefs
信念によって結ばれた、精神の共同体
We are like-minded individuals sharing a common vision
共通の理想を掲げる、志を同じくする者たちが
pushing toward world rid of color lines
人種の壁のない世界を目指して進んでいく
Five, four, three, two, one
5、4、3、2、1
With music by our side to break the color lines
音楽を味方につけて、人種の壁を打ち壊そう
Let’s work together to improve our way of life
共に力を合わせて、暮らしを良くしていこう
Join voices in protest to social injustice
社会の不正に抗議の声を上げよう
A generation full of courage, come forth with me
勇気ある世代よ、私と共に立ち上がって
People of the world today
今日の世界中の人々よ
Are we looking for a better way of life
もっと良い生き方を求めてるよね?
Sing!
歌って!
We are a part of the rhythm nation
私たちはリズム・ネイションの一員
Woo!
ウー!
People of the world unite
世界の人々よ、団結しよう
Strength in numbers, we can get it right, one time
数の力で、正しい方向へ進めるはず、一度でやり遂げられるわ
Sing it up!
声を上げて!
We are a part of the rhythm nation
私たちはリズム・ネイションの一員
This is the test, no struggle, no progress
これは試練、苦労なくして進歩なし
Lend a hand
手を差し伸べて
Lend a hand to help your brother do his best
手を差し伸べて、仲間を助けて全力を尽くそう
Things are getting worse, we have to make them better
状況は悪化している、でも私たちが良くできる
It’s time to give a damn, let’s work together
今こそ本気で向き合う時が来た、一緒に取り組もう
Come on now
さあ今こそ
People of the world today
今日の世界中の人々よ
Are we looking for a better way of life? (Rhythm)
もっと良い生き方を求めてるよね?(リズム)
We are a part of the rhythm nation (Everybody sing)
私たちはリズム・ネイションの一員(みんなで歌おう)
People of the world unite
世界の人々よ、団結しよう
Strength in numbers, we can get it right, one time (Rhythm)
数の力で、正しい方向へ進めるはず、一度でやり遂げられるわ(リズム)
We are a part of the rhythm nation, woo
私たちはリズム・ネイションの一員、ウー
Bass, bass, bass, bass
ベース、ベース、ベース、ベース
Bass, bass, bass, ba-ba-ba-bass
ベース、ベース、ベース、ベベベ・ベース
Bass, bass
ベース、ベース
Bass, bass
ベース、ベース
Bass, bass, ba-bass
ベース、ベース、ベ・ベース
Bass, bass, nasty
ベース、ベース、ナスティー
We are the nation Sing it, people
私たちはネイション、歌って、みんな
Say it, children
語って、子どもたち
Sing it if you want a better way of life
もっと良い生き方が欲しいなら、歌って
We are the nation Sing it, people
私たちはネイション、歌って、みんな
Say it, children
語って、子どもたち
Sing it if you want a better way of life
もっと良い生き方が欲しいなら、歌って
Nasty
ナスティー
Nasty
ナスティー
Nasty
ナスティー
Ba-ba-ba-ba-bass
ベベベベ・ベース
Ba-ba-ba-ba-bass
ベベベベ・ベース
Rhythm People of the world today
リズム、今日の世界中の人々よ
Are we looking for a better way of life
もっと良い生き方を求めてるよね?
