【曲解説】Radiohead – Scatterbrain. (As Dead as Leaves.)

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曲情報

「スキャッターブレイン」はイギリスのロックバンド、レディオヘッドの曲。この曲はレディオヘッドの6枚目のアルバム『Hail to the Thief』に収録され、2003年6月9日にリリースされた。

  • 「2+2=5」と同様に、この曲はトム・ヨークがBBCラジオ4のニュース速報を強迫的に聴いていたことにインスピレーションを受けて作られた。この曲は特に、彼が携帯ラジオを持って田舎を歩く習慣にインスピレーションを受けた。
  • 2008年4月号のQ誌によると、「昨日の見出しは風に吹かれて」という歌詞は、失踪した謎の女性の捜索を描いたトーマス・ピンチョンの1963年の小説『V』の一節から引用されたとのこと。

副題の「As Dead as Leaves.」は「枯れ葉のように死んでいる」という意味。

インタビュー情報

トム:僕の絶対的にお気に入りの天気は、強風10だね。そういう嵐の中で、空に飛ばされて二度と戻ってこないかもしれない感じが、僕が最も幸せな瞬間だよ。そしてそれは、歌詞で出てきたものが何であれ、実際にはこの種の嵐のセレブレーションだったんだ。それは…ね、僕はそういうのが大好きなんだ。野生の嵐について歌っているけど、音楽はとても、とても柔らかく、本当に安心できるんだ。まるで窓の外から聞いているようだよ。これもまた、とても孤独な歌だ。このアルバムで最も孤独な曲だと思うよ

ジョニー:非常にシンプルで、かなりきれいだけど、音楽のコードが僕にとって解決されない何かがある。決して… 実際には基盤を持たない、あるいは、何か、地に足がつかないんだ。だから、いつも解決されそうで、実際には決して解決されないような感じがして、それがかなり浮遊感をもたらすんだよ

エド:でも、演奏される楽器の点からは…それに温かみを与えるんだ。少し…僕は常にスティービー・ワンダーの『Talking Book』時代を思い出すんだよ。その温かみがある。彼がよくやるのは、解決しないことだ。美しいコードを弾いて、それがただ…録音の温かみと彼の素晴らしい声で包み込まれるけれど、時には解決しない、それが素晴らしくて、それがとても異なる理由だ。僕たちはいつもこれを日曜日の朝の曲だと思っていたんだ。でも、それは…多分それはレディオヘッドの日曜日の朝で、悪いニュースが載っている新聞のコピーのようなものだよね

Official Hail To The Thief Interview CD, April 2003.

トム:『Kid A』と『Amnesiac』でやることの一つとしてお気に入りだったのは、空の風景を歩くことだったね。僕は散歩好きになって、この時はたくさんの都市を歩いたんだ。この曲は、僕のお気に入りの天気が風の天気であるという事実から生まれたんだ。その夜はすごい強風が吹いていて、こんなのは見たことがなかったよ。僕の家の屋根が飛んでいくのが聞こえて、外に出なければならなかった。僕は自分の田園風のものを手に入れているんだ。まるでワーズワースのように…

NME interview on May 10th, 2003

トム:この曲をどこから来たのかを説明するのは本当に、本当に難しいんだ。表面上は、ただそういうことが起こった瞬間だったからね。でも同時に、それに意味を与えるたくさんの他のことが進行中だった。そして、この世界中で僕のお気に入りの天気は極端な風だ。本当にワクワクするんだ。少し危険だけど。一度、僕にはどこにもない場所に家があって、隣の家の屋根が飛んでいって、僕たちはただそれを見ていたんだ。まるで『オズの魔法使い』のようだったよ。素晴らしかったね。そしてこれは街での似たような出来事だった。でも、ある意味では恋の歌でもあるんだ

XFM interview in spring 2003

歌詞の意味

射撃場の動く的って何のこと?

「射撃場の動く的」は風でいろんなものが飛ばされている比喩だと解釈できる。その強風と飛ばされているものも散らかった頭とヘッドラインの比喩になっている。

散らかった頭(SCATTERBRAIN)って何?

scatterbrainには「忘れっぽかったり、思考がまとまりがなかったり、集中できなかったり、混乱・動揺してぼんやりしている人」という意味がある。この歌詞の中では「昨日の見出しは風に吹かれ」と忘れっぽい人を指していると解釈できる一方、強風に混乱して思考がまとまらない状態にある人という意味にも取れる。そのため「注意力散漫」や「忘れっぽい」という意味が限定される訳を避け、より広範に解釈できる「散らかった頭」を採用した。

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