【曲解説】The Smiths – Please Please Please Let Me Get What I Want

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曲情報

「Please Please Please Let Me Get What I Want」(プリーズ・プリーズ・プリーズ・レット・ミー・ゲット・ホワット・アイ・ウォント)は、イギリスのロックバンド、ザ・スミスの曲である。 1984年にシングル「William, It Was Really Nothing」のB面で発売され、後にコンピレーションアルバム「ハットフル・オブ・ホロウ」と「ラウダー・ザン・ボムズ」に収録された。この曲は他の多くのアーティストによってカバーされている。この曲は1986年の映画「プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角」のサウンドトラックアルバムにも収録され、映画『Never Been Kissed(邦題:25年目のキス)』でも使用された。

不気味さと憧れの感覚

ジョニー・マーはこの曲を、最終的にA面となった「William, It Was Really Nothing」の直後に書いた。マーは「あれはとても速くて短くて明るい曲だったので、B面は違ったものにしたかった。だから土曜日に「Please Please Please Let Me Get What I Want」を違う拍子で、対照的にワルツの拍子で書いたんだ」とコメントしている。マーはまた、この曲は子供の頃に両親が聴かせてくれたデル・シャノンの「The Answer to Everything」の「不気味さと憧れの感覚を捉える」試みだったと述べている。

レーベル「曲の残りの部分は?」

バンドのレーベルであるラフ・トレードは当初、この曲の長さが短いことを懸念していた。モリッシーは「ラフ・トレードに初めて聴かせたとき、彼らは『曲の残りの部分はどこだ? 』と何度も尋ねてきた」と回想している。この曲を「顔面への非常に短いパンチ」と表現したモリッシーは、「曲を長くすることは、私の考えでは、単に明白なことを説明するだけだっただろう」と語った。

多くのアーティストがカバーしている

この曲は、ドリーム・アカデミー、ミューズ、アマンダ・パーマー、フランツ・フェルディナンド、フーティー・アンド・ザ・ブロウフィッシュ、OK Go、デフトーンズなど、さまざまなアーティストによってカバーされている。

歌詞の意味

この曲は長く続いた不運と報われなさの中でささやかな願いだけでも叶ってほしいという切実な希求を描いている。語り手は、自分の人生が善良な人間を挫折へ追いやるほど厳しいものであったと振り返り、その重さが夢を見る力すら奪ってきたことを淡々と示す。願いの内容は具体化されないが、何かを強く求めるというより、せめて一度だけでも幸福が自分に向いてほしいという静かな祈りに近い。控えめな懇願は、欲望の強さではなく、失われた希望を取り戻したいという深い悲哀を裏に抱えながら発せられている。全体として、短い表現の内側に、孤独と諦念、そして微かな希望が濃縮された作品となっている。

その他の動画

モリッシーのソロ

ジョニー・マーのソロ

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