動画
この曲はシングル曲ではないが、アルバムを宣伝するためにMVが制作された。
歌詞&和訳
Lonesome tears
孤独の涙
I can’t cry them anymore
もうそんな涙を流すことはできない
I can’t think of what they’re for
一体何だってそんなものがあるのかわからない
Oh they ruin me every time
あぁ、いつだって僕を滅茶苦茶にするんだ
But I’ll try
だけど僕はなんとか
To leave behind some days
振り切ってみせる
These tears just can’t erase
そんな涙ではとても消せない日々を
I don’t need them anymore
僕にはもう必要ないものだから
How could this love
どうしてこの愛は
Ever turning
絶えず移ろいゆくのに
Never turn its eye on me
決して僕には目を向けてくれないんだろう
How could this love
どうしてこの愛は
Ever changing
絶えず変化しているのに
Never change the way I feel
決して僕の気持ちを変えてくれないんだろう
Lazy sun
物憂げな太陽
Your eyes catch the light
君の眼が光を捉える
With promises that might
Come true for a while
少しの間なら叶うかもしれない約束と共に
Oh I’ll ride
あぁ、僕は乗って行くよ
Farther than I should
僕が行くべきところよりずっと向こうへ
Harder than I could
精一杯頑張って
Just to meet you there
ただそこで君と会うためだけに
How could this love
どうしてこの愛は
Ever turning
絶えず移ろいゆくのに
Never turn its eye on me
決して僕には目を向けてくれないんだろう
How could this love
どうしてこの愛は
Ever changing
絶えず変化しているのに
Never change the way I feel
決して僕の気持ちを変えてくれないんだろう
和訳リンク
曲情報
「ロンサム・ティアーズ」はベックのアルバム『Sea Change』に収録された曲。『Sea Change』は、ベックによる8枚目のスタジオアルバムで、2002年9月24日にゲフィンレコードからリリースされた。プロデューサーのナイジェル・ゴドリッチとともにロサンゼルスで2か月にわたってレコーディングされたこのアルバムは、失恋と荒廃、孤独と寂しさをテーマにしている。
MVの考察
身の回りのもの全てが白で統一されている。
ロボットに話しかける当たりは映画『キャスト・アウェイ』における「ウィルソン」的なことを表現したかったのだろうか?ウサギが他に出てくるが人間と関わらない孤独な生活を表現しているのかもしれない。植物への水やりも然り。
MVで最も繰り返し見られているシーンは電話をかけるシーンである。口元がアップされるので、みんなベックが何を言っているのか読唇術で読み解こうとしたんだろう。残念ながら何を言っているのかはわからなかった。
写真立てに写真が入っていないのは、もう何も思い出したくない、いや、全ての思い出が色褪せて(価値がなくなり)、真っ白(意味のないもの)になったということだろうか。
途中でまさかの第2章:出発 (2: departure)が始まる。第1章のタイトルなんてなかったのに…。ロボットに別れを告げ、ウサギを抱えて出発する。噴水を越えた後、”CALIFORNIA HOTEL”と書かれた場所を通る。イーグルスの名曲「ホテル・カリフォルニア」は退廃的な生活から抜け出せないという内容の歌詞になっているが、それとベック自身の鬱状態から抜け出せない生活とかけて、今そこを通り過ぎた(乗り越えた)ことを表現しているのだろうか。
白い服を着て白い犬を抱えた男性が映される。そして最終的に白い服を着て白いウサギを抱えたベックと出会う。この曲の最後にある「ただそこで君と会うためだけに」という歌詞が恋愛に限った出会いの話ではないと主張しているかのようである。
解釈
サビの部分は自己愛の欠如と鬱から抜け出せないことを嘆いている。またアルバム『Sea Change』は曲の一貫性が非常に強いが、この曲でもturningやchangingという言葉を使って海の波立つ様子を表現している。
物憂げな太陽
君の眼が光を捉える
少しの間なら叶うかもしれない約束と共に
あぁ、僕は乗って行くよ
僕が行くべきところよりずっと向こうへ
精一杯頑張って
ただそこで君と会うためだけに
「ただそこで君と会うためだけに」の部分の「君」は、同じように普遍的な関係を望みながらも裏切られた人だろうか。
ベックは元婚約者のリー・リモンとその浮気を知っていた共通の友人にも裏切られ、「友に別れを告げ」たが、この歌詞からは再び新たな出会いを求めて前に進みだしたことが窺える。