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歌詞&和訳
I will lay me down in a bunker underground.
僕は防空壕に身を横たえるんだ。
I won’t let this happen to my children.
子どもたちをこんな目に遭わせなてなるものか。
Meet the real world coming out of my shell with white elephants sitting ducks.
お荷物や恰好の的と共に僕の殻から出てくる現実の世界と向き合うんだ。
I will rise up.
僕は立ち上がる。
Little babies’ eyes.
小さな赤ちゃんの瞳。
和訳リスト
- 2 + 2 = 5 (The Lukewarm.)
- Sit down. Stand up.(Snakes & Ladders.)
- Sail to the Moon.(Brush the Cobwebs out of the Sky.)
- Backdrifts.(Honeymoon is Over.)
- Go to Sleep.(Little Man being Erased.)
- Where I End and You Begin.(The Sky is Falling in.)
- We suck Young Blood.(Your Time is up.)
- The Gloaming.(Softly Open our Mouths in the Cold.)
- There there.(The Boney King of Nowhere.)
- I will.(No man’s Land.)
- A Punchup at a Wedding.(No no no no no no no no.)
- Myxomatosis.(Judge, Jury & Executioner.)
- Scatterbrain.(As Dead as Leaves.)
- A Wolf at the Door.(It Girl. Rag Doll.)
曲情報
「アイ・ウィル」はレディオヘッドの6枚目のスタジオ・アルバム『ヘイル・トゥ・ザ・シーフ』(2003)に収録されたアルバムの中で最も短い曲。
副題の(No man’s Land.)とは、いずれの勢力によっても統治されていない軍事対立の中間の土地のこと。
この曲の主なインスピレーションは、第一次湾岸戦争の出来事であり、『OKコンピューター』以降の時代にトムが非常に夢中になっていたテーマだった。1991年2月13日、米軍は当時女性と子供だけが408人避難していたアミリヤ防空壕を爆撃した。彼女たち全員が正確に向けられた2発の爆弾によって殺害され、その結果壁には恐ろしい痕跡が残された。トムはそれを聞いたとき、その出来事全体にひどく動揺した。後に彼は、「I Will」はこれまでに書いた中で最も怒りに満ちた曲になるだろうと語ったが、この繊細な曲の背後にある強い感情を引き起こしたのはおそらくこの出来事だったのだろう。
1998年1月22日、トムは日本(おそらく大阪)でのサウンドチェックでこの曲を演奏した。「I Will」は斬新な曲だった。DVDの「Meeting People Is Easy」でこの時の様子が少し見られる。
以下は公式サイトの「imaginery prisons」(架空の監獄)の部分に掲載されていた初期の歌詞(現在は他の文章に差し替えられている)。訳は当ブログの訳。
I will
rise up
僕は立ち上がる
shake the dust off
埃を払い落として
buckleup
ベルトを締めるんだ
meet the real world coming out of my shell
僕の殻から出てくる現実の世界と向き合わなきゃ
I wont let this happen to our children.
僕らの子供たちをこんな目に遭わせなてなるものか。
I will
lay me down in a bunker
underground.
僕は防空壕に身を横たえるんだ。
インタビュー情報
トム:曲としてはラブソングのようなものなんだけど、僕が今まで書いた中で最も怒りに満ちた曲でもあるんだ。表現しきれないような怒りなんだ。「君は僕に対して何でもできるけど、僕の家族を狙うなら、僕は君を殺す」というようなね。そういうものは、誰もが持っていると思うんだ。
CDのヘイル・トゥ・ザ・シーフ公式インタビューより 2003年4月
トム:今、僕はトイレで「I Will」を歌っているんだ。とても満足しているよ。
Q:その曲のスケッチはすでに「Meeting People Is Easy」で聴くことができます。
トム:そうだね、曲というのはすぐに出来上がることもあれば、ものすごく時間がかかることもある。最初の頃の「I Will」は、下手なUltravoxか何かのようだった。ひどい。誰かがあのテープを焼いてくれることを願っているよ…。1994年以来、僕らにはどうしたらいいのかわからない曲もある。それがあなたをイライラさせている。インターネット上で「どうしてまだこの曲やあの曲をレコーディングしていないんだ?」って尋ね続けている人たちのことだよ。
2003年7月、Musikexpress
解釈
白い象に座っているアヒルって何?
「white elephant」(白い象)とは高価なもの、または良好な状態を維持するのに多額の費用がかかるものの、有用な目的がなく、不要になったもののこと。
「sitting duck」(座っているアヒル)とは敵が撃ったり攻撃したりしやすい誰かまたは何かのこと。
つまりこの両者はアミリヤ防空壕にいた女性と子どものことを指している。
誰が殻を破り、誰が何に会うの?
アミリヤ防空壕の悲惨な出来事を見て、怒りに燃えたトムが、「現実と向き合わなきゃ、立ち上がらなきゃ」と歌っている。上記に掲載した初期の歌詞の方がこのことがわかりやすい。
shellは「殻」だが「シェルター」=「防空壕」とかけていると思われる。
日本版CD付属の和訳
10 アイ・ウィル
I will.
ぼくは
横たわる
地下の
シェルターに
うちの子たちをこんな目にあわせるものか
ぼくの殻の中から本当の世界が出てくるのを見てくれ
厄介ものだの
いいカモだの
ぼくは
立ち上がる
小さな赤ん坊の瞳