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歌詞&和訳
I’m a rolling stone, all alone and lost
俺は転がる石だ、孤独で道に迷っている
For a life of sin, I have paid the cost
罪深い人生の代償を払ってきた
When I pass by, all the people say
俺の横を通り過ぎるとき、誰もがこう言う
“Just another boy down the lost highway”
「ロスト・ハイウェイを行くまた別の小僧だ」
Just a deck of cards and a jug of wine
トランプにワインの瓶
And a woman’s lies make a life like mine
そして女の嘘が俺のような人生を作る
Oh, the day we met, I went astray
ああ、俺たちが出会った日、俺は道を間違えてしまった
I started rollin’ down that lost highway
俺はこのロスト・ハイウェイを転がり始めたんだ
I was just a lad, nearly twenty-two
俺は22歳くらいのただの若造だった
Neither good nor bad, just a kid like you
良くも悪くもない、おまえのようなただのガキだった
And now I’m lost, too late to pray
そして今俺は路頭に迷っている、祈るには遅すぎるが
Lord, I’ve paid the cost on the lost highway
主よ、俺はロスト・ハイウェイを転がった代償はもう支払ったよ
Now, boys, don’t start your ramblin’ round
さあ小僧共、ぶらぶらしようとするんじゃない
On this road of sin or you’re sorrow bound
この罪深い道でな、さもなきゃ後悔に縛られることになる
Take my advice or you’ll curse the day
俺のアドバイスを真摯に受け止めろ、さもなきゃお前はその日を呪うことになるだろう
You started rollin’ down that lost highway
お前はこのロスト・ハイウェイを転がることになるんだ
曲情報
盲目のシンガーソングライターによって作詞作曲された
1948年に盲目のカントリーシンガーソングライターであるレオン・ペイン(Leon Payne)によって作詞作曲され、リリースされた曲。ハンク・ウィリアムズがリリースしたのは、この翌年の1949年である。
ハンク・ウィリアムズの代表曲?
ハンク・ウィリアムズは、Rolling Stone誌が選ぶ史上最も偉大なカントリーアーティスト100(100 Greatest Country Artists of All Time)において第2位に選ばれる程のカントリー界のビッグネームだが、この曲はそのハンク・ウィリアムズが自身で書いたわけでもなく、ヒットチャートにもほとんど載らなかったが(カントリーチャートで12位)、皮肉にもこの曲はハンク・ウィリアムズの代表曲として広く知られている。
ロスト・ハイウェイとローリング・ストーンの元祖
この曲は、音楽界で最も有名な2つの比喩を後世に残した。それは、ロスト・ハイウェイとローリング・ストーンである。
どちらのイメージも、移動を続けるものの、しばしば暗い場所に行き着く、彷徨う精神を表している。夢を追うために街を離れた多くのミュージシャンは、これらのコンセプトに共感し、自身の曲に使用した。
レオン・ペインは、あちこちヒッチハイクしながら仕事探しに苦労した後に「ロスト・ハイウェイ」を書いた。歌詞は、彼自身の旅での経験と直面した困難からインスピレーションを得たものだった。
ロスト・ハイウェイという言葉は次の作品に登場する。
・Emmylou Harrisの”All I Left Behind” と “Guitar Town”
・Beckの”Heart Is A Drum”
・Lee Ann Womackの”Happiness”
・Green Dayの”Jesus Of Suburbia”
・Bon Joviの”Lost Highway”
・Willie Nelsonの”Lost Highway”
またデヴィッド・リンチ監督も同名のタイトルの映画を公開した。
一方「ローリング・ストーン」という言葉の由来をたどると、「転がる石には苔もつかない」という聖書の時代の諺にまで遡るが、この曲の歌詞が音楽界に「ローリング・ストーン」という言葉を広めた。ボブ・ディランの有名な曲「ライク・ア・ローリング・ストーン」(1965)も、「ロスト・ハイウェイ」から影響を受けて生み出された。またマディ・ウォーターズの「ローリン・ストーン」はハンク・ウィリアムズが「ロスト・ハイウェイ」をリリースした翌年の1950年のリリースである。そして、1967年11月9日に創刊された音楽雑誌のローリング・ストーン誌は、雑誌名の由来として「転がる石には苔もつかない」と、マディ・ウォーターズとボブ・ディランの影響だったと声明を出している。
訳に関して
”lost highway”をロスト・ハイウェイとそのまま訳した。上述の通り、この言葉の意味は”rolling stone”と同じでどちらのイメージも、「移動を続けるものの、しばしば暗い場所に行き着く、彷徨う精神」を表している。ローリング・ストーンを「転がる石」と日本語に訳しても、その言葉の奥にある意味を掴むプロセスは英語と同じで変わらないが、ロスト・ハイウェイを日本語にしてしまうと全くピンと来ない言葉になってしまうためそのままにした。
その他の動画
エリオット・スミスのカバー。