動画

Figure 8
Elliott Smith
- Son of Sam
- Somebody That I Used to Know
- Junk Bond Trader
- Everything Reminds Me of Her
- Everything Means Nothing to Me
- L.A.
- In the Lost and Found (Honky Bach)/The Roost
- Stupidity Tries
- Easy Way Out
- Wouldn’t Mama Be Proud?
- Color Bars
- Happiness/The Gondola Man
- Pretty Mary K
- I Better Be Quiet Now
- Can’t Make a Sound
- Bye
- Because
- Figure 8
曲情報
「Happiness/The Gondola Man」(ハピネス/ザ・ゴンドラマン)はアメリカのシンガーソングライター、エリオット・スミスの5枚目のスタジオアルバム『Figure 8』に収録された曲。このアルバムは1998年から2000年にかけて複数のスタジオでレコーディングされ、2000年4月18日にドリームワークス・レコードよりリリースされた。
歌詞の意味
redditの「What is Happiness about?」というスレッドに投稿されたコメントがこの曲を理解する手がかりになったので、以下訳したものを載せておきます。
彼は男と女のちょっとしたドラマを通して、哲学的なポイントを語っているだけなんだと思う。
この歌は、彼がかつてインタビューで「失敗の種類」について語った内容と関係している気がする。
「慎重すぎるっていうのが、いちばんよくある失敗の仕方だね。
死ぬっていうのも、またひとつの形。それか、感情を殺すっていうのもよくあるやり方だよ。たとえばドラッグやアルコールとか、そういうものでね」だから、「その男は誰とも関わらなくて済むように、自分の人生を嘘にした」
ある人たちは、本当の自分と世間に見せる顔が違う。自分が本当はどんな人間かを知られるのが恥ずかしいとか、怖いとかで、人と関わろうとしない。これは、慎重すぎる生き方でもあるし、感情を殺す(=麻痺させる)っていうことにも近い。ドラッグや酒と同じようにね。男は「アクティビティ(活動)」に殺されていく役者として描かれていて、語り手は「他の人を巻き込んだらもっと悪くなるよ」と忠告している。
エリオットが言っていたのは、彼自身が自分のことをどう見ていたか、つまり「感情の問題を抱えていて、近づいた人たちを結局傷つけてしまうから、むしろ最初から誰とも深く関わらないほうがいい」と考えていたことなんだと思う。
これはアルコール依存症の自助グループ(AA)なんかで言われる「回復の最初の1年は新しい恋愛を始めるな」という教えにも通じる。女もまた似たような話になっている。「彼女は自分を守るために、記憶を逆に働かせていた(her memory worked in reverse)」
これは、最近のつらい記憶を意識的に消そうとしていた、とも取れるし、あるいは「役者の彼」と関わる前の、過去の時点に心を戻そうとしていたとも取れる。これは「Whatever(Folk Song in C)」にも似てるよね。
「What are you doing, hanging out with me(なんで君は僕とつるんでるの?)」
つまりこれは、自分自身にも他人にも「良くなろうとしてる」と嘘をついている二人の話なんだ。
関係を持つべきじゃないし、お互いを良くしあえる関係でもない二人の話。でも最後の「Happiness」のパートでは、「昔、埋葬されたあの役者」が、少なくともその関係に「善意」をもって向き合っていたことがわかる。
…とはいえ、結末はよくないけどね。
「he/she might never have to know anyone(彼/彼女は誰かを知る必要がなくなるかもしれない)」という歌詞は、『グッド・ウィル・ハンティング』のセリフに影響を受けたものだと、ずっと思ってた。映画は1997年、曲は1998年に出たしね。
「それってすごい哲学だよな、ウィル。そうすれば一生、誰かを本当に知ることなく生きていけるんだから」


