動画
歌詞&和訳
Fill my eyes
視界を満たしてくれ
O Lithium sunset
あぁ、リチウムの夕日よ
And take this lonesome burden
そしてこの孤独な心配の重荷を
Of worry from my mind
僕の心から取り除いてくれ
Take this heartache
Of obsidian darkness
この黒曜石の闇のような心の痛みを取り除いてくれ
And fold my darkness
この闇をくるんでくれ
Into your yellow light
君の黄色い光で
I’ve been scattered I’ve been shattered
僕は打ち砕かれ、粉々になり
I’ve been knocked out of the race
競争からも脱落してしまったけれど
But I’ll get better
きっと良くなるよ
I feel your light upon my face
君の光がこの顔に当たっているのを感じるから
Heal my soul
魂を癒やしてくれ
O Lithium sunset
あぁ、リチウムの夕日よ
And I’ll ride the turning world
そして僕は変わりゆく世界を上手く生きていくよ
Into another night
また別の夜がやって来る
See mercury falling
ほら、また急速に変化していく
和訳リンク
曲情報
「リチウム・サンセット」はイギリスのミュージシャン、スティングが1996年2月26日にA&Mレコードからリリースした5枚目のスタジオ・アルバム『マーキュリー・フォーリング』に収録された曲。このアルバムは 、スティングのプロデューサーを長年務めたヒュー・パガムがプロデュースした。
解釈
And fold my darkness
この闇を飲み込んでくれ
Into your yellow light
あなたの黄色い光で
「fold A into B」で「AをBに軽く混ぜ合わせる」という意味になる。ここでは黄色い光に満たされた中に闇が飲み込まれる様子を表現している。
And I’ll ride the turning world
そして僕は変わりゆく世界を上手く生きていくよ
Into another night
また別の夜がやって来る
rideは「I’ve been knocked out of the race」(レースから脱落してしまった)と対応している。リチウムの夕日に魂を癒やされた語り手が、これからもこの変わりゆく世界で生き続けるだろうと元気を取り戻していることがわかる。
mercury fallingの解釈
以下はスティングが実際にインタビューで「Mercury Falling」について語ったこと。
mercuryについては非常に多くの言及がある。つまり、mercuryは金属であり、液体であり、元素であり、神であり、惑星だ。「mercurial」とは概念であり、非常に価値のある表現だと思う。
ボルチモア・サン紙、96年3月
mercurial … ①[文語]突然そして頻繁に変化する②[文語]知的で、熱心で、素早い③[医療・専門用語]水銀を含む、または水銀によって引き起こされるもの
新しいアルバムのタイトルは『Mercury Falling』。これは私が最初に書いた詞で、『The Hounds Of Winter』という最初の曲の最初の行だった。でも、この詞には全体に多くの影響を与える意味があり、いろんなことを意味している。その言葉には占星術的な文脈があり、天文学的な文脈があり、気象学的な文脈があり、象徴的な文脈があり、mercurialであるという概念全体であると、それが私がいつも答えてきたイメージなんだ。つまり、このレコードにはたくさんのスタイルがあって、ジャンルからジャンルへと移りながら、また戻ってくる。これは非常にmercurialなレコードだから、このレコードを『Mercury Falling』と呼ぶのが正しいように思えた。そしてレコードの終わりには、「Mercury Falling」というこの概念に戻る。再び立ち上がるためにね。
「マーキュリー・フォーリング」プロモーション・インタビュー・ディスク、’96
つまり短い日本語のフレーズで完璧に訳すことはできないので、そのまま「マーキュリー・フォーリング」と訳し、「mercury」に付随するあらゆる意味を意識しながら感覚的に理解するしかないが、それでは日本語訳としてあまりにも不自然なので、メインの意味であるmercurialの部分に着目して「ほら、また急速に変化していく」と訳した。
「falling」は落下を意味するが、「レコードの終わりには、”Mercury Falling”というこの概念に戻る。再び立ち上がるためにね。」とスティングがインタビューで語っているように、急激な変化が起きていることを言い表しているだけで、絶望的な歌詞で曲を締めくくろうとしているわけではないため、落下の意味を削ってもかまわないことがわかる。