動画

The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars
David Bowie
- Five Years
- Soul Love
- Moonage Daydream
- Starman
- It Ain’t Easy
- Lady Stardust
歌詞&翻訳
Oh
Ooh yeah
Now Ziggy played guitar, jamming good with Weird and Gilly
そして今、ジギーがギターを弾き始め、ウィアードとギリーもノリノリで即興セッションを始めた
And the Spiders From Mars
ザ・スパーダーズ・フロム・マーズのメンバーさ
He played it left hand, but made it too far
彼は左利きでギターを弾いてたけど、やりすぎてしまって
Became the special man, then we were Ziggy’s band
特別な存在になってしまった、それで気づけば俺たちはジギーのバンドになってたんだ
Ziggy really sang, screwed up eyes and screwed down hairdo
ジギーは全身全霊で歌ってた、目を細め、髪型はガチガチにキメて
Like some cat from Japan
まるで日本から来たカリスマって感じだった
He could lick ‘em by smiling, he could leave ‘em to hang
笑顔ひとつで誰でもノックアウトできたし、惹きつけたまま放っておくこともできた
He came on so loaded, man, well-hung and snow-white tan
めちゃくちゃにキマった感じで現れて、セクシーで、日焼けしてるのに真っ白っていう、作り物みたいな体だった
So where were the spiders
で、あのときスパイダーズはどこにいた?
While the fly tried to break our balls?
ハエ共が俺たちをうんざりさせようとしていたときに
Just the beer light to guide us
頼れるのは、ビールの灯りくらいのもんだった
So we bitched about his fans
だから俺たちはジギーのファン共について不満を言い合ってた
And should we crush his sweet hands?
いっそ、あいつの美しい手を潰してしまおうか──そんなことまで言ってた
Oh yeah
Ziggy played for time, jiving us that we were voodoo
ジギーは時間を稼いでた、俺たちが呪術的な存在なんだって吹き込んで
The kids were just crass, he was the nazz
ファンは自己中なガキばかりだったけど、ジギーは救世主そのものって感じだった
With God-given ass, he took it all too far
神に授けられたようなセクシーさを武器に、完全にやりすぎてしまった
But boy, could he play guitar
でも、あいつのギターは本当にすごかったよ
Making love with his ego
自分のエゴと愛し合って
Ziggy sucked up into his mind (ah)
ジギーは、自分の頭の中に吸い込まれていった(ああ)
Like a leper messiah
まるでらい病のメシアみたいに
When the kids had killed the man
ファンのガキ共がジギーという男を壊してしまったとき
I had to break up the band
俺はバンドを解散させるしかなかったんだ
Oh yeah
Ooh
Ziggy played guitar
ジギーはギターを弾いていた
曲情報
「Ziggy Stardust」(ジギー・スターダスト)は、イギリスのシンガーソングライター、デヴィッド・ボウイによる楽曲で、1972年のアルバム『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)』に収録されている。1971年11月にロンドンのトライデント・スタジオで録音され、バックバンドのスパイダーズ・フロム・マーズ(ミック・ロンソン、トレヴァー・ボルダー、ミック・ウッドマンジー)と共に制作された。プロデュースはボウイとケン・スコットの共同。歌詞は、バイセクシュアルな異星人のロックスター「ジギー・スターダスト」が、地球外生命体の使者として登場し、地球に希望をもたらすという物語を描いている。このキャラクターは、イギリスのロック歌手ヴィンス・テイラーや、レジェンダリー・スターダスト・カウボーイ、山本寛斎から影響を受けている。アルバム中ではすでに登場しているキャラクターだが、本曲がその中心的存在として、より人間的な視点からジギーの栄光と没落を描き出している。音楽的にはグラムロックに属し、ミック・ロンソンのギターリフを基盤としている。
