【和訳】Radiohead – Backdrifts. (Honeymoon is Over.)

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歌詞&和訳

We’re rotten fruit
僕らは腐った果物
We’re damaged goods
傷んだ商品
What the hell

なんてこった
We got nothing more to lose
僕らにはこれ以上失うものがない
One gust & we

一陣の風が吹けば僕らは
Will probably crumble
きっと粉々になってしまう
We’re backdrifters.

僕らはバックドリフターズなんだ

This far but no further
ここまでが限界
I’m hanging off a branch

僕は枝の上で尻込みしている
I’m teetering on the brink

端っこでぐらぐらと揺れている
Oh Honeysweet

ああ、はちみつのように甘いから
So full of sleep

いつだって眠いんだ
I’m backsliding.

僕は逆戻りしている

You fell into our arms
君は僕らの腕の中に落ちてきた
You fell into our arms

君は僕らの腕の中に落ちてきた
We tried

僕らはなんとかしようとしたけど
But there was nothing
We could do

僕らにできることは何もなかった
Nothing we could do

できることは何もなかった

All evidence has been buried.
すべての証拠は葬られた
All tapes have been erased.

すべてのテープは消された
But your footprints give you away so

でも足跡のせいでバレてしまうから
You’re backtracking

君は引き返してるんだ

You fell into our arms
君は僕らの腕の中に落ちてきた
You fell into our arms

君は僕らの腕の中に落ちてきた
We tried but there was nothing we could do

僕らはなんとかしようとしたけど、僕らにできることは何もなかった
Nothing we could do

できることは何もなかった

You fell into our, you fell into our…
君は落ちてきた、僕らの、君は落ちてきた、僕らの…

We’re rotten fruit
僕らは腐った果物
We’re damaged goods
傷んだ商品
What the hell

なんてこった
We got nothing more to lose
僕らにはこれ以上失うものがない
One gust & we

一陣の風が吹けば僕らは
Will probably crumble
きっと粉々になってしまう
We’re backdrifters.

僕らはバックドリフターズなんだ

和訳リスト

曲情報

 「バック・ドリフツ」はイギリスのロックバンド、レディオヘッドの曲。この曲はレディオヘッドの6枚目のアルバム『Hail to the Thief』に収録され、2003年6月9日にリリースされた。

 副題の「Honeymoon is Over.」は「ハネムーンは終わった」という意味。

「Backdrifts」「backdrifters」の意味は?

 「Backdrifts」「backdrifters」は造語であり、意味は基本的には「backsliding」の「(過去の悪い状態への) 逆戻り」と同じであり、driftという言葉は日本で見た「snowdrift (雪の吹きだまり)」から来ている。

インタビュー情報

トム:いろんな解釈があるよ。つまり、歌詞は信じられないほど両義的なんだ。意図的にね。でも、それは僕が見たある種の光、ある種の匂いから生まれたようなもので、特に何かというわけではないんだけど……基本的には純粋な盲目のパニックみたいなもので、それがさまざまな形で遭遇し続けて、最終的に「Backdrifts」という曲になった。蛍光灯の光のようなものだよ。あまり参考にならないかもしれないけど…。うまく説明できないんだ。つまり…「Backdrifts」は結局、歌詞の話をするのであれば、滑り込む…後方へ動くことについての歌になった。それはどこを見ても起こっている。世界は進歩しているのかもしれないし、他人を理解できるようになっているのかもしれないし、高いレベルの寛容さや思いやりがあるのかもしれない、と誰もが感じていた時期があった。ところが、誰かがスイッチを入れた途端、明かりが灯り、誰もが暗闇に怯えてしまった。そして、それが僕にとってはある意味最高なんだ…この曲の全体的な雰囲気を表現するのにとても良い方法だと思う。

コリン:すべてのボックスとマシンが相互につながるようにする方法をなんとか考え出したときだね。そしてそれが起こったことだと思う、本当に。でも、たしか始まりは曲の冒頭のトムの音のループからだったかな。そしてそれは確か、なんだっけ…「Backdrifts」…つまり、雪か何かのことだった。

フィル:この曲は、僕らが『Kid A』と『Amnesiac』のセッションを実際にやっていたときに生まれた曲のひとつなんだ。そして最初、ジョニーとコリンは家の別の場所に消えて、1週間後にこの本当にダイナミックなサウンドのリズムとともに現れたんだ。本当に、そこからこの曲が生まれたんだ。

ヘイル・トゥ・ザ・シーフ公式インタビューCD、2003年4月

ジョニー:かなり古いね。3年前くらいからかな。それから作曲やアレンジが加速して、あまり目的もなくやっていたのが、あっという間にエキサイティングなものになったんだ。

トム:言葉がどこに行くのかというのは、説明するのがかなり難しいんだ。原曲は、QY70というプログラミングできるソフトで書いたんだ。ビョークも使っているやつだよ。僕らは日本で雪の吹きだまり(snowdrift)に立ち往生してしまったんだ。それは今まで見た中で最も美しいと思えるようなものだよ。雪が枝に高く積もっていて、新幹線が通り過ぎると、雪が枝から落ちるんだ。散在した少しの黒いところを除いて、世界中が真っ白に覆われていた。そこから始まったんだ。この曲の歌詞はいつもそのイメージに基づいている。

NME、2003年5月10日

トム:歌詞はいろんなところから来ている。そして…車の中で聞くのに良い曲だね。これは何年もかけて集めたサンプルで、どうしたらいいかわからなかったものなんだ。そして、このメロディーが形になり始めて、コジーとジョニーはこれをプログラミングし始めた…でも実際には…僕は作詞に本当に苦労しなくちゃならなくて、頭がおかしくなりそうだったよ。あらゆる手段を試みたよ。 際限なく切って、また切って。それを何度も何度も繰り返して。そして、本当に奇妙なのは、この曲の元々は、日本で新幹線に乗ってライブに向かう途中、雪の吹きだまりが原因で立ち往生することになったというエピソードから来ているということなんだ。一面の雪景色っていうのは陳腐な表現だけど、僕は本当に純粋な一面の雪景色を見たことがなかったんだ。何もなかった。何も見えないよ。すごく高く積もっていて、ほとんど車のてっぺんまで覆っていたよ。実際に雪の吹きだまりにぶつかる前に、走っている時は枝から雪が落ちてくるんだ。それはまさに夢の中みたいだった。当時、僕はこのQY70マシンでこの曲のサンプルを作る作業をしていたけど、元々、この曲はその歌詞をベースにしていて、歌詞の一部もその歌詞のオリジナルから切り取ったものなんだ。でも、それがまた別のものに変化し、また別のものに変化し、また別のものに変化し、また別のものに変化していった。だから、また果てしなく切り刻まれていくんだと思う」

XFM、2003年春

コジー(Cozzie)はコリン・グリーンウッドのあだ名

解釈

歌詞の多くの部分が雪の吹きだまりのイメージから来ている

 上記のインタビューでも述べているように、この曲の歌詞は雪の吹きだまりから来ている。

One gust & we
一陣の風が吹けば僕らは
Will probably crumble
きっと粉々になってしまう

 粉雪は風に吹き飛ばされて粉々に舞う。

I’m hanging off a branch
僕は枝の上で尻込みしている
I’m teetering on the brink

端っこでぐらぐらと揺れている

 「端、縁(ふち)、際(きわ)」などの意味を持つbrinkは「崖っぷち」と訳したくなるところだが、これは枝にのった雪が不安定な状態で、今にも落ちそうになっているイメージから来ている。