【曲解説】Backstreet Boys – I Want It That Way

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曲情報

「I Want It That Way」(アイ・ウォント・イット・ザット・ウェイ)は、アメリカのボーイバンド、Backstreet Boys(バックストリート・ボーイズ)の楽曲で、1999年4月12日にリリースされた。彼らの3作目のスタジオ・アルバム『Millennium』(1999年)からのリードシングルであり、マックス・マーティンとアンドレアス・カールソンによって作詞され、マーティンとクリスティアン・ルンディンがプロデュースを担当した。ポップバラードで、感情的または物理的な距離によって緊張したロマンチックな関係をテーマにしている。

評価と受賞

「I Want It That Way」は批評家から好評を受け、キャッチーなメロディで「ポップバラードの年」とも言われた。曲は3回のグラミー賞ノミネートを受け、最優秀楽曲賞や最優秀レコード賞などにノミネートされた。また、Blender、MTV、Rolling Stone、VH1などのリストにも名前を連ねた。2021年には、Rolling Stone誌の「500 Greatest Songs of All Time」において240位にランクインした。

商業的成功

「I Want It That Way」は、バックストリート・ボーイズの代表的な曲であり、世界中で大ヒットした。25カ国以上でナンバーワンを獲得し、オーストリア、ドイツ、イタリア、ニュージーランド、スイス、イギリスなどで成功を収めた。さらに、ユーロチャートHot 100では7週間連続で1位を記録。アメリカでは、Billboard Hot 100で6位を記録し、ACおよびMainstream Top 40チャートではトップに立った。

ミュージックビデオ

「I Want It That Way」のミュージックビデオは、ウェイン・イシャム監督によって制作され、バックストリート・ボーイズが空港で撮影されているシーンが象徴的で、グループの熱狂的な人気を表現している。このビデオは、MTVビデオ・ミュージック・アワード(VMA)で「Viewer’s Choice」を受賞し、他の4部門でもノミネートされた。

歌詞の解釈

歌詞の内容については多くの批評家から疑問を呈され、特に「I want it that way」というフレーズの意味について議論がなされた。歌詞における「that」が何を指すのかは明確でなく、批評家たちはその曖昧さが歌の魅力の一部であると考えている。歌の内容は、感情的または物理的な距離によって困難に直面した関係を描いているが、それでもその関係を続けたいという強い感情を表現している。

批評家の反応

批評家たちはこの曲を「ボーイバンドのバラードの金字塔」と称賛し、特にサビの部分が印象的であり、バックストリート・ボーイズのボーカルハーモニーが他のグループと比べても優れていると評価した。音楽ライターのジョン・オブライエンは、2024年の回顧レビューで「I Want It That Way」を『Millennium』のベストトラックとして挙げ、ポップの中で永遠に残る名曲であると評した。

レガシー

「I Want It That Way」は、バックストリート・ボーイズの最も象徴的な楽曲の一つとなり、グループの歴史の中で最も称賛された曲とされている。Rolling Stone誌は「The Best Boy Bands of All Time」リーダーズ・ポールでバックストリート・ボーイズを1位に選び、「1999年のヒット『I Want It That Way』は、ジャンルを超えたクラシック」と表現した。ビルボードは「1987年から2012年までの最も重要なボーイバンド10組」をランキングし、バックストリート・ボーイズを2位にランクインさせ、「I Want It That Way」などのヒット曲を挙げた。

ミュージックビデオの再生回数

2021年には、「I Want It That Way」のミュージックビデオがYouTubeで10億回の再生回数を突破し、1990年代の代表的な曲の中で10億回再生を達成した数少ない曲の一つとなった。

歌詞の意味

タイトルのフレーズが無意味だと話題に

この曲は多くの批評家たちから「I want it that way」のラインが何を意味しているのか疑問を投げかけられた。このラインの「it」が説明不十分であり、歌詞全体を通して意味が通じるような解釈ができず、無意味な歌詞と言われた。

メンバー自身も歌詞の意味を理解できていなかった

バンドのメンバーのケヴィン・リチャードソンはインタビューで「結局のところ、この曲は本当にあまり意味をなさない」と説明した。ケヴィンはまた、スウェーデン人のソングライター兼プロデューサーのマックス・マーティンの当時の英語の知識は限られていたとも述べている。「意味はわからないけど、一緒に歌うと気分が良くなるような曲はたくさんあって、これもそのうちの1つだよ」とケヴィンはインタビューでコメントした。

公式に歌詞の意味が発表された

しかし、バンドは方針転換し、この混乱を収拾するために公式にコメントを出した。それが以下の内容である。

心の痛みや間違いを望むなんて言わせたくない…また、2つの世界が離れたままでいることも望んでいない。僕らは君が『それ』を望んで欲しくないと思っている…それが僕らが望んでいることなんだ。君が『それ』を望まないことってことを。

つまり、語り手は安定した関係を望んでいるが、相手は不安定な関係を望んでいる。相手は「すれ違いばかり」や「心が苦しくなるような恋」「距離を置くこと」を望んでいて、「私はそんな感じがいいのに」と言うかもしれないが、そんな発言を語り手は聞きたくないということ。

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