【曲解説】Boz Scaggs – We’re All Alone

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※この曲は作詞したボズ・スキャッグスが複数の意味を持たせることができるように書いたが、完璧に両立させることができなかったため、矛盾する部分があり、本人も完璧に理解できていない部分がある。その矛盾を解消するために、様々なアプローチで解釈することが可能であり、もはや正解はない。以下の訳は天国にいる男性と未亡人の女性の2人の視点が交互に入れ替わりながら歌っているパターンである。(著作権に配慮し、歌詞と和訳を削除しました)

曲情報

「We’re All Alone」(ウィ・アー・オール・アローン)は1976年にリリースされたボズ・スキャッグスのスタジオ・アルバム『シルク・ディグリーズ』の収録曲。その後シングルカットされた。

歌詞の意味

この曲は生と死の境界が静かに溶け合い、天国に旅立った男性と地上に残された女性が、互いの声を心の内側で確かめ合うように進んでいく物語として響く。現実には決して届かないはずの思いが、雨や海、風といった自然のイメージに溶けこみ、二人を隔てていた距離がゆっくりと薄れていく。そのため、歌の語り手がどちらなのかが場面ごとに曖昧になり、まるで二人の心がふと混ざり合う瞬間を描いているかのように感じられる。
残された女性の痛みや喪失は、優しく寄り添う声によって少しずつほどけていき、失われたはずの愛が別の形で蘇る。過去の悲しみも、語り尽くせない後悔も、自然の営みに委ねるように手放していくと、二人を縛っていた時間さえも溶けてしまう。
結局この曲は、意味を一つに定めない曖昧さの中にこそ美しさが宿っていて、別れの痛みを抱えながらも、愛が静かに続いていく世界をそっと描いた作品とも言える。

2007年の『シルク・ディグリーズ』再発盤に寄せたライナーノーツでスキャッグス本人は「この曲のタイトルを個人的な話と普遍的なテーマを両立させるものとしたが、両者の意味が同時に成立するような歌詞にするのに苦労した」と語っており、上記のような複数の解釈が可能なように最初から歌詞が設定されていたことが明らかとなった。しかしながら同時に歌詞づくりが非常に難航し、レコーディングが始まっても完成せず、書き足しながら録音したことを明かしたうえで、「この曲の意味は自分の中でも完全にはわかっていない」と語っている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3

Aimie or ami 問題

Aimie” もしくは “ami” の部分が英語圏のサイトで “ami” になってたり “and ami” になってたりするのに対して、日本のサイトではAimieが多い。

歌詞カードを探して画像検索してみたところ、日本語の解説が併記されている歌詞カードの画像に、 “Aimie” という歌詞が記載されていたが、これが正確な歌詞かどうかはわからない。(ローカライズする際に、翻訳担当者が文字起こしで非公式な歌詞を作成することはよくあること)

ちなみに海外で”Aimie“を採用しているサイトは見当たらなかった。

海外のフォーラムでは、 “ami” は「親しい男性の友人」を指すと複数の人が言及していた。

追記
Amieバージョンも存在した。
フランス語で「友達、恋人」という意味で、男性の場合は「ami」、女性の場合は「amie」ということだった。

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