【歌詞和訳】The Beatles – Here, There And Everywhere

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歌詞&翻訳

To lead a better life, I need my love to be here
より良い人生を送るために、愛する人がそばにいてほしいんだ

Here, making each day of the year
ここで、毎日を彩ってくれる
Changing my life with a wave of her hand
彼女が手をひと振りしてくれるだけで僕の人生は変わる
Nobody can deny that there’s something there
誰にも否定できないよ、そこに確かな何かがあるってことを

There, running my hands through her hair
そこでは、彼女の髪に指をすべらせながら
Both of us thinking how good it can be
ふたりで思ってる これからどんなに素敵な関係になれるだろうって
Someone is speaking, but she doesn’t know he’s there
誰かが話してるけど、彼女はその人がそこにいることにすら気づいてない

I want her everywhere
どこにでも彼女がいてくれたらいいのに
And if she’s beside me, I know I need never care
もし彼女がそばにいてくれたら、もう何も気にしなくていいってわかるんだ
But to love her is to need her everywhere
でも彼女を愛することは、どこにでも彼女がいないと生きていけないってこと

Knowing that love is to share
愛は分かち合うものだってわかってる
Each one believing that love never dies
誰もが愛は決して消えないって信じてる
Watching her eyes and hoping I’m always there
彼女の目を見つめて、いつもそばにいられるよう願ってる

I want her everywhere
どこにでも彼女がいてくれたらいいのに
And if she’s beside me, I know I need never care
もし彼女がそばにいてくれたら、もう何も気にしなくていいってわかるんだ
But to love her is to need her everywhere
でも彼女を愛することは、どこにでも彼女がいないと生きていけないってこと

Knowing that love is to share
愛は分かち合うものだってわかってる
Each one believing that love never dies
誰もが愛は決して消えないって信じてる
Watching her eyes and hoping I’m always there
彼女の瞳を見つめて、いつもそばにいられるよう願ってる

I will be there and everywhere
僕はそこにいるよ、どこにでもいる
Here, there and everywhere
ここにも、そこにも、どこにでも

曲情報

 「Here, There and Everywhere」(ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア)は、イギリスのロックバンド、ビートルズが1966年に発表したアルバム『Revolver』に収録された楽曲。バラード形式のラブソングで、ポール・マッカートニーによって書かれ、レノン=マッカートニー名義でクレジットされている。マッカートニー自身が作詞作曲した中でも特にお気に入りの楽曲の一つである。2000年、雑誌Mojoによって「史上最高の楽曲」ランキングで4位に選ばれた。

背景とインスピレーション

 マッカートニーは1966年6月初旬、ジョン・レノンのウェイブリッジの自宅で「Here, There and Everywhere」の作曲を開始した。レノンが目を覚ますのを待つ間、プールサイドのデッキチェアに座りギターを弾いていたところ、キーEでコードをいくつか思いつき、レノンが起きる頃には曲の大部分が完成していたという。その後、2人で屋内に入り仕上げた。

 この曲についてマッカートニーは、しばしばビーチ・ボーイズの「God Only Knows」にインスパイアされたと語っており、それは彼のお気に入りのポップソングでもある。1990年には、同曲の冒頭のハーモニーが特に影響を受けた部分だと述べ、イントロに古風な「前置き」の雰囲気を持たせたかったのだと説明している。

音楽構造

 ケネス・ウーマックによると、「Here, There and Everywhere」は「今この瞬間を生きること、意識的な体験の重要性」をテーマとしたロマンティックなバラードである。ヴァース部分はメジャーコードの上昇進行に基づき、ミドルエイト(4小節)は主音の相対調に転調する。

 「To lead a better life」で始まるイントロはGメジャーで、I–iii–♭III–ii–V7というコード進行を用いている。「I need my love to be here」の♭III(B♭コード)は、通常のVI(E7)の代わりに使われる不協和音的な代替コードである。

 ヴァースの「Here」はGメジャーのI(Gコード)とメロディのG音で始まり、「making each day of the year」へとI–ii–iii–IV(G–Am–Bm–C)と進行する。「Changing my life with a wave」で繰り返されるが、「of her hand」の部分で進行が変化し、IV(C)から6半音下がったvii(F♯m)へ、さらにV-of-vi(B7)に移行する。この際、Gスケール外のC♯およびD♯が加わる。

 「of her hand」の部分では、マッカートニーはF♯mとB7の両方で主にB音を歌い、さらに「nobody can」ではBとC♮を交互に使ってトライトーンを生じさせている。

 ブリッジの「I want her everywhere」で、F7コードを介してキーがB♭メジャーに移行し、I–vi–ii(B♭–Gm–Cm)のコード進行となる。その後D7コードを通じてGマイナー(i–iv)に移行し、最終的にはD7のピボットを用いてGメジャーに戻る。

 Rolling Stone誌は「この曲のコード進行にはブライアン・ウィルソンの影響が見られ、3つの関連キーを行き来しながらも一つに定着することなく進む。その転調—特に『changing my life with a wave of her hand』の部分—は、マッカートニーの当時の恋人である女優ジェーン・アッシャーにインスパイアされた歌詞を巧みに際立たせている」と述べている。

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