動画

Figure 8
Elliott Smith
- Son of Sam
- Somebody That I Used to Know
- Junk Bond Trader
- Everything Reminds Me of Her
- Everything Means Nothing to Me
- L.A.
- In the Lost and Found (Honky Bach)/The Roost
- Stupidity Tries
- Easy Way Out
- Wouldn’t Mama Be Proud?
- Color Bars
- Happiness/The Gondola Man
- Pretty Mary K
- I Better Be Quiet Now
- Can’t Make a Sound
- Bye
- Because
- Figure 8
曲情報
「Pretty Mary K」はアメリカのシンガーソングライター、エリオット・スミスの5枚目のスタジオアルバム『Figure 8』に収録された曲。2000年4月18日にドリームワークスレコードからリリースされた。
この曲と同名タイトルで違う歌詞とメロディの other version がアルバム『New Moon』に収録されている。
この曲のVerse4に出てくる「Have You Seen Her」と言うフレーズと同名の曲がエリオット・スミスの未発表曲の中にある。
歌詞の意味
この曲は、断片化した記憶と喪失の感覚を軸に、特定の人物をめぐる探求を情景の連なりとして描いている。冒頭では、語り手が太陽に向かって進むような逃避的動作を示し、その最中に思い出される人物が祈りに似た呼びかけとともに提示される。続いて、負傷した兵士が横たわる医務室が現れ、信仰や救いが極限状況の中で再構築される姿が描かれる。兵士が名指しする人物像は、実在と象徴の境界に置かれ、救済の対象でありながら到達不可能な存在として浮かび上がる。
「まだ起きていない出来事に対する報い」という逆説的な表現は、未来への不安や予感が現実のように作用する心理を示し、因果関係の曖昧さが物語全体を覆う。語り手が対象へ近づこうとした際には、別の兵士が立ちふさがり、接触の機会が遮断される。港や聖人の名が挙がる場面では、巡礼的な移動と精神的疲弊が重なり、語り手がすでに限界を迎えていることが暗示される。
終盤では、特定の人物を探し求める問いかけが繰り返され、実体へ到達できない焦燥と空虚が強調される。全体として、この曲は、記憶・喪失・救済の象徴が交錯する中で、手の届かない存在を追い続ける内的旅路を、断片的で夢のような構成によって表現している。