リリース以降、「Ziggy Stardust」は音楽評論家から広く称賛されており、その物語性、ギターリフ、バンドの演奏が高く評価されている。ボウイの代表曲のひとつとされ、しばしば史上最高の楽曲のリストにも名を連ねている。『Rolling Stone』誌は2010年の「史上最も偉大な500曲」で本曲を第282位にランク付けした。また、ロックの殿堂「ロックンロールの歴史を形作った500曲」にも選出されている。ボウイはジギー・スターダスト・ツアーや1978年のステージ・ツアー、2000年代のツアーでも本曲を頻繁に披露した。
1982年にはイギリスのゴシックロックバンド、バウハウスがカバーし、UKシングルチャートで15位を記録した。ボウイのオリジナル音源はシングルとしてはリリースされなかったが、1972年のライブバージョンが1994年にフランスでブートレグ・アルバム『Santa Monica ’72』のプロモーション用にシングルカットされた。その後も複数のコンピレーションアルバムに収録され、2012年には40周年記念としてリマスターされ、2015年のボックスセット『Five Years (1969–1973)』にも収録された。
歌詞
歌詞では、地球外生命体の使者として現れたロックスター、ジギー・スターダストというボウイの別人格が描かれる。このキャラクターは、神と宇宙人のハイブリッドだと信じていた精神崩壊後のヴィンス・テイラーから部分的に着想を得ており、「leper messiah(癩病の救世主)」という表現にその名残がある。また、レジェンダリー・スターダスト・カウボーイや、ツアー衣装を手がけた山本寛斎からも影響を受けている。「Ziggy」という名前は「Z」から始まるキリスト教的な名前を探していて見つけたとされ、後に「Iggy Popへの言及を含みつつ、仕立て屋“Ziggy’s”の名前を拝借した私的ジョークだった」とボウイは語っている。
アルバム中では3曲目の「Moonage Daydream」でジギーが登場するが、「Ziggy Stardust」は物語の中核を担う楽曲であり、彼の誕生から没落までを描く「誕生から死までの年代記」として機能している。「Lady Stardust」では未完の物語が描かれ、結末の兆しも曖昧なままだが、「Ziggy Stardust」ではジギーの人間的な側面をもって彼の浮き沈みを提示している。語り手は明確ではなく、観客、バンドメンバーの誰か、あるいはジギー自身の断片的な記憶という解釈も可能である。
ジギーはドラッグを使用し、「巨大な性器」や「部屋から出られないほど衰弱した肌色」など典型的なロックスターの特徴を持っている。彼は「左利きでギターを弾き」、これはジミ・ヘンドリックスを連想させる描写であり、「ジギーは僕らがブードゥーだと踊らせた」「子供たちに殺された」といった歌詞が続く。また、「well-hung(よく発達した)」や「snow-white tan(真っ白な日焼け)」といった表現は、イギー・ポップの性的に奔放なパフォーマンスと関連づけられている。「came on so loaded man(すごく酔ってた)」という一節にはヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リードの影響も見られる。
「the Nazz」という言葉は、コメディアンのロード・バックリーがキリストを指して使った言葉であり、トッド・ラングレンやアリス・クーパーのバックバンドの名前でもある。なお、アリス・クーパーは1965年に「Spiders」という名のバンドを率いていた。ペッグは「making love with his ego」という一節がジム・モリソンやミック・ジャガーを指している可能性が高いとしつつ、その対象は今なお増え続けていると述べている。
「Ziggy sucked up into his mind(ジギーは自分の心の中に吸い込まれた)」というフレーズは、『Hunky Dory』収録の「Queen Bitch」に登場する「your laughter is sucked in their brains(君の笑い声が彼らの脳に吸い込まれる)」という歌詞と響き合っている。
歌詞の意味
catの意味
Like some cat from Japan
まるで日本から来たカリスマって感じだった
cat はジャズ由来のスラングで「(クールな / イカした / センスのいい / お気に入りの / 憧れの / 尊敬している)アーティスト」のことを言う。