Sing
歌って
We are a part of the rhythm nation, woo
私たちはリズム・ネイションの一員、ウー
People of the world unite
世界の人々よ、団結しよう
Strength in numbers, we can get it right, one time (Sing it up now)
数の力で、正しい方向へ進めるはず、一度でやり遂げられるわ(さあ、声を上げよう)
We are a part of the rhythm nation (Rhythm nation is coming)
私たちはリズム・ネイションの一員(リズム・ネイションがやって来る)
We are the nation Sing it for me, baby
私たちはネイション、歌って、私のために、ベイビー
Sing it for the children
子どもたちのために歌って
Sing it for the babies
赤ちゃんたちのために歌って
Sing it for the future
未来のために歌って
Sing it for the children
子どもたちのために歌って
Sing it for the baby
赤ちゃんたちのために歌って
Sing it for me, sing it for me, sing it for me now
私のために歌って、私のために、さあ歌って
Rhythm (Whoa whoa)
リズム(ウォー、ウォー)
We are a part of the rhythm nation
私たちはリズム・ネイションの一員
曲情報
Janet Jackson(ジャネット・ジャクソン)の楽曲「Rhythm Nation(リズム・ネイション)」は、4枚目のスタジオ・アルバム『Janet Jackson’s Rhythm Nation 1814』からの2枚目のシングルとして1989年にリリースされた。楽曲はジャクソンがジミー・ジャムとテリー・ルイスと共に作詞・作曲・プロデュースを手がけた。ジャクソンはメディアで報じられる数々の悲劇に触発されて本作のコンセプトを構築し、ポジティブなメッセージを持った社会意識的なテーマをアップビートなダンスミュージックの中で表現することを決意した。
アメリカではBillboard Hot 100で最高2位を記録し、Hot Black SinglesおよびDance Club Songsチャートで1位を獲得した。また、世界各国のシングルチャートでもトップ40入りを果たしている。「Rhythm Nation」は「Most Played Song(最も再生された楽曲)」としてBMIポップ・アワードを受賞したほか、Billboardの「Top Dance/Club Play Single」や、ジャクソンが「Producer of the Year」にノミネートされるなど、多くの賞賛を得た。ベストアルバム『Design of a Decade: 1986–1996』(1995年)や『Number Ones』(2009年)にも収録されている。
ミュージックビデオはドミニク・セナが監督し、ジャクソンと当時無名だったアンソニー・トーマスが振付を担当。ビデオは映画『Rhythm Nation 1814』の最終章として制作され、ポストアポカリプス風の倉庫を舞台に、ユニセックスのミリタリースタイルに身を包んだジャクソンとダンサーたちによる高速のダンスが描かれている。映像は人種間の調和を表現するため白黒で撮影された。レーベル側は当初ビデオ制作に反対したが、ジャクソンの強い意向により実現し、「レーベル史上最も広範なプロジェクト」となった。このビデオはMTVビデオ・ミュージック・アワードで「最優秀振付賞」「最優秀ダンスビデオ賞」を受賞し、ビルボード・アワードでは「最優秀女性ビデオアーティスト賞」「監督賞」「芸術功労音楽ビデオ賞」などを受賞した。映画『Rhythm Nation 1814』はグラミー賞「最優秀ロングフォーム・ミュージックビデオ賞」を受賞。ビデオで着用された衣装は全米女性芸術博物館およびロックの殿堂に収蔵され、手書きの歌詞も女性ソングライターの教育資料として使用されている。
Sleigh Bells、ジェイミー・リデル、カイリー・ミノーグなどがこの楽曲から影響を受けたと語っており、Lady Gaga、ピーター・アンドレ、OK Go、ミッキー・アヴァロン、アッシャー、ケリ・ヒルソン、ブリトニー・スピアーズなどはビデオに言及している。ビヨンセ、シェリル・コール、リアーナ、シアラもライブパフォーマンスで衣装や振付にオマージュを捧げた。振付師ダリン・ヘンソンやトラヴィス・ペインにも影響を与え、ケイト・ハドソン、マイケル・K・ウィリアムズ、エリザベス・マシスなどの俳優がビデオを研究し、映画『トロン: レガシー』の振付にも引用された。カバーはピンク、Crystal Kay、少女時代などが行い、『Glee』『The X Factor USA』『Britain’s Got Talent』でも披露された。
背景
4枚目のスタジオ・アルバム制作にあたり、ジャクソンはメディアで報道される様々な悲劇に触発され、社会的な問題を取り上げることを決意した。プロデューサーのジミー・ジャムは、「『Rhythm Nation』のコンセプトはジャネットが考えた。テレビをよく見ていた私たちは、MTVからCNNにチャンネルを変えると、いつも悪いニュースばかりだった」と語っている。特にストックトンの遊具場銃乱射事件には深い悲しみを覚え、「Livin’ in a World (They Didn’t Make)」を制作するきっかけとなった。これを契機に政治的スタンスを持った楽曲を増やし、エネルギッシュなダンスミュージックの中でメッセージを発信していく方針を固めた。
