動画
曲情報
「CRAZY -Japanese ver.-」(クレイジー -ジャパニーズバージョン-)は日本3rdシングル『CRAZY』に収録されたタイトル曲。このシングルは2024年12月11日0時にリリースされた。
歌詞の意味
pumpingとは?
「10まんボルト」はポケモンのピカチュウが持つ技の名前で、それが「pumping」してるということは、電気がみなぎってる、電気が体を駆け巡ってるということ。つまり、「ピカピィーカァー」ということである。
歌詞全体の意味
この曲は、ボール・ルームのような空間で生きる人々——ジェンダー表現が自由で、個性と美意識を解放できる人々——の心情を象徴的に描いている。社会の「普通」や「正しさ」に自分を合わせようとしてきた主人公は、その過程で理性と感情の間に強い矛盾を抱えてきた。頭では抑えようとしても、本能のほうが「このままでは自分が壊れてしまう」と叫んでいる。
そんな葛藤を経て、主人公は“外側は大人しく見せながらも、内面では大胆なスタイルを貫く”という二面性の美学を選び取る。これはボール・ルームのドラマティックな表現に通じるもので、ジェンダー規範を揺さぶりながら、自分らしさを誇りとして押し出す姿勢そのものを象徴している。
かつては、自分の“クレイジーさ”を否定し、周囲の目に怯え、理性に従うことで安心しようとしていた。しかしその生き方は、内なる「ハート」を押し殺すことにつながり、主人公を苦しめてきた。今はその矛盾と向き合い、自分が生まれつき持っている感覚や価値観こそが本当の自分だと受け入れる段階に到達している。
仲間とともに、自らの美しさや“女らしさ”を解放し、ポーズとユーモアをまとうように自己表現を楽しみながら、主人公はようやく自分自身の味方になっていく。誰に否定されても揺るがない強さ、そして「これが私なんだ」と胸を張る覚悟が、この曲全体を貫くテーマとなっている。
マインド、ハート、心
この部分は、韓国語ver.と英語ver.の歌詞にはそのニュアンスがないが、日本語ver.では英語の “mind” と “heart” を対比的に描いているような歌詞になっている。この2つの単語はどちらも日本語では「心」と訳せるが、”mind“は「理性、知性、思考」のことで、「頭」寄りの「心」のことである。つまり、理性が「社会的規範から逸脱した自分のクレイジーな部分」を抑えようとしているが、そのせいで “heart“(感情、感覚、直感)がズタズタになっている、という2つの「心」の性質の違いが対比的に描かれている。
ちなみにガリレオは地動説を唱え、異端審問にかけられ、地動説が正しいとわかっていながら、審問官の前にひざまずき地動説を放棄した人物である。このエピソードと重ねて、自分のゲイやオタクのアイデンティティが本来の自分であることを知りながらも、社会的規範に屈し、自分の “heart” を捨てなければいけないと葛藤していた昔の自分について語っている歌詞だと解釈できる。



