動画

THIS IS FOR
TWICE
- FOUR
- THIS IS FOR
- OPTIONS
- MARS
- RIGHT HAND GIRL
- PEACH GELATO
- HI HELLO
- BATTITUDE
- DAT AHH DAT OOH
- LET LOVE GO
- G.O.A.T.
- TALK
- SEESAW
- HEARTBREAK AVENUE
- THIS IS FOR (Extended)
- TAKEDOWN
曲情報
「MARS」(マーズ)はJYPエンターテインメント所属の韓国のガールズグループ、TWICE(トゥワイス)の曲。この曲は2025年7月11日にリリースされたフルアルバム『THIS IS FOR』に収録されている。
歌詞の意味
この曲は「世界から少し外れた場所にふたりだけで逃れる」という空想を、逃避としてではなく“存在証明の再構築”として扱う構造になっている。ここでの火星は荒涼とした孤独の象徴ではなく、既存の価値観から切り離された自由領域として機能し、周囲に馴染めない感覚を抱える者同士が互いを唯一の同類として認識する場となる。
地球=日常世界は、所属できない違和感と疲労の源として暗示されるが、直接的な暴力や悲劇は描かれず、重さは抑制されている。焦点は「居場所の欠乏」ではなく「居場所の発見」に向かっており、逃走の動機より“連れ出す相手の存在そのもの”に比重が置かれる。
手を取り合ってどこかへ向かう描写は、冒険の高揚というより、ふたりの距離が社会から切り離されていく過程の比喩として働く。
サビに現れる問いかけはアイデンティティの揺らぎを扱うが、それは自己否定ではなく、同じ違和感を共有する者を見つけた瞬間に肯定へ転じる仕組みを持つ。自分と同じ顔をした相手=“理解してくれる唯一の他者”への視線が物語の中心で、宇宙の広さは孤独の拡大ではなく、ふたりの関係が外界から解放されるスケール感を提供している。
反復される「We are alive」は、壮大な生命賛歌というより、ふたりが同じ場所に立っているだけで存在の実感が回復するという小さな確信に近い。外の世界に居場所がないと感じること自体は否定されず、その感覚を共有することでようやく“生きている”と言える心理的現実が立ち上がる。
全体として、逃げ場としての火星ではなく、誰にも邪魔されない関係を築くための象徴的な目的地として火星が選ばれ、孤独の物語が“ふたりの共鳴”に書き換えられていく過程を描く曲になっている。