歌詞は、ダンスに対する情熱と人種的統一の理想を融合させ、「信念を共有するカラーブラインドな世界」を描いている。ジミー・ジャムは次のように語っている。「リズムに関連する何かを作りたかった。ある晩の夕食でジャネットが“リズム・ネイション”と言ったんだ。僕がテリーに伝えたら、彼は“ウィー・アー・パート・オブ・ザ・リズム・ネイション”とメロディを口ずさんだ。それで“世界中の人々が、より良い生活を求めている”という歌詞が出てきて、ジャネットが“Rhythm Nation”と歌った。全てが自然にまとまったんだ」
「問題を解決する時間は限られている。人々にその緊急性を知ってほしい。音楽はそのための手段。楽しむことは悪いことじゃないし、それを明確にしたかった。子供たちが“カッコいい!”と言ってくれるのもうれしいけど、歌詞に耳を傾けてくれた時はもっと嬉しい。歌詞には私の思いが詰まっている」——これはジャクソン自身による「Rhythm Nation」へのコメントである。
彼女はこの曲を「90年代の国家(ナショナル)アンセム」と冗談交じりに語り、それが『Rhythm Nation 1814』というアルバム名の由来となった。1814年はアメリカ国歌「The Star-Spangled Banner」が書かれた年である。歌詞のテーマは社会の多様性から着想を得たもので、ジャクソンは「自分の友人たちの間にも、独自の“ネイション”があった」と語る。「私たちはドラッグや酒には興味がなく、社会変革に関心があった。音楽とダンスが大好きだった——それが『Rhythm Nation 1814』の出発点」
また、「若者の中に自然発生的にできたグループのようなものを意識して、それをポジティブなメッセージを持った“ネイション”として共有できたらいいと思った」とも述べている。「私の親しい友人はエンタメ業界の人ではなく、ローラースケート場のスタッフやウェイトレス、バイク便の配達員など、最低賃金で働いている人たち。だけど、私たちをつなぐのは音楽。私たちの小さなグループの中には、確かに“リズム・ネイション”が存在しているの」
ジャクソンは、社会的意識に触れる機会が少ない10代の若者にこの曲のメッセージが届くようにしたかったと語っている。「子供たちに直接メッセージを伝えるには、踊れる音楽が一番。だから、どうすればそれができるかを目指した」。彼女はマーヴィン・ゲイ、ボブ・ディラン、ジョニ・ミッチェルといった社会派のアーティストたちから影響を受け、「彼らのような人々は、自分に音楽の責任を教えてくれた」と語った。
「世界を一人で変えられるとは思っていないけど、迷っている人の背中を押して、前向きな方向に導けるなら、それは大きな意味がある。一人でも変われるなら、それで十分な達成なんです」
「“ダンス音楽で世界が一つになると思ってるの?”って笑う人もいるけど、そんなつもりはない。でも、私たちがしていることには意味がある。もし個人の自由が政治的意味を持つなら、そして楽しさが本当に解決の一部になり得るのなら、それはとても良いことだと思う」
構成
「Rhythm Nation」のギターリフは、Sly and the Family Stoneの「Thank You (Falettinme Be Mice Elf Again)」をベースにしている。人種間の調和やリーダーシップ、反ファシズム、偏見への抵抗、そして地理的境界を超えた「思いやりと献身的な人々の力」を訴える歌詞が特徴である。テンポは中程度のファンクで、ホ短調で作曲されている。ジャクソンのボーカルレンジはC4からA5で、曲中のミドルエイトで最高潮に達する。
曲は「Pledge(誓い)」というプレリュードから始まり、ジャクソンが鐘の音とアンビエントなノイズを背景に「人種の壁のない世界」を描写する。『ニューヨーク・タイムズ』のスティーヴン・ホールデンはこの曲を「ユートピア的なダンスフロアの呼びかけ」と表現し、「人種の調和と協力によるより良い世界を求める歌詞」と評した。
コーラスでは男性コーラスが加わり、ジャクソンは「I(私)」ではなく「we(私たち)」という視点で聴衆に語りかける。この政治家のような語り口で、聴き手を巻き込みながら「多文化の連帯」を象徴するポップ・ステートメントを作り上げている。ラストのコーラスではアドリブも交え、共に歌うことを呼びかけている。
Rhythm Nation (リズム・ネイション) とは?
Rhythm Nation (リズム・ネイション) とは音楽でつながった人々の理想的な共同体を意味する造語。具体的には、音楽を武器に、社会問題(人種差別、貧困、不正など)に立ち向かう運動体というような、比喩的で象徴的な意味での「国」や「運動」を指している。
Nasty (ナスティ) とは?
この曲の中で Nasty (ナスティ) という単語はスラングとして、ある人の行動や能力に対する賞賛や感嘆の表現として使われている。
訳は敢えてそのままカタカナにしたが、もし日本語に言い換えるなら「エグいな」「すごすぎる」「(ダンスが)キレキレだ」「かっこいい」「やべえ」という感じになる。
Bass (ベース) とは?
Bass(ベース)という単語は、通常「低音」「ベース音」を意味するが、この曲の中では音楽的なグルーヴやテンションを高める掛け声的要素として使われている。
音の反復やリズムを楽しむためのスキャット的な表現とも捉えられ、特定の意味というより音響的インパクトが重視されている。
It’s time to give a damn とは?
ここでの “give a damn” は、「気にするもんか」という意味の “don’t give a shit” や “don’t give a fuck” と同じ構文で、「気にする」「関心を持つ」「真剣に受け止める」という意味になる。
- “give a damn” = 気にかける、関心を持つ、ちゃんと向き合う
- “not give a damn” = どうでもいいと思う、気にしない