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曲情報
「ユー・アンド・フーズ・アーミー?」は2001年5月30日にリリースされたレディオヘッドの5枚目のアルバム『Amnesiac』に収録された曲。
この曲はトニー・ブレアの労働党政権に対するトム・ヨークの幻滅を反映している。
Qマガジン2008年4月号によると、この曲は部分的にマイクを卵箱で包むことによって録音された。
ヨークはQマガジンに、この曲は1940年代のヴォーカルグループであるThe Ink Spotsの影響を大きく受けていると語った。
歌詞の意味
You and your army? との違い
You and whose army?は相手の権威や脅威に疑問を投げかけるときに使われる慣用表現で、これは、相手が言うほど強い後ろ盾を持っていないことをほのめかすために、対立的または皮肉的に使われることが多い。
一方、You and your army?は、話しかけられる相手とその文字通りの軍隊を指す。このフレーズは、You and whose army?のような対立的または否定的なトーンではなく、単に相手の軍隊の存在を認識しているだけである。
Holy Roman empire(神聖ローマ帝国)の解釈
Holy Roman empireに関しては、フランスの哲学者ヴォルテールは近世の神聖ローマ帝国を「神聖でなく、ローマでなく、帝国でない」と酷評したが、この歌詞では、神聖ローマ帝国のそのような性質が当時のブレア政権の元でのイギリスへの皮肉的な表現として使われたものだと思われる。
「神聖ローマ帝国」の名称はこうした分裂傾向が強まった1254年からのもので、それまでは単に「ローマ帝国」「帝国」と呼ばれていた。近世の神聖ローマ帝国は皇帝を君主とする地域に限定しても複数の民族から構成される国家連合に近いものとなり、末期にはナポレオンによって北イタリアへの宗主権すら失い、実質的にドイツ連邦となり果てていた。帝国の全体像を把握することは困難となり、フランスの哲学者ヴォルテールは歴史哲学を論じた『諸国民の風俗と精神について』において、近世の神聖ローマ帝国を「神聖でなく、ローマでなく、帝国でない」と酷評した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E8%81%96%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E5%B8%9D%E5%9B%BD
インタビュー情報から読み解く”You And Whose Army”
Q:「”You And Whose Army“はブレアについての曲ですよね?」
トム:もともと、それは「頭の中の声が俺を狂わせている」っていうものだった。正直に言って(爆笑)。そして、その”You And Whose Army“というフレーズを思いついた後、そこに他のアイデアを貼り付けることができて、ブレアがこの曲の本当の主題として浮上したんだ。
Mojo、2001年6月(インタビューした日は2001年4月12日)
この曲は最終的には、人々によって権力の座に選ばれながらも、あからさまに人々を裏切る人物について歌っている――まさにブレアがそうしたのと同じように。同時に、この国を裏切らずにはいられなかったとも思う。あの男は愚か者だ。他の重要な公人と同様に、彼は時代の産物にすぎない。
最近、僕は彼に対して少し寛大な気持ちを持つようになったんだ。そういう立場に置かれた人はすぐに彼の周りにいるすべての人々と同じようになるんだ。彼はそれをどうすることもできない。それが彼なんだ。だから、これは決して個人的な問題じゃない。ブレアのイメージを『KID A』のブックレットに掲載したのは、僕らが「彼は単なる公人だ」と言ったにすぎなかった。彼は堕落したから他の皆と同じように役立たずだ。ブレアの問題は、彼が人間として達成したい価値のあるものをすべて破壊してしまうような他のものに囲まれていることだ。それが僕が彼を「愚か者」と呼ぶ理由だよ。議会でふざけているだけの愚か者、言い換えれば、彼は宮廷道化師だよ、彼はそういう者にすぎない。
でも、それは最近のほとんどの大統領も基本的に同じだ。僕がここで言っているのは、ほとんどの人がまだ気づいていないことだよ、きっと。

『KID A』のブックレットに掲載されたブレアのイメージとはこのページのこと。窓の下には”YOU?AND YOUR CRONIES”と書いてある。ブレア首相は就任から最初の6年間で5回もイギリス軍に戦闘を命じたが、これはイギリス史上のどの首相よりも多い数字である。これには、1998年と2003年のイラク、コソボ(1999年)、シエラレオネ(2000年)、アフガニスタン(2001年)が含まれる。ちなみにアフガニスタンへの派兵はこの曲のリリース後である。『Amnesiac』が2001年5月30日にリリースされ、アメリカ同時多発テロが9月11日、アフガニスタン戦争は10月7日から始まっている。ブレアは「ブッシュのプードