【和訳】Sting – I’m So Happy I Can’t Stop Crying

動画

歌詞&和訳

Seven weeks have passed now since she left me
彼女が僕を残して出て行ってからもう7週間が過ぎた
She shows her face to ask me how I am

そんな彼女が僕の様子を尋ねに顔を出した
She says the kids are fine and that they miss me
子どもたちは元気で二人とも僕に会いたがってると彼女は言う
Maybe I could come and baby-sit sometime

たまに会って子どもの面倒を見るくらいならできるかもしれない
She says, “Are you O.K.? I was worried about you
彼女は言った、「あなたは大丈夫?心配してたのよ。
Can you forgive me? I hope that you’ll be happy.”

私のこと許してくれる?あなたも幸せになることを願ってるわ」

[Chorus]
I’m so happy that I can’t stop crying
僕はあまりにも嬉しくて涙が止まらない
I’m so happy I’m laughing through my tears

涙を流しながら笑っているんだ

I saw a friend of mine
僕の友達に会った
He said, “I was worried about you

彼は言った、「君のことを心配してたんだよ。
I heard she had another man,

聞いたよ、彼女に別の男が出来たんだってね。
I wondered how you felt about it?”

そのことに関して君がどう感じてるか気になってたんだ」

[Chorus]
I’m so happy that I can’t stop crying
僕はあまりにも嬉しくて涙が止まらない
I’m so happy I’m laughing through my tears

嬉しすぎて涙を流しながら笑っているんだ

Saw my lawyer, Mr Good News
僕の弁護士、ミスター・グッド・ニュースに会った
He got me joint custody and legal separation

彼は法律上の別居を成立させた上で共同養育の権利も勝ち取ってくれた

[Chorus]
I’m so happy that I can’t stop crying
僕はあまりにも嬉しくて涙が止まらない
I’m laughing through my tears

涙を流しながら笑っているんだ
I’m laughing through my tears

涙を流しながら笑っているんだ

I took a walk alone last night
昨晩、ひとりで散歩をした
I looked up at the stars

星空を見上げ
To try and find an answer in my life

人生の答えを見つけようとしてみた
I chose a star for me
自分の星を選び
I chose a star for him

相手の男の星を選び
I chose two stars for my kids and one star for my wife

子どもたちの星を二つ選び、それから妻の星も一つ選んだ
Something made me smile
それが僕を笑顔にさせ
Something seemed to ease the pain

痛みを和らげてくれた気がする
Something about the universe and how it’s all connected

宇宙に関する何か、全ての事象がどうやって繋がってるかってことが

The park is full of Sunday fathers and melted ice cream
公園は日曜日のお父さんと溶けたアイスクリームでいっぱいだ
We try to do the best within the given time

僕ら父親は一緒にいられる限られた時間の中で最善を尽くそうと努力している
A kid should be with his mother

子どもは母親と一緒にいるべき
Everybody knows that

そんなことは誰もがわかっている
What can a father do but baby-sit sometimes?

だとすればたまに子どもたちの面倒を見る以外に父親に何が出来る?

I saw that friend of mine, he said,
例の友達にまた会った、彼は言った
“You look different somehow”

「どことなく雰囲気変わったね」
I said, “Everybody’s got to leave the darkness sometime”

僕は言った、「誰もがいつかは闇から抜け出さなきゃいけないんだ」
I’m so happy that I can’t stop crying

僕はあまりにも嬉しくて涙が止まらない
I’m laughing through my tears

涙を流しながら笑っているんだ
I’m laughing through my tears

涙を流しながら笑っているんだ
I’m so happy that I can’t stop crying

僕はあまりにも嬉しくて涙が止まらない
I’m laughing through my tears

涙を流しながら笑っているんだ
I’m laughing through my tears

涙を流しながら笑っているんだ

曲情報

 「アイム・ソー・ハッピー・アイ・キャント・ストップ・クライング」は1996年にリリースされたスティングの5枚目のアルバム『Mercury Falling』に収録された曲。またシングルカットもされている。カントリー色が強い曲調。

解釈

 歌詞は離婚に関するものだが、サビの「僕はあまりにも嬉しくて涙が止まらない、涙を流しながら笑っているんだ」というフレーズは、最初は皮肉になっている。別れた妻が尋ねてきたときと友人が他人事で無神経な質問をしてきたとき、そして弁護士が種々の手続きを済ませいよいよ本格的に関係が解消されるというニュースを聞いたとき、その嬉し涙というのは皮肉であり、無理をして笑顔を作っていることへの比喩だった。

 しかし、「昨晩、ひとりで散歩をした。星空を見上げ」の部分から心境に変化が起きる。自然を見て天啓を得るというのは同アルバムの「I Was Brought to My Senses」にも通じるところがある。合理的な思考で繰り返し考えても気持ちを切り替えることができなくても、感覚的な神秘体験によって目が覚め気持ちに変化が起きるということがある。「それが僕を笑顔にさせ / 痛みを和らげてくれた気がする」、この部分で作り笑いではなく、本当に笑顔になれたことがわかる。そして闇から抜け出し、最後には皮肉ではなく、本心から「僕はあまりにも嬉しくて涙が止まらない、涙を流しながら笑っているんだ」と歌う。

インタビュー情報

 新曲には季節のアイデアがいっぱいだ。冬には死んでも春には生まれ変われるとか、壊れても修復できるとか。最初に思いついたフレーズで、アルバムのタイトルにもなっている『マーキュリー・フォーリング』という詞も、僕の頭の中で何度も新しい意味で鳴り響いたんだ。
 このアルバムでは、とても「mercurial(頻繁に急速な変化をする)」にジャンルからジャンルへと飛び回ったり、ミックスしたりしたんだ。そしてマーキュリーは神々の盗人だったから、僕はどこからでも盗んだよ。
ギターワールド、1996年7月

 スティングは様々なインタビューで「新しい曲を生み出すことはできない。既存の曲をミックスするだけだ」というようなことを言っている。盗人のくだりはそういう意味。マーキュリーはローマ神話において雄弁家、盗賊、商人、職人の庇護者。

動画

伝説のライブバージョン

 観客がステージに上がる許可をもらって一緒に歌うことになるが、まず中々ステージに上がって来ず…

スティング:どこに行くんだ?彼は大丈夫そうか?
観客:(笑)
スティング:名前は?
ロス:ロス
スティング:ロス何?
ロス:ロス・ヴァイナー(Ross Viner)
スティング:イタリア人か、あってる?違う?
ロス:アイルランド人だよ
スティング:アイルランド人か
ロス:サインくれる?
スティング:今サインはしないよロス
観客:(笑)
ロス:カモーン
スティング:(スティングの右を指して)こっちにおいでよ、後ろに回って
スティング:オーケイ、ここでいくつかのことを整理しよう
スティング:この曲は離婚に関しての曲なんだけど、だよね?
ロス:ですね
スティング:君は離婚を経験したことがある?
ロス:幸いなことにないよ
スティング:君は結婚してる?
ロス:幸いなことにないよ
観客:(爆笑)

 その後も笑いどころがいくつかあり、ロスの歌声も良く、素晴らしいライブバージョンとなった。
 ちなみにこの動画を最初にYouTubeにアップロードしたのはロス本人だが、現在は別の人が転載した動画だけが残っている。