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曲情報
「シーズ・エレクトリック」はイギリスのロックバンド、オアシスの2枚目のスタジオアルバム『モーニング・グローリー』((What’s the Story)Morning Glory?)に収録された曲で、このアルバムは1995年10月2日にクリエイション・レコードからリリースされた。
歌詞の意味
この曲は、彼女に完全に心を奪われているのに、どこか妙にとぼけた語り口で自分の気持ちを打ち明ける “ちょっと不器用で可笑しな恋の告白” になっている。
語っている本人は彼女に夢中で、ただし周囲の家族まで含めてやたらと個性が強く、予想外の人間関係に振り回されつつ、それでも惹かれる気持ちは止められない…という微妙なニュアンスが特徴。
最初のパートでは、彼女が “電気的 / 予測不能 / ちょっと変わっている” 存在として描かれ、何をしても意外すぎて、もっと時間が必要だと言いながらも離れられない様子が伝わる。彼女の妹まで恋しいと言い、彼女の手の豆にまで目がいくような細かい観察をしているあたり、完全にのぼせていると分かる。
サビでは、「もう気持ちは決まってる。でももう少し時間がほしい」という、優柔不断さと高まりつつある本気の狭間にいる状態が表れている。「わかる?」と相手に確認したがりながらも、やっぱり “more time” と繰り返すのが、この語り手の愛らしいところ。
“あなたが僕で、僕があなたで…” と続くポストコーラスでは、ふたりで見て、して、経験できることがたくさんあると語りつつ、「彼女はエレクトリック。僕もそうなれる?」と、彼女と同じ世界に飛び込みたいという願望が軽いユーモアを伴って滲む。
後半では、彼女の兄とは合わないのに母親には妙に惹かれる、いとこは大量にいる、さらに妊娠している親族までいるという、混沌とした家族像が描かれる。語り手はその混沌を笑いながら受け止めつつ、それでも関係が深まりつつある気配を誇らしげに語っている。
全体として、奇妙で騒がしい彼女の世界にどんどん巻き込まれ、戸惑いながらも嬉しそうにその渦中に飛び込もうとしている、甘さとユーモアに満ちたラブソング。
最後に何度も繰り返される “Can I be electric too?” は、彼女の世界と同じスパークを自分も得たい、彼女と同じリズムで生きたいという、ちょっと不器用で真っすぐな願いの言葉になっている。


