【曲解説】Sting – This Cowboy Song

動画

ミュージックビデオ

オーディオ

曲情報

「This Cowboy Song」(ディス・カウボーイ・ソング)は、イギリスのミュージシャン・Sting(スティング)による楽曲であり、コンピレーションアルバム『Fields of Gold: The Best of Sting 1984–1994』に収録された2つの新曲のうちの1つである(もう1曲は「When We Dance」)。この曲は1994年8月から9月にかけてウィルトシャーのLake Houseで録音され、カウボーイの視点から自らの人生を振り返り、死を意識する内容となっている。「This Cowboy Song」は、A&M Recordsより1995年1月30日にアルバムの2枚目のシングルとしてリリースされ、イギリス、カナダ、アイスランド、アイルランドでトップ40入りを果たした。

リリース

「This Cowboy Song」はスティングの母国イギリスでトップ20入りを果たし、UKシングルチャートで最高15位を記録した。この曲はアメリカではシングルとしてリリースされなかったが、カナダではRPM 100ヒットトラックスチャートで34位を記録した。ミュージックビデオはHoward Greenhalgh(ハワード・グリーンハルシュ)によって監督され、スペインで撮影された。このビデオには、スティングが「これまでに作られたすべての西部劇のクリシェ(決まり文句)」を詰め込んだと語る内容が描かれている。

評価

『Smash Hits』誌のEmma Cochrane(エマ・コクレーン)はこの曲に5点満点中3点を付け、「数年前にスティングは『Bring On the Night』という落ち着いた曲をリリースした。今回は、それを『This Cowboy Song』と名付けてもう一度リリースしたようなものだ。確かに歌詞は変わっているが、メロディはほぼ同じであり、西部の大地を馬で駆け抜けるような雰囲気では全くない」と評した。

歌詞の意味

この曲は罪を抱えた放浪者が救済を求めながら砂漠をさまよう姿を通し、贖いと再生への希求を描いた内容になっている。道を照らす光のない旅路は、迷いや内的空虚を象徴し、追われるように走る馬や聞き覚えのない遠吠えが、罪の重圧や恐れを比喩的に示す。語り手は自らを堕落した存在と認め、暴力に依存してきた過去を振り返りながら、救いの言葉に触れてもなお躊躇する姿が描かれる。

その中で示される“ドッグスター”(シリウス)は、暗闇で道標となる光の象徴であり、語り手が向かうべき再生の方向を示す存在として扱われる。カウボーイの歌という素朴な祈りに帰る行為は、宗教的な赦しと個人的な愛情の両方を求める心の動きを表している。全体としてこの曲は、過去の過ちに苛まれつつも、遠い光に導かれて救済を願い続ける人物像を静かに描いた作品になっている。

error: Content is protected !!