動画

…Nothing Like the Sun
Sting
- The Lazarus Heart
- Be Still My Beating Heart
- Englishman In New York
- History Will Teach Us Nothing
- They Dance Alone (Gueca Solo)
- Fragile
- We’ll Be Together
- Straight To My Heart
- Rock Steady
- Sister Moon
- Little Wing
- The Secret Marriage
曲情報
「Sister Moon」(シスター・ムーン)はイギリスのミュージシャン、スティングの楽曲。この曲は1987年10月16日にA&Mからリリースされたスティングの2枚目のアルバム『…Nothing Like the Sun』 に収録された。
歌詞の意味
この曲は月を語り手の唯一の寄る辺として描きながら、孤独や欲望に揺れる内面を静かに表現している。月光の下で世界から切り離された語り手は、人々が眠る夜にひとり残され、冷たい光だけを頼りに自分の感情と向き合う。太陽のまぶしさに耐えられないという言葉は、日常世界や他者との関わりに馴染めない心の弱さを象徴し、温もりを求めながらも届かない葛藤が示される。
同時に、月の監視のもとで語られる恋慕や衝動は、人目を避けた夜の行動と結びつき、自己の中に潜む野性や飢えが暗示される。月が無関心に輝き続けることで、語り手は狂気に近づきつつも辛うじて踏みとどまっているという構図が繰り返される。全体としてこの曲は、月を相手に孤独と渇望を告白する内省的な夜想曲になっている。
シェイクスピアと酔っ払いの話
『Lyrics By Sting』の中で、スティングはある夜、千鳥足の酔っ払いをシェイクスピアの言葉でなだめたときのことを語っている。その男はしつこく「月はどれほど美しいのか?」と尋ね続けた。そこでスティングは、シェイクスピアのソネット130番の一節を引用してこう答えた。
「俺の恋人の瞳は太陽のようには輝かない(My mistress’s eyes are nothing like the sun.)」
すると、酔っ払いはその答えを気に入り、ふらふらと夜の闇へと消えていった。
スティングはこう記している。
「シェイクスピアはいつだって役に立つ。特に暴れそうな酔っ払いを落ち着かせるのにはね。なぜなら、彼らに『こいつの方が自分よりもイカれてる』と思わせることができるからさ」
曲のテーマ
この曲は特に、世界中の”狂人”たちに捧げられたものであり、その正気が月の満ち欠けに左右される人々のための歌である。


