【曲解説】Sting – Love Is The Seventh Wave

動画

ミュージックビデオ

オーディオ

曲情報

Love Is the Seventh Wave(ラヴ・イズ・ザ・セヴンス・ウェイヴ)は、スティングの1985年のソロ・デビュー・アルバムThe Dream of the Blue Turtles(ザ・ドリーム・オブ・ザ・ブルー・タートルズ)からのヒット・シングルである。イギリスではアルバムの2枚目のシングルとして、アメリカでは3枚目のシングルとしてリリースされた。

曲の情報

この曲は、スティングがかつて在籍していたバンド、ポリスの最大のヒット曲「Every Breath You Take(見つめていたい)」への短い自虐的な言及を含んでいる。「最後に『Every cake you bake, every leg you break(君が焼くケーキすべて、君が折る脚すべて)』と歌っているんだ。曲をモジュールのように組み合わせて、異なる曲の歌詞をミックスするのが好きなんだ。今ではこれは伝統になっている」とスティングは語っている。

評価

Cash Boxは「軽快なリズムの推進力とトロピカルなメロディーラインはポリスの楽曲を思い起こさせるが、ブランフォード・マルサリスのソプラノ・サックスの彩りと全体の楽器のブレンドが、この曲をスティングのソロ作品として魅力的なものにしている」と評した。Billboardは「レゲエの影響」と「ジャズの技術」が融合していると述べた。

ミュージック・ビデオ

ミュージック・ビデオでは、スティングが小学校教師として登場し(音楽活動を始める前の本業であった)、生徒たちの作品の中でパフォーマンスを披露している。

この作品は、イギリスのキングストン・アポン・テムズにあるラッチミア・ジュニア・スクールの生徒たちによって制作された。

シングルのリリース

シングルには、アルバムとは異なるミックスが収録されている。また、B面には1985年5月にパリのモガドール劇場で録音された「Consider Me Gone(コンシダー・ミー・ゴーン)」のライブ・バージョンが収められている。

歌詞の意味

この曲は目に見える世界の表層を超えて、もっと大きな力や深い流れが人間社会や自然のあらゆる場所に作用しているという思想を提示している。感覚に支配された世界の支配者のようにふるまう相手に対し、語り手は、その奥に別の層が存在し、それが人々や国境や暴力をも超えて広がっていると告げる。海のさざ波から砂漠の砂丘まで、自然の細部がその深い力の表れとして描かれ、世界全体に連続する見えない動きがあると示される。

やがて、この深い波が怒りや兵器、権力の象徴をも超えて広がり、破壊や恐怖の渦中にあっても消えない中心的な力として表現される。その本質が愛であるという言葉が反復され、愛が最終的に世界のあらゆる流れを統合し、他のどんな力より強いという主張が強調される。

最後に、自然の細部と人間の呼吸が結び直され、愛の波がすべての営みに浸透しているという視点へと収束していく。全体として、世界を貫く普遍的な力としての愛を象徴的に描く作品になっている。

「seventh wave(第七の波)」とは?

この曲のタイトルにある「seventh wave(第七の波)」は、海岸で波を数えると7番目の波が最も大きくて強力な波になるという迷信から来ている。スティングはこの概念を用いて、当時の世界が悪意や混乱の波に飲み込まれている中で、その背後には愛というより大きくて強力な波が存在し、それが最終的に世界を救う力になると歌っている。彼はこの曲を通じて、愛が自己中心性を超えた普遍的な力であり、希望をもたらすものであると伝えている。

error: Content is protected !!