動画

Figure 8
Elliott Smith
- Son of Sam
- Somebody That I Used to Know
- Junk Bond Trader
- Everything Reminds Me of Her
- Everything Means Nothing to Me
- L.A.
- In the Lost and Found (Honky Bach)/The Roost
- Stupidity Tries
- Easy Way Out
- Wouldn’t Mama Be Proud?
- Color Bars
- Happiness/The Gondola Man
- Pretty Mary K
- I Better Be Quiet Now
- Can’t Make a Sound
- Bye
- Because
- Figure 8
歌詞&翻訳
The imitation picks you up like a habit
まがいものを作ることにすっかり慣れきってしまった君
Writing in the glow of the TV’s static
テレビの砂嵐の明かりの中で曲を書いて
Taking out the trash to the man
ゴミみたいな曲を作ってあの男に渡す
Give the people something they’d understand
人々が理解できそうなものを与えるんだ
A stick man flashing a fine-lined smile
繊細な線で描かれた笑顔をぱっと見せる棒人間
Junk bond trader trying to sell a sucker a stock
ジャンク債のトレーダーがカモに株を売りつけようと躍起になってる
Rich man in a poor man’s clothes
身なりが貧しい金持ち
The permanent installment of the daily dose
延々と続く日課の一服
And you tell off when you tell it like it is
本当のことを言うときは、批判ばっかりになる
Your world’s no wider than your hatred of his
君の世界は彼を憎む気持ち以上には広がらないんだ
Checking into a small reality
狭い現実に入り込んで
Boring as a drug you take too regularly
常用しすぎて効かなくなった薬みたいに退屈を感じてる
The athlete’s laugh, the broken crutch
アスリートの笑い声、壊れた松葉杖
The first true love that folded at the slightest touch
わずかな触れ合いで壊れた初恋
Brought down like an old hotel
古びたホテルみたいに倒壊したんだ
People digging through the rubble for things they can resell
人々は瓦礫をあさって転売できるものを探してる
Happy holidays, sad sick savior
楽しい休日を、病んでる哀れな救世主
The leaving lover that I still favor
今でも好きな別れた恋人
I won’t take your medicine
君の薬は受け取らないよ
I don’t need a remedy
治療なんていらないから
To be everything I’m supposed to be
あるべき自分になるために
I don’t want nobody else
誰の助けもいらないよ
I can do it by myself
自分一人でやっていけるから
We’re meant to be together
僕らは一緒になる運命なんだ
Now I’m a policeman directing traffic
今、僕は交通整理をしてる警察官
Keeping everything moving, everything static
すべてを動かしてるのに、結局何一つ変わってない
I’m a hitchhiker you’ll recognize passing
On your way to some everlasting
君が「ある永遠のもの」に向かう途中で、すれ違って気づくヒッチハイカー、それが僕なんだ
Better sell it while you can
今のうちに売っておいたほうがいい
Better sell it while you can
今のうちに売っておいたほうがいい
Better sell it while you can
今のうちに売っておいたほうがいい
Better sell it while you can
今のうちに売っておいたほうがいい
曲情報
「Junk Bond Trader」(ジャンク・ボンド・トレーダー)はアメリカのシンガーソングライター、エリオット・スミスの5枚目のスタジオアルバム『Figure 8』に収録された曲。このアルバムは1998年から2000年にかけて複数のスタジオでレコーディングされ、2000年4月18日にドリームワークス・レコードよりリリースされた。
歌詞の意味
初見では意味がわからないかなり難解な歌詞だが、redditに投稿されたとある海外のファンの解釈が非常に的確で納得できるものだったため、以下にまとめてみた。
1. 「Junk Bond Trader」=音楽業界への批判と自己批判の両面構造
- 最初のヴァースで業界を「ジャンク債(価値のない模倣品)」にたとえ、商業主義や欺瞞を鋭く批判。
- ただしそれを外に向けた批判で終わらせず、第2ヴァースでは「その批判ばかりしてる自分」も問い直している。
“Your world’s no wider than your hatred of his”
→ 「お前の世界は彼への憎しみ以上には広がらない」
ここで「憎しみをベースにした創作」がどれだけ限界的かに気づいてるのが重要です。
2. 「瓦礫を漁る」=創作と痛みの関係性
- 「broken crutch」「first true love that folded」などのイメージが、「過去の痛みや崩壊したもの」を象徴していて、それを「resell(再利用)」する=創作の糧にする。
- その痛みを「sad sick savior(哀しく病んだ救世主)」と呼ぶのは、苦しみが創作を導いてくれる存在であるという皮肉な感情。
“We’re meant to be together” は「その痛みと自分は切り離せない」ということ。
3. Verse 3:創作のパラドックスを描写
- 「policeman directing traffic」と「hitchhiker passing by」の二面性は、コントロールする自分と流れに身を任せる自分という創作者の葛藤。
- 「everything moving, everything static」の逆説も面白い。「動いているようで何も変わっていない」という現代社会や音楽業界の停滞も暗示。
4. 「今のうちに売っとけ」=皮肉と現実的な決意
- 最後の “Better sell it while you can” は、業界に対する嘲笑とも取れるし、それでも自分はこの創作を続けていくという覚悟の表明とも取れる。
- 芸術と商業の狭間にいるアーティストとしての葛藤が凝縮されたフレーズ。