【曲解説】The Smiths – Shelia Take A Bow

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曲情報

「Shelia Take A Bow」(シーラ・テイク・ア・ボウ)は、イギリスのロックバンド、ザ・スミスの曲で、モリッシーとジョニー・マーが作詞作曲した。グラムロック風のビートとギターリフが特徴のこの曲は、当初はサンディ・ショーがバックボーカルとして参加する予定だったが、ショウがこの曲を嫌ったことと、モリッシーがセッション中に病気になったことから、ボーカルは使われなかった。

「シーラ・テイク・ア・ボウ」は1987年4月にアルバム未収録シングルとしてリリースされ、「ヘヴン・ノウズ・アイム・ミゼラブル・ナウ」と並んでバンドのイギリスでの最高位シングルとなり、チャートで10位に達した。モリッシーの高揚感あふれる歌詞とマーのギター演奏は批評家から好評を得ている。この曲は1987年にリリースされたコンピレーションアルバム『ラウダー・ザン・ボムズ』に収録されている。

歌詞的には、この曲はシェラ・デラニーへのオマージュであり、デラニーの作品、特に『蜜の味』(1958年)はモリッシーに大きな影響を与えた。

シングルの制作は困難を極めた。モリッシーはサンディ・ショーを呼び戻してセカンド・ボーカリストとして起用する計画を立てていた。ショーは1984年にザ・スミスと「ハンド・イン・グローブ」「ジーン」「アイ・ドント・オウ・ユー・エニシング」でコラボレーションしていた。しかし、1986年12月13日に彼女がバンドとレコーディングするために到着したとき、モリッシーは体調を崩していた。ショーはボーカルを録音したが、彼女のバージョンは最終的にボツになった。彼女は後に「ひどい曲だと思った」と述べ、バックボーカルを務めるという考えをあざ笑った。ドラマーのマイク・ジョイスは次のように回想している。

「モリッシーは数時間姿を現さなかった。サンディは少し取り乱していた。結局彼女はモリッシーに電話をかけ、なんとか連絡を取ることができた。彼女は『私に歌ってほしい曲を電話でハミングして!』と言っていた。彼女はそれをすべて個人的に受け止めたと思う」

歌詞の意味

この曲は若さゆえの憂鬱とそれを押し返すような励ましを併置した構成になっている。語り手は、独りで生きたいという衝動や常に幸福ではいられないという感情を否定せず受け止めつつ、年齢に似合わぬ悲しみを歌う対象への驚きをにじませる。中心にある呼びかけは、世界の汚れを蹴り返し、家へ閉じこもるのではなく、自分を愛し自分が愛する相手を見つけに外へ出るべきだという促しとして機能する。終盤の軽い戯れ歌は性別役割の入れ替えも含め、束の間の解放感を象徴し、抑圧から抜け出す小さな連帯の場面を描いている。全体として、この曲は若い孤独への共感と、それを越える行動を促すやわらかな後押しを組み合わせた内容となっている。

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