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曲情報
「Concrete Jungle」(コンクリート・ジャングル)はレゲエバンド、ザ・ウェイラーズ(ボブ・マーリー・アンド・ザ・ウェイラーズ)の曲。「Concrete Jungle」は、1973年にIsland Recordsから発売された、ザ・ウェイラーズの5枚目のスタジオ・アルバム『Catch a Fire』に収録された。
歌詞とテーマ
「Concrete Jungle」は、都市生活における抑圧や疎外感、貧困、暴力といった現実を描いた楽曲であり、特にジャマイカの首都キングストンのスラム街での生活が背景にある。歌詞では、「No chains around my feet but I’m not free(足に鎖はないが、自由ではない)」といった表現を通じて、物理的な束縛がなくても精神的・社会的に自由を奪われている状況が描かれている。続く「Slave Driver」や「Stop That Train」なども同様に、植民地主義の遺産や自由の喪失をテーマとした社会政治的な楽曲である。
ジャケットと評価
『Catch a Fire』の製作記録の演奏と音声は少しずつ追加され、アルバムは美術家Rod DyerとBob Weinerによるジッポライター形のジャケットスリーブで発売。のちにEsther Andersonが撮ったマーリーの写真を使った別ジャケット版も出た。
アルバムはビルボードの200で最高171位、ブラックアルバムチャートで最高51位を記録。『Rolling Stone』の「全時代の最高のアルバム個人500選」には126位に入っており、Bob Marleyの作品の中では『Legend』に続く二番目の位置にある。
歌詞の意味
この曲は都市空間を“コンクリート・ジャングル”と呼び、そこで生きる者が抱える閉塞感、孤独、自由の欠如を象徴的に描く。太陽も月も輝かないという導入は、希望が遮断された精神状態を示し、光の不在は生の喜びの喪失と直結している。外面的には束縛されていないにもかかわらず、内面的・社会的には囚われの身であるという二重構造が示され、幸福や愛情の感覚には触れられないという哀切が重なる。それでも語り手は笑おうとし、自力で立ち上がろうとするが、周囲は混乱と幻影に満ち、生き延びるために最大限の努力を求められる環境であることが強調される。全体として、都市の過酷さとその中での精神的闘いを、苦悩と抵抗の両面から描き出す楽曲となっている。


