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Clapton Chronicles (The Best Of Eric Clapton)
Eric Clapton
- It’s In The Way That You Use It
- Forever Man
- Running On Faith
- She’s Waiting
- River Of Tears
- (I) Get Lost
- Wonderful Tonight
曲情報
“Tears in Heaven”(ティアーズ・イン・ヘヴン)は、イギリスのギタリスト/シンガーソングライターであるエリック・クラプトンと、アメリカのソングライターであるウィル・ジェニングスによる楽曲で、映画『ラッシュ』(1991年)のサウンドトラックのために制作された。クラプトンの4歳の息子コナーが死亡した出来事を題材としている。
1992年1月、クラプトンはイングランド・バークシャー州のブレイ・スタジオで観客の前で本作を披露し、この録音は『Unplugged』アルバムに収録された。
ワーナー・ブラザース・レコードから発売され、アメリカではクラプトンにとって最大のヒット・シングルとなり、Cash Box Top 100で1位、Billboard Hot 100で2位を記録した。UKシングルチャートでは5位に到達し、20か国以上でトップ10入りを果たした。グラミー賞では最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンス、最優秀楽曲賞、年間最優秀レコード賞を受賞。2004年にローリング・ストーン誌の「史上最も偉大な500曲」で353位に選出された。
作詞の背景
1991年3月20日、クラプトンがロリー・デル・サントとの間にもうけた4歳の息子コナーが、ニューヨークのアパート53階の窓から転落して死亡した。クラプトンはしばらくの間ひとりで過ごした後、映画『ラッシュ』の音楽制作に取りかかり、ウィル・ジェニングスと共に「Tears in Heaven」を書くことで悲しみと向き合った。クラプトンはジェニングスのスティーヴ・ウィンウッド作品を高く評価していた。
ジェニングスによると、クラプトンは第1節の歌詞を書いたあと、残りを執筆するよう依頼したが、ジェニングスは個人的すぎる題材であるためクラプトン自身がすべて書くべきだと促したという。最終的に彼は参加したが、「これほど個人的で悲しい曲は自分のキャリアでも例がない」と語っている。
クラプトンは1992年のインタビューで、「この曲は以前から頭の中にあったが、映画音楽として作業するまで形になる理由がなかった」「曲はコナーについてとも受け取れるが、映画の一部としても機能する」と語っている。また別のインタビューでは、「無意識のうちに音楽を癒しの手段として使っていたが、本当に効果があった。音楽から多くの幸福と癒しを得た」と述べている。
歌詞の意味
この曲は最愛の存在を失ったあと、残された者がその喪失に向き合おうとしながら、心のどこにも居場所のない痛みを静かに抱え続ける姿を描いてる。相手のいる“天国”という場所を思い浮かべながら、もし再び会えたなら自分を覚えていてくれるだろうかと問いかけるが、その問い自体が答えのない絶望を含んでいて、主人公はそこに踏みとどまることができないとわかっている。
現実を生きなければならないという理性と、愛する者がいなくなった世界を歩くことへの耐え難い心の重みがひとつの歌の中で揺れ動いている。時間が人を傷つけ、膝を折らせ、心を砕くという描写は、喪失が日々の中で繰り返し襲ってくる現実をそのまま映したものだが、それでも歩き続けるしかないという思いがかすかに支えになっている。
曲の背景には幼い息子を突然失ったエリック・クラプトン自身の深い悲しみがあり、音楽は彼にとって癒やしの手段になった。自分の痛みをどう扱えばいいのかわからないまま、それでも歌を通して少しずつ前へ進もうとする姿勢が、静かでありながら圧倒的な切実さで響いてくる。
結局これは亡くなった存在への呼びかけであると同時に、自分自身をなんとか支えようとする祈りのような曲で、涙が消える場所を願いながら現実に立ち戻る強さを求める心が淡く灯っている。
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日本でのライブパフォーマンス


