【曲解説】LISA (BLACKPINK) – NEW WOMAN feat. Rosalía

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曲情報

「New Woman」(ニュー・ウーマン)は、タイのラッパー兼シンガーであるLISA(リサ)が、スペインのシンガーであるロザリアをフィーチャーした楽曲。2024年8月16日にLloudとRCA Recordsを通じてリリースされ、リサのデビューアルバム『Alter Ego』(2025年)からの2枚目のシングルとなった。ポップとエレクトロニックを主体とし、トラップの要素を含む楽曲で、リサが自己変革し、自らのアイデンティティを再発見することをテーマとしている。プロデュースはイリヤとマックス・マーティンが担当し、リサ、ロザリア、トーヴ・ブルマン、トーヴ・ローと共に作詞した。

「New Woman」は音楽評論家から概ね好意的な評価を受け、プロダクション、リサのボーカル、ロザリアのパフォーマンスが特に評価された。Billboard Global 200で最高15位、Global Excl. U.S.では6位を記録し、それぞれリサにとって4作目、ロザリアにとって5作目のトップ10入りとなった。また、マレーシア、シンガポール、台湾のチャートでトップ10に入り、スペインではトップ15入りし、ゴールド認定を受けた。アメリカでは、リサにとって4作目のBillboard Hot 100入りを果たし、97位を記録した。

ミュージックビデオはデイヴ・マイヤーズが監督を務め、シングルと同時にLloudのYouTubeチャンネルで公開された。ロサンゼルスで撮影されたこの映像は、楽曲のテーマであるエンパワーメントと変革を反映し、2000年代のハイファッションに身を包んだリサとロザリアが登場する。プロモーションの一環として、リサは2024 MTV Video Music Awards、Global Citizen Festival 2024、Amazing Thailand Countdown 2025でこの楽曲を披露した。「New Woman」は2024 MTV Europe Music AwardsでBest Collaborationを受賞し、Best Videoにノミネートされた。

背景とリリース

YGエンターテインメントを離れ、ソロ活動を開始したリサは、2024年2月に自身のアーティストマネジメント会社Lloudを設立し、4月にRCA Recordsと提携してソロ音楽をリリースする契約を結んだ。同年6月28日、LloudとRCA Recordsから初のソロシングル「Rockstar」をリリースした。8月2日には、「Rockstar」に続く新曲のティーザーを投稿し、ピンクの髪と星形のペンダントを身に着けた姿を公開。3日後、Lloudは銀色の星が浮かぶピンクの雲を背景に「coming soon」の文字と回転する銀色のバラ、「LALISA ______」というテキストを表示した動画を公開し、ファンの間でロザリアとのコラボレーションが噂された。

リサとロザリアは以前から互いを称賛しており、ロザリアはリサのダンスを高く評価し、リサはロザリアのスペイン文化を取り入れた音楽性を絶賛していた。8月6日、両者は正式にコラボレーションを発表し、「New Woman」というタイトルと8月15日午後8時(ET)/8月16日午前7時(ICT)のリリースを明かした。発表には、サングラスをかけたリサとロザリアがカメラを見つめるシングルのカバーアートが添えられ、リサはレザーコルセットとジャケット、ロザリアはピンクのファーコートを着用していた。「New Woman」はリサのソロアルバムからの2枚目のシングルであり、ロザリアにとっては2023年の『RR』収録曲やビョークとのコラボ「Oral」以来のシングルとなった。

作曲と歌詞

「New Woman」はリサ、ロザリア・ビラ・トベジャ、トーヴ・ブルマン、トーヴ・ロー、イリヤ、マックス・マーティンによって作詞作曲され、イリヤとマックス・マーティンがプロデュースを担当した。また、トーヴ・ローはバックボーカルとしても参加している。「New Woman」は「Y2K風の」ポップとエレクトロニックを基調とし、トラップの要素を含む楽曲で、長さは3分。楽曲は、リサが「火をくぐり抜け、新しいオーラをまとった『New Woman』へと生まれ変わる」ことを歌う部分から始まる。リサはまた「花のように咲き、炎を歩き抜け、自分を再発見する」ことを歌詞に込めている。1回目のサビの後、楽曲のテンポが落ち、ロザリアがスペイン語で「ささやくような」リリックを歌う。

批評的評価

Clashのロビン・マレーはこの楽曲を「女性ポップエネルギーの真の表現」と評した。Stereogumのダニエル・チェロスキーは「夏向けのバンガーで、強烈なビートチェンジがある」と評価した。シンガポール版『Vogue』のジャニス・シムは、「しなやかでグルーヴィーなトラックであり、リサの新しい自己表現が際立つ」と述べた。『Rolling Stone』は「New Woman」を2024年のベストソング70位に選出し、「90年代後期のティーンポップのような仕上がり」とし、「MTV Total Request Live時代を思わせるスウェーデン的ビートと、フリップフォンやファックスマシンを官能的に演出するミュージックビデオ」を称賛した。同様にNMEは、2024年のベストK-POPソング24位に選出し、「リサは全力を出し、曲のすべての要素が見事に調和し、今年最も魅惑的な楽曲のひとつになった」と述べた。一方、『Variety』のタニア・ガルシアはこの楽曲を2024年最悪の曲の一つと評し、「理論上は素晴らしいコラボレーションだが、実際には失敗している」と述べた。リサとロザリアを個々には称賛しつつも、二人のパートが分離しすぎており、一体感に欠けると批評した。

歌詞の意味

この曲はLISAとROSALÍAが、自分を縛っていたものを破り捨て、新たな存在へ生まれ変わった姿を高らかに宣言する内容になってる。壁を叩き壊すような導入から、過去の痛みや重荷を燃やし尽くし、再び立ち上がる再生のテーマが核になってる。内面を整え、自分の根本まで掘り下げて変革したことで、輝きがより強くなったという自己進化の感覚が浮き上がる。

LISAは新しい自分を纏ったオーラの高まりを強調し、焦らず心の集中を取り戻したことで、以前よりも強く、しなやかで、自信に満ちた存在になったと示してる。外側の美しさだけでなく、精神のクリアさを武器に前へ進む姿が印象的。

ROSALÍAは生まれ持った純度や、自分の道を信じて突き進む覚悟を語り、名声ではなく本質で勝負してきたという誇りをにじませる。静かな強さと確信があり、どんな時代が来ても自分は失敗しないという意志が鮮烈に響く。

二人が重なることで、痛みを金色の輝きへと変える錬金術のようなイメージが生まれ、再生と覚醒のメッセージがより力強くなる。最後まで、未来へ向けて境界を越えていく躍動感に満ちた、解放と進化のアンセムになってる。

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