【曲解説】Mariah Carey – Open Arms

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この曲はライブパフォーマンスがMVとして使われた

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曲情報

『Open Arms』(オープン・アームズ)は、アメリカの歌手 Mariah Carey(マライア・キャリー) が Journey(ジャーニー)の同名楽曲をカバーした曲で、5作目のスタジオ・アルバム『Daydream』に収録されている。キャリーと Walter Afanasieff(ウォルター・アファナシエフ)が共同プロデュースした。

キャリーのキャリアは Journey と縁があり、バンドのドラマー Steve Smith(スティーヴ・スミス)はキャリー初期の多くのシングルで演奏し、1980年代半ばに短期間 Journey のベーシストだった Randy Jackson(ランディ・ジャクソン)は長年キャリーと仕事をしている。

この曲はアメリカ以外の多くの地域で、1995年末から1996年初頭にかけてアルバムの3枚目のシングルとして Columbia Records からリリースされた。イギリスでは最高4位を記録し、BBC のチャート番組『Top of the Pops』で披露された。アイルランドとニュージーランドではトップ10、アイスランドとオランダではトップ20に入った。シングルのミュージック・ビデオは Larry Jordan(ラリー・ジョーダン)監督によるもので、マディソン・スクエア・ガーデンでのキャリーのライブ映像が使用されている。スペイン語版「El Amor Que Soñé」(エル・アモル・ケ・ソニェ)は MSG 公演後にスタジオ音源に合わせて撮影された。

背景

アルバム制作中、キャリーはこの曲のカバーを希望していた。彼女はこう語っている。「ずっと Steve Perry の声が大好きだった。彼は本当に驚異的なシンガーだと思う。この曲を聴いて育った思い出がたくさんあって、いつも歌っていたし、いつか素晴らしいパフォーマンス曲になると思っていた」

キャリーとアファナシエフはアレンジを抑えめにし、『One Sweet Day』の「生々しく力強い」感じとは対照的に、より滑らかで光沢のある仕上がりにした。また、バックグラウンド・シンガーとともにゴスペルのニュアンスを加えている。歌詞は、関係の修復を望む気持ちを「謙虚に泣きながら訴える」内容になっている。

「Open Arms」はイギリス、オーストラリア、そしてヨーロッパ全域でアルバムの3枚目のシングルとしてリリースされた。CDシングルは1995年12月に発売され、イギリスのラジオ向けリリースは1996年2月初頭だった。イギリス版 CD シングルには『Daydream』収録曲「I Am Free」と、「Fantasy」と「Vision of Love」(1990)のライブ音源が収められた。別バージョンの CD シングルには「Hero」(1993)、「Without You」(1994)のアルバム版、そして「I’ll Be There」(1992)のラジオ・エディットが収録されている。

スペイン語版「El Amor Que Soñé」(「私が夢見た愛」)はオーストラリア版シングルに収録され、さらにスペインおよびラテンアメリカ向けの『Daydream』再発盤にも含まれた。

歌詞の意味

この曲は離れてしまった愛が再び戻ってきた瞬間に込められた安堵と切実さを、まっすぐに伝える内容になっている。暗闇の中で寄り添い合った時間を思い出しながら、どうして互いがすれ違ってしまったのかという痛みを抱えつつも、いま目の前にいてくれる事実に深く救われていく。

ひとりで過ごした日々の寂しさや、帰ってきてほしいと願い続けた思いが、相手の帰還によって一気に温かさへと変わっていく。冷えきった家も、孤独に響いていた夜も、相手が戻ったことで光が差し込むように生まれ変わる。

何も隠さずにすべてを差し出し、両腕を広げて相手を受け入れるという決意が曲全体に息づいていて、愛を失った痛みと、取り戻した喜びの両方が静かに絡み合う曲になっている。

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