【曲解説】ROSÉ – too bad for us

音源

曲情報

「too bad for us」(トゥー・バッド・フォー・アス)は韓国のガールズグループ、BLACKPINKのメンバー、ROSÉ(ロゼ)の1stフルアルバム『rosie』に収録された曲。このアルバムは2024年12月6日にリリースされた。

歌詞の意味

この曲は愛が静かに枯れていく瞬間を、ゆっくりと砂漠化していく関係になぞらえて描いてる。気づかないうちに亀裂が広がり、気づいた時には大切な時間も気持ちも砂のように指の間から消えてしまっていたという虚しさが中心にある。ふたりの間で涙は乾き、かつて咲いていたはずのバラももう育たないという比喩が、取り返しのつかない喪失感を淡々と響かせる。

運命に手のひらで転がされているような無力さや、同じ場所にいながら通じ合えなくなってしまった心の距離が描かれ、前にも後ろにも進めない宙ぶらりんな状態が痛いほどリアルに浮かぶ。高く飛び上がった恋が太陽に近づきすぎて燃え尽き、落ちたあとにはひとりで踊るしかないという孤独も深く滲む。

お互い話したいのに聞きたくない、続けたいのにもう何かが欠けているとわかってしまっている。そのズレが、愛は思い通りにならないという苦い真実へとつながり、燃え上がるほど早く終わるという自己慰めの言葉が繰り返される。

全体を通して、気づけば終わりが忍び寄っていた恋と、その宿命を受け入れるしかないふたりの静かな絶望を描いた、乾いた痛みのラブソングになってる。

head in the sandの意味

head in the sand」は通常、「bury/have your head in the sand」の形で、「たとえ自分の状況に影響を及ぼすとしても、嫌な事実について考えることを拒否すること」という意味で使われる慣用表現である。

自然な訳として「二人して現実逃避して」「二人して目を背けて」などの訳が考えられるが、直後に続くフレーズは、

となっており、「目を背ける」より「耳をふさぐ」という表現の方がうまくつながる。

しかし、歌詞の中には砂に関連するフレーズもあり、これは「head in the sand」の直訳である「砂の中に頭をうずめる」という意味とつながっているため、「耳をふさぐ」や「現実逃避」という訳ではこのつながりが理解できなくなってしまう。

「砂漠」とのつながりを切って自然な訳である「二人して耳をふさいで」という訳にしようか迷ったが、結局のところ「head in the sand」が「現実逃避」という意味で使われる慣用表現であるという前提知識さえ持っていれば、直訳こそが作詞者の意図を最大限に引き出せる訳だと考えて直訳を採用した。

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