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Clapton Chronicles (The Best Of Eric Clapton)
Eric Clapton
- It’s In The Way That You Use It
- Forever Man
- Running On Faith
- She’s Waiting
- River Of Tears
- (I) Get Lost
- Wonderful Tonight
曲情報
「プリテンディング」は、ジェリー・リン・ウィリアムズが作詞作曲したロックソングである。1989年にエリック・クラプトンのアルバム『Journeyman』の1曲目としてリリースされた。この曲はアルバムからのリードシングルとしてリリースされ、アメリカとヨーロッパでは「Before You Accuse Me」、イギリスでは「Hard Times」がB面となり、ビルボードホット100で55位に達し、同チャートでのアルバムからの最高位のシングルとなった。
歌詞の意味
この曲は愛の手前で本心を隠し続けるふたりのすれ違いが、音楽のリハーサル風景と重ねられて描かれてる。過去の思い出を反芻しながらも、現実では曲作りさえうまく噛み合わず、誰かが動き、誰かが留まり、リズムも気持ちも揃わない。その不協和の中で、相手が「分かっているふり」をしていることに気づいた瞬間、語り手は関係の芯がすでに空洞化していることを悟る。
相手は満たされているように見えても、肝心な感情の部分では曖昧な態度を続け、気持ちをごまかしている。そこには自分自身が誰なのか揺らいでしまうほどの不確かさが漂っていて、愛に必要な誠実さが欠けていることが痛いほど伝わる。
一方で語り手は、強い愛であれば本当は崩れないと信じているからこそ、偽ることで成り立つ関係が耐えられない。気持ちを隠し続けるのはもうやめてほしい、愛しているならそのまま示してほしいという切実な呼びかけが、後半に向かうほど率直な響きを増していく。
全体として、形だけは続いている関係の中で、相手が心を開かずに演じ続けていることへの失望と、本当の気持ちを取り戻したいという願いが交錯し、繰り返される言葉が空虚さと切なさを強めていく曲になっている。


