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曲情報
「Book of Days」(ブック・オブ・デイズ)は、アイルランドのミュージシャン、Enya(エンヤ)の楽曲で、1991年のスタジオ・アルバム『Shepherd Moons(シェパード・ムーンズ)』に収録されたオリジナル・バージョンはアイルランド語で歌われている。その後、1992年にリリースされたシングル・バージョンでは新たに英語詞が加えられ、英語とアイルランド語のバイリンガル構成となっている。このバージョンはロン・ハワード監督の映画『遥かなる大地へ』のために録音され、ミュージックビデオにも同映画の映像が使用された。1992年中頃以降の『Shepherd Moons』の後期プレス盤では、このバイリンガル・バージョンがアイルランド語版に代わって収録されており、初期の純アイルランド語版は比較的珍しい存在となっている。
「Book of Days」はUKシングルチャートでエンヤにとって2曲目のトップ10入りを果たし、最高10位を記録した。また、アイルランド・シングルチャートでは12位を記録している。この曲はジェームズ・キャメロン監督の映画『タイタニック』の編集時にテンポラリートラックとしても使用されており、最終的にサウンドトラックに収録された「Take Her To Sea, Mr. Murdoch」の場面に対応していた。また、アニメ『Robot Chicken』シーズン10最終話「Endgame」にも使用されている。
評価
AllMusicのネッド・ラゲットは、この「素晴らしい」楽曲について、「エンヤの持ち味である控えめなドラマ性が存分に発揮されている」と評している。Gavin Reportは「この楽曲は旋律と和声の傑作であり、クラシックとなる要素をすべて備えている」と評価した。『Music & Media』は「映画『遥かなる大地へ』からの楽曲であり、元のクランナドのようなエーテル的インストゥルメンタルに歌詞が加えられたバージョンである」と述べている。『Music Week』は、「エンヤの最新の音響風景『Book of Days』は、彼女らしく流麗であり、多層的でありながら空気のように軽やかだ」とコメントしている。
歌詞の意味
この曲は人生の旅路をテーマにした祈りのような歌で、未来へ向かって進む勇気を静かに描いている。主人公は、日常の一瞬一瞬の中に、自分の運命を切り開くための「始まり」の可能性を見つけていく。最初の部分では、一歩の踏み出しが人生を変えるかもしれないという予感が語られ、道は東へ西へ、海を越えることさえあるが、どんな選択も自分の旅の一部だと受け止めている。
挿入されるゲール語の詩は、「日々」「夜ごと」に続く長い旅と、まだ語られていない物語を象徴している。過去の経験やこれからの未来が重なり合い、人生は一冊の本のようにページをめくっていくというイメージが強調される。
中盤では、どんな困難があっても挑戦する姿勢が語られ、迷いや失敗を経験しながらも、理想の一日を必ずつかもうとする決意が表れる。続くパートでは、信じる夢が新しい世界へ導く力となり、その世界は海の向こうに広がる未知の地として描かれている。
最後は、旅の果てに誰かと共に到達する結末が示され、孤独だったはずの旅が「一緒に終わる日」へと変わることで、希望と温かさが残る締めくくりになっている。
全体を通して、静かだが芯のある「前進」のメッセージが宿っており、人生の節目や転機にそっと寄り添うような楽曲となっている。


