【曲解説】ILLIT – 時よ止まれ

動画

曲情報

「時よ止まれ」はBELIFT LAB所属の韓国のガールズグループ、ILLIT(アイリット)の曲。この曲は日本1stシングルとして2025年9月1日0時にリリースされた。

歌詞の意味

この曲は夏の終わりのきらめく時間を、少女たちの友情と変身願望、そして「今が永遠であってほしい」という切実な願いで包み込んでいる。はじまりから語り口調で“ひとつの御噺”として提示されていて、現実よりも少しだけ魔法のかかった世界に足を踏み入れたような感覚になっている。

放課後のアイス、汗でぐしゃぐしゃになった髪、色あせたバス──全部が普通の青春の断片なのに、仲間と一緒にいるだけで特別な物語に変わっていく。大人には決して見えない世界へ、自分たちだけの秘密基地へ向かう冒険のように描かれている。

そこに重ねられているのが“technical メイク”というモチーフ。単なる外見の変化ではなく、「どんな自分にもなれる」という解放感の象徴になっていて、彼女たちは化粧という手段を使いながら、ほんとうは自分の心をスイッチしている。友達と並んで鏡を見る時間そのものが魔法で、無敵になれる儀式のように扱われている。

そして曲の核心にあるのが「時よ止まれ」という願い。泡のように消えてしまう日曜も、夏の匂いも、金木犀の季節の移り変わりも、本来はすべて流れていくはずなのに、彼女たちはその儚さを“永遠にできる”と信じている。この願いは幼さではなく、友情が与えてくれる確かな感覚から生まれていて、だからこそ甘くて強い。

つまりこの曲は、少女たちが“今の自分”を好きになっていくプロセスと、仲間と一緒にいる時間が世界をどれほど輝かせるかを描いている。どこへでも行けるという確信も、青春を永遠にできるという信念も、特別な出来事からではなく、一緒に笑って歩いているその瞬間から生まれている。こんなふうに、日常が魔法に変わっていく過程そのものを封じ込めた曲になっている。

クロノスタシスとは?

クロノスタシスは「時計の針が一瞬止まって見える」ように感じる錯覚のこと。例えばアナログ時計を見たとき、秒針が最初の瞬間だけ長く止まっているように思えるのが典型的な体験。これは視線を動かした直後に脳が空白の時間(視線を動かしてる最中の何も見えていない時間)を埋める処理をするために起こり、時間が引き伸ばされたように錯覚する現象だと説明されている。

永遠にのあとの句点は何?

この部分で「永遠に」の後に句点がついているのは、おそらく、続く「Attention, please」(ご注目ください)とつながっていると誤解されることを避けるためだと思われる。つまり、「永遠にご注目ください」という意味ではなく、「青春は永遠に続く、見てて~するから/~だから」という歌詞の意味を明確にするための句点だと考えられる。

error: Content is protected !!