【歌詞和訳】The Doors – Break On Through (To The Other Side)

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You know the day destroys the night
昼が夜を壊してしまうのは知ってるだろ
Night divides the day
夜が昼を引き裂くんだ
Tried to run, tried to hide
逃げようとした、隠れようとした

Break on through to the other side
突き抜けろ、向こう側へ
Break on through to the other side
突き抜けろ、向こう側へ
Break on through to the other side, yeah
突き抜けろ、向こう側へ、そうさ

We chased our pleasures here
俺たちはここで快楽を追いかけた
Dug our treasures there
あの場所では宝を掘り出した
But can you still recall the time we cried?
でも、泣いたあの時のことを覚えてるか?

Break on through to the other side
突き抜けろ、向こう側へ
Break on through to the other side
突き抜けろ、向こう側へ

Hey!
おい!
Come on, yeah
さあ、行こうぜ

Everybody loves my baby
みんな俺の彼女を愛してる
Everybody loves my baby
みんな俺の彼女を愛してる
She get high
彼女はハイになるんだ
She get high
彼女はハイになる
She get high
彼女はハイになる
She get high, yeah
彼女はハイになる、そうさ

I found an island in your arms
お前の腕の中に島を見つけた
Country in your eyes
お前の瞳に国を見つけた
Arms that chain us, eyes that lied
俺たちを縛る腕、嘘をつく瞳

Break on through to the other side
突き抜けろ、向こう側へ
Break on through to the other side
突き抜けろ、向こう側へ
Break on through, ow!
突き抜けろ、おお!
Oh, yeah!
おお、そうさ!

Made the scene, week to week
毎週のように現れては騒ぎを起こした
Day to day, hour to hour
毎日、毎時間
Gate is straight, deep and wide
門は一直線で、深く、広がっていた

Break on through to the other side
突き抜けろ、向こう側へ
Break on through to the other side
突き抜けろ、向こう側へ
Break on through, break on through
突き抜けろ、突き抜けろ
Break on through, break on through
突き抜けろ、突き抜けろ
Hey, hey, hey, hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
Hey, hey, hey, hey
ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ
Hey
ヘイ

曲情報

 「Break On Through (To the Other Side)(ブレイク・オン・スルー(トゥ・ジ・アザー・サイド)」は、アメリカのロックバンド、ドアーズによる楽曲である。1967年のデビューアルバム『The Doors』の冒頭を飾る曲で、エレクトラ・レコードからバンド初のシングルとしてリリースされたが、アメリカでは最高位126位と商業的成功には至らなかった。しかし、バンドのライブでは定番曲となった。

 1991年には映画『ドアーズ』のサウンドトラックからシングルとして再リリースされ、イギリスではUKシングルチャートで64位を記録した。

音楽構造と作曲

 この曲は4/4拍子で書かれたアップテンポの楽曲で、エオリア旋法が用いられている。イントロでは、リムクリックによるクラーベ・パターンとライドシンバルによるドライブ感のあるビートでボサノヴァのリズムが形成されている。ドラマーのジョン・デンスモアは、当時ブラジルから流行していたボサノヴァに触発されてこのリズムを採用した。曲全体のスタイルにはマンボ音楽の影響も見られる。ボサノヴァに特徴的なベースラインがほぼ全編にわたって続く。

 ギタリストのロビー・クリーガーは、自身のギターリフがポール・バターフィールドによる「Shake Your Moneymaker」(原曲はエルモア・ジェームス)のバージョンに影響を受けたと述べている。キーボードのレイ・マンザレクは、自身のパートがスタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトによるアルバム『Getz/Gilberto』に触発されたと語っている。

 また、レイ・チャールズの「What’d I Say」のベースラインや、Themの「One Two Brown Eyes」も影響源として挙げられている。音楽評論家リッチー・アンダーバーガーは、「One Two Brown Eyes」のイントロが「Break On Through」と非常によく似たボサノヴァ風のドラムパターンと下降する循環ベースラインを用いていると指摘している。

 歌詞には本来「She gets high」というフレーズが含まれていたが、「high(ハイ)」という単語が薬物を想起させるとして、プロデューサーのポール・A・ロスチャイルドにより「She get!」に編集された。ドラマーのデンスモアは「しぶしぶ同意した」と述べている。1999年のボックスセット『The Complete Studio Recordings』では、エンジニアのブルース・ボトニックによってこの削除部分が復元されている。

評価

 AllMusicの評論家リンジー・プレイナーは、モリソンの歌詞について「ロック音楽にはこれまで見られなかった文学性を示している」と評価しており、「Break On Through」は一見ラブソングのような構成を持ちながら、「I found an island in your arms / A country in your eyes」のようなロマンチックな描写と、「arms that chained up / Eyes that lied」のような不穏な表現が並置されている点が特徴であると指摘している。

 『ビルボード』誌はこの曲を「興奮に満ちたロックナンバー」であり、「強力なデビュー作」と評し、『キャッシュボックス』誌も「ドライブ感ある脈動的な楽曲で、多くのオンエアが期待される」と評価した。

 この曲はドアーズの代表曲の一つとされており、2021年には『ガーディアン』紙が選ぶ「ドアーズの楽曲ベスト30」で第2位に、Louder Sound誌の「ドアーズの楽曲ベスト20」では第5位にランクインした。2012年には、NASAの火星ミッションにおいて再生される楽曲としても選ばれている。

歌詞の意味

Gate(門)とは?

Gate is straight, deep and wide
門は一直線で、深く、広がっていた

狭い門から入りなさい。滅びに至る門は大きく、その道は広く、それを通って行く者が多い。
命に至る門は小さく、その道は狭く、それを見いだす者は少ない。

マタイによる福音書 7章13–14節

 この歌詞に登場する Gate(門)は、新約聖書にある「広い門」を思わせる表現である。聖書では、滅びに至る門は広く、命に至る門は狭いとされている。ここで描かれるのはその「広い門」であり、まっすぐで深く、広がっているその姿は、人が快楽や堕落へと容易に堕ちることを表している。この門が出てくることで「Break on through to the other side (突き抜けろ、向こう側へ)」というフレーズが破滅への道を突き進むことを意味していることがわかる。

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