【曲解説】The Smiths – Last Night I Dreamt That Somebody Loved Me

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曲情報

「サムバディ・ラヴド・ミー」(Last Night I Dreamt That Somebody loved me)は1987年にリリースされたザ・スミスの最後のアルバム『ストレンジウェイズ、ヒア・ウイ・カム』(Strangeways, Here We Come)に収録された。

冒頭の叫び声は1984年から1985年にかけて行われた鉱山労働者のストライキの際の録音である。

この曲は 1987年12月に『ストレンジウェイズ、ヒア・ウイ・カム』からの3枚目にして最後のUKシングルとしてリリースされたが、バンドはすでに解散していたため、「ラストシングル」と宣伝され、全英シングルチャートで30位に達した。

この曲はジョニー・マーとモリッシー、そして他の多くのライターから、ザ・スミスの曲の中で最高の曲と位置づけられている。

歌詞の意味

この曲は愛への希求と失望が反復される心理を夢と現実の落差を通じて描いている。語り手は誰かに愛されたという夢の感触を語るが、それが目覚めとともに虚偽の警報であったと断じ、希望も害もないまま失望だけが残る構造が示される。求める相手が現れるまでどれほど待てばよいのかという問いは、報われない時間の長さと、次こそはという期待が同時に続いていることを暗示する。

夢の反復や物語が終わらず続くという表現は、孤独と未充足が連鎖し、語り手の感情が固定化されている状態を示している。全体として、愛の不在が繰り返し自己の中で再演され、終わりを迎えられない孤独の持続が静かに強調されている。

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