【曲解説】Sting – Englishman in New York

動画

曲情報

「Englishman in New York」(イングリッシュマン・イン・ニューヨーク)は、イギリスのシンガーソングライター、スティングの曲で、 1987年10月にリリースされた2枚目のスタジオアルバム『…Nothing Like the Sun』に収録されている。この曲では、ブランフォード・マルサリスがソプラノサックスを演奏し、マヌ・カチェがドラム、ミノ・シネルがパーカッションを担当した。

イングリッシュマンのモデル

スティングはこの曲を、著名な奇人でゲイのアイコンであるクエンティン・クリスプ(1908年生まれ-1999年没)について書いた。タイトルの「Englishman」は彼を指している。クリスプがロンドンからマンハッタンのバワリー地区に引っ越した直後に作曲された。スティングはクリスプと会った際、彼が冗談で「帰化証を受け取るのが楽しみだ、そうすれば犯罪を犯しても追放されないから」と言った。スティングがどんな犯罪を犯すつもりか尋ねると、クリスプは「グラマラスで、暴力的でなく、ちょっとスタイリッシュなものだ。最近は犯罪がグラマラスでない」と答えた。このエピソードはスティングのアルバム『…Nothing Like The Sun』のライナーノーツに含まれている。

歌詞の意味

「無知に耐えて笑うのが本当の男だ」の意味は?

主人公は、英国風のマナーや習慣を貫いており、それがアメリカの文化に馴染まないために、無知な人々から珍奇に見られることがある。しかし、彼はそのような無知や偏見に耐え、なおかつ自分らしくあり続ける強さを持っている、ということ。

ちなみにこの曲のモデルとなったクエンティン・クリスプは、同性愛が違法だった時代に公然とゲイであることを表明し、そのために多くの差別と迫害に直面した人物である。彼の生き方は、自分自身を隠さず、他人の期待や社会の規範に従わずに自分らしく生きることの重要性を体現していた。スティングは、クリスプの勇気と個性に感銘を受け、この曲を通じて彼を称賛した。したがって、「Be yourself, no matter what they say」(自分らしくいろ、誰が何を言おうと)というフレーズは、英国紳士の習慣を貫くことだけでなく、ゲイである自分のアイデンティティを貫くことも含まれている。

error: Content is protected !!