【歌詞和訳】The Beatles – Girl

動画

歌詞&翻訳

Is there anybody going to listen to my story
僕の話を聞いてくれる人はいるだろうか
All about the girl who came to stay?
泊まりに来たあの子の話なんだ
She’s the kind of girl you want so much, it makes you sorry
あの子は好きになりすぎてあとでつらくなるタイプなんだ
Still, you don’t regret a single day
それでも一日だって後悔はしてないけどね

Ah, girl
ああ、あの子
Girl, girl
あの子、あの子

When I think of all the times I’ve tried so hard to leave her
何度も必死に彼女から離れようとした時のことを思い出すよ
She will turn to me and start to cry
彼女は僕を見つめて泣き出して
And she promises the Earth to me and I believe her
「すべてを捧げるから」って言われて、僕はそれを信じてしまうんだ
After all this time, I don’t know why
今になってなんで信じてたのかよくわからないんだけど

Ah, girl
ああ、あの子
Girl, girl
あの子、あの子

She’s the kind of girl who puts you down
彼女って誰かと一緒にいるときには僕をけなすような子なんだ
When friends are there, you feel a fool
友達の前だと、バカみたいな気分にさせられる
When you say she’s looking good
「きれいだね」って言っても
She acts as if it’s understood
当然でしょって顔をするだけ
She’s cool, ooh, ooh, ooh
冷たいんだよね、ああ

Girl
あの子
Girl, girl
あの子、あの子

Was she told when she was young that pain would lead to pleasure?
彼女は若い頃、「苦しみのあとに喜びがある」って教えられたのかな?
Did she understand it when they said
それを聞いて、ちゃんと意味がわかったんだろうか
That a man must break his back to earn his day of leisure?
「男は1日休むために身を粉にして働かなきゃいけない」って言われて
Will she still believe it when he’s dead?
もしその男が死んだとしても、まだその話を信じるんだろうか?

Ah, girl
ああ、あの子
Girl, girl
あの子、あの子

Ah, girl
ああ、あの子
Girl, girl
あの子、あの子

曲情報

 「Girl」(ガール)は、イギリスのロックバンド、ビートルズが1965年のアルバム『Rubber Soul』で発表した楽曲である。ジョン・レノンが作詞作曲を担当し、クレジットはレノン=マッカートニー名義となっている。「Girl」は同アルバムのために最後に完成した曲であり、ビートルズ初期のラブソングの中でも特に哀愁と複雑さを持つ作品として評価されている。

作曲

 「“Girl”は現実の話なんだ。あの女の子は実在しない、夢の存在だったけど、歌詞は本物だった。単なる歌じゃなく、あの女の子について歌っていた──結局それはヨーコだったんだけど──多くの人が探し求めていた存在だったんだ」

 — ジョン・レノン

 この曲の楽器構成には、ギリシャ音楽の影響が見られる点で、「And I Love Her」や「Michelle」と共通している。歌詞のインスピレーションについて、レノンは「Girl」は彼が理想として探し求めていた女性像を描いたものであり、それは後に出会うヨーコ・オノのことだったと語っている。1980年に『Rolling Stone』誌のインタビューでレノンは、自作の「Woman」について「“Girl”に似ている気がする。似せようとしたわけじゃないけど、“Girl”をやってた頃の感覚で書いた。つまり、“Woman”は大人になった“Girl”なんだ」と述べている。

 マッカートニーは「彼女は若い頃に教えられたのか、苦しみが喜びにつながると」と「男は働き詰めになって初めて休めると」という2行を自分が書いたと主張している。しかし、1970年の『Rolling Stone』誌のインタビューでレノンは、これらの行はキリスト教に対する皮肉として自分が書いたと説明しており、当時の彼はキリスト教に批判的だった。「天国に行くには苦しまなければいけない、みたいな教え──苦しまないと報われないって考え方──そういうのに疑問を持ってたんだ」と述べている。

レコーディング

 著者イアン・マクドナルドは「Girl」を「マッカートニーの“Michelle”に対するレノンの返答」と表現し、「ユーロ・ソング的で、モック・フレンチの代わりに退廃的なドイツ風のツーステップと、ミキス・セオドラキスの『その男ゾルバ』の音楽が混ざったような曲」と評している。レノンとジョージ・ハリスンが演奏するアコースティック・ギターはカポタストを使用しており、音色に独特の明るさを加えている。音楽学者ウォルター・エヴァレットは、ハリスンのギターパートの一部はカポを極端に高い位置に装着しており、その演奏スタイルから「鼻にかかったシタール風のブズーキのような音色」が生まれていると指摘している。

 レノンのリード・ボーカルはオーバーダブされており、ビートルズの楽曲としては前例のない録音処理が施された。マッカートニーは「ジョンは息づかいまで聴かせたいって言って、すごく親密な感じを出したがってた。だからジョージ・マーティンが特別なコンプレッサーを使って、ジョンがオーバーダブした。ジョンはエンジニアのノーマン・スミスに、“息を吸う音までちゃんと録ってくれ”って頼んでたよ」と語っている。ビートルズの要望に応じて、エンジニアはボーカルにトレブルを強調する処理を加え、その音色はリンゴ・スターのブラシ・シンバルと一致するような響きとなったとエヴァレットは述べている。

 中間部では、マッカートニーとハリスンが「tit」という語を繰り返しハーモニーで歌っている。マッカートニーによれば、これはビーチ・ボーイズの「You’re So Good to Me」に影響を受けたものであり、「“la la la”みたいな無邪気な雰囲気が気に入って、それを真似したかったけど、同じフレーズは使いたくなかった」と回想している。

幻の1977年シングル化

 1966年初頭、「Girl」は「Michelle」のB面としていくつかのヨーロッパ諸国でリリースされ、フィンランドでは1位を記録した。またイタリアでは、「Nowhere Man」とのカップリングでA面としてシングル化され、国内のチャートで7位を獲得した。

 1977年11月、キャピトル・レコードはアメリカで「Girl」と「You’re Going to Lose That Girl」を収録したシングル(Capitol 4506)を、コンピレーション・アルバム『Love Songs』の発売にあわせてリリースする予定だったが、実際には発売中止となった。プロモーション用には、「Girl」のステレオ版とモノラル版を収めた黒いビニールのシングル盤と、ピクチャー・スリーブ付きのコピーが制作された。

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