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曲情報
「ラウンド・ザ・ベンド」は、アメリカのミュージシャン、ベックによる8枚目のスタジオアルバム『Sea Change』に収録された曲。プロデューサーのナイジェル・ゴドリッチとともにロサンゼルスで2か月にわたってレコーディングされたこのアルバムは、失恋と荒廃、孤独と寂しさをテーマにしている。
歌詞の意味
この曲は制御できない速度で進んでいく人生の流れと、その中で生じる葛藤や摩耗を象徴的に描いている。語り手は、心配を手放しても世界は容赦なく動き続けるという認識を前提に、空虚な銃から放たれる弾のように意味をつかみきれないまま過ぎ去る時間を捉える。そこで示されるのは、流れに逆らうよりも、その渦中に身を委ねる姿勢である。
人々が自分自身に対して追い込みをかけ、外見には見えない鋭さを内に秘めていく様子は、競争や緊張が常態化した社会の風景として描かれる。反復される表現は、行き先の不確かさと循環する運命のような感覚を強調し、曲の中心に漂う不可避性を形づくる。磨耗しながらも前へ進むことをやめられないという状況が暗示され、終わりの見えない曲がり角へ向かっていく旅が静かに示されている。


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