動画
JTBC音楽番組「MUSIC UNIVERSE K-909」出演時のパフォーマンス
オーディオ
ABIRとのコラボver.
曲情報
「Sour Grapes」(サワー・グレープス)は韓国のガールズグループ、LE SSERAFIM(ルセラフィム)の曲。この曲は2022年5月2日にリリースされたデビューミニアルバム『FEARLESS』に収録された。
コラボしたABIRはニューヨークを拠点に活動するモロッコ出身のシンガーソングライター。
この曲はイソップ寓話の「狐と葡萄」からインスピレーションを得ている。
狐が己が取れなかった後に、狙っていた葡萄を酸っぱくて美味しくないモノに決まっていると自己正当化した物語が転じて、酸っぱい葡萄(sour grapes)は自己の能力の低さを正当化や擁護するために、対象を貶めたり、価値の無いものだと主張する負け惜しみを意味するようになった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/すっぱい葡萄
歌詞の意味
この曲は、恋に落ちる直前の“揺れ”と、その裏にある怖さを、未熟な果物の比喩で描いた物語になっている。相手に惹かれている自分を認めたくないのに、視線や鼓動は正直で、心はじわじわと揺さぶられていく。しかし、その気持ちがまだ“熟していない”と感じるせいで、踏み出す勇気が持てない。
主人公は、手を伸ばせば届きそうに見えるのに決して掴めない恋を前にして、自分が傷つく未来だけが鮮明に見えてしまう。甘い恋を夢見る気持ちと、苦い結末を恐れる気持ちが同時に存在し、そのギャップが心を消耗させている。
恋の“果実”を味わう想像はするけれど、それが本当に甘いのか、それとも涙が出るほど酸っぱいのか分からない。その不確かさが恐怖として迫り、結局「まだその時期じゃない」と自分に言い聞かせて距離を置こうとする。これは相手を拒絶しているのではなく、自分の心が成熟していないという自己認識に近い。
物語の核にあるのは、恋そのものへの憧れよりも、恋の痛みに対する強い警戒心だ。自分の未熟さ、臆病さを理解しながらも、それを“今の自分”として受け止める姿勢が見える。恋を甘く理想化するのではなく、酸味や苦味まで含めた現実として見つめ、その上で一歩を踏み出すかどうかを慎重に選び取ろうとしている。
総じてこの曲は、恋の始まりにある“甘さへの憧れ”と“酸っぱさへの恐れ”のせめぎ合いを描きつつ、まだ熟していない心を守ろうとする主人公の内面を繊細に映し出す物語になっている。


