【曲解説】The Beach Boys – Surfer Girl

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曲情報

「Surfer Girl(サーファー・ガール)」は、アメリカのロックバンド、ザ・ビーチ・ボーイズの楽曲。1963年のアルバム『Surfer Girl』に収録され、ブライアン・ウィルソンが作詞・作曲・リードボーカルを務めた。シングルとしては1963年7月22日に「Little Deuce Coupe(リトル・デュース・クーペ)」とのカップリングでリリースされた。

このシングルは、ブライアン・ウィルソンが正式にプロデューサーとしてクレジットされた初のザ・ビーチ・ボーイズ作品でもある。

背景

ウィルソンはしばしば「Surfer Girl」を自身の最初のオリジナル作と語っていたが、彼の高校時代の親しい友人たちはそれ以前にも多くの曲を書いていたと証言している。

歌詞はウィルソンの最初の真剣な交際相手、ジュディ・ボウルズにインスパイアされている。彼女とは3年半にわたって交際していた。

ウィルソンは曲の誕生について次のように説明している:

「1961年当時、僕はまだ一度も曲を書いたことがなかった。19歳だった。ある日ホットドッグスタンドに向かう車の中で、自分を試そうとした。ピアノもなく、頭の中だけでメロディーを作った。車の中で声に出すこともなく、自分の中で歌った。家に帰ってからブリッジを書き、ハーモニーを組み立て、曲を完成させて“Surfer Girl”と名付けた」

この楽曲は、ディオン&ザ・ベルモンツによる「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」のバージョンに着想を得ており、同じAABA形式を採用している。

ウィルソンは後にソロアーティストとしてこの楽曲を2011年のトリビュートアルバム『In the Key of Disney』でカバーし、「『When You Wish Upon a Star』が“Surfer Girl”のインスピレーションになった」と語っている。

レコーディング

この楽曲は1962年2月8日にワールド・パシフィック・スタジオで初めてレコーディングされた。ただし、当時の録音(エンジニアはハイト・モーガン)は1969年までリリースされなかった。

楽曲はDメジャーで書かれており、Bセクションの後にE♭メジャーへ転調する構成となっている。

シングルリリース

「Surfer Girl」は「Little Deuce Coupe」とのカップリングで、1963年7月22日にキャピトル・レコードからアメリカでリリースされた。

『Cash Box』誌はこの曲を「リルティングなソフト・ビートのバラードチャーム」と表現している。

歌詞の意味

この曲は、浜辺で見かけた少女に恋心を抱いた語り手が、純粋で直線的な憧れをそのまま歌いかける内容になっている。語り手は彼女を遠くから見つめ続け、いつか一緒に波に乗り、日々を共にしたいという素朴な願いを抱く。自分が彼女の夢を叶えられる存在になりたいという思いも語られるが、その核心には「彼女は自分を好きなのか」という不安と期待がある。全体として、初期のポップスらしい無垢で甘い恋の情景が中心に据えられている。

Woody(ウッディ)とは?

木製のパネルが特徴的なステーションワゴンのこと。1940年代から1950年代にかけて人気があった。特にサーフィン文化においては、サーフボードを積んで海へ向かう車として象徴的な存在となっている。

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