【曲解説】Stevie Wonder – Sir Duke

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曲情報

「サー・デューク」(邦題:愛するデューク)は、スティーヴィー・ワンダーが作詞作曲・演奏した曲で、1976年のアルバム『ソングス・イン・ザ・キー・オブ・ライフ』に収録されている。1977年にシングルとしてリリースされ、米国のビルボード・ホット100とブラック・シングル・チャートで1位を獲得し、イギリスのシングル・チャートでは2位に達し、当時のイギリスでの彼の最大のヒットとなった。

歌詞の意味

この曲は「音楽そのものへの賛歌」。音楽は国境や言語を越えて誰にでも通じ、歌って踊って手を叩く平等な喜びを与える力を持つ、と冒頭から断言している。レコードに溝があるだけでは本物にならないけれど、人々が体で反応し始めればそれが“本当にノれる音楽”だとわかる、と音楽の本質を語るような視点も印象的。

後半では、ベイシー、ミラー、サッチモ、そして「サー・デューク」と称えるデューク・エリントン、さらにエラ・フィッツジェラルドなど、音楽史を形作った偉大なアーティストたちへの敬意が込められている。彼らの名が鳴り響くことで、どんなバンドも負けることはない、と音楽の伝統と魂を讃える。

何度も繰り返される「感じられる」「全身でわかる」というフレーズは、理屈よりも“音に身を委ねた瞬間の幸福”そのものを表現している。聴けば自然に体が動き、世界中の人が同じリズムを共有できる――そんな音楽の普遍的な力を明るく、力強く歌い上げた曲。

ベイシー、ミラー、サッチモって誰?

ジャズ音楽のジャンルを定義するのに貢献した有名なジャズミュージシャン、カウント・ベイシー、グレン・ミラー、ルイ・アームストロングのこと。

サー・デュークって誰?

サー・デュークは、1974年に亡くなった影響力のあるジャズ界の伝説デューク・エリントンのこと。デュークはジャズ音楽のサウンドを形作るのに影響を与えたジャズピアニスト兼バンドリーダーだった。

エラって誰?

力強い歌声とジャズスタンダードの解釈で知られる有名なジャズシンガー、エラ・フィッツジェラルドを指している。

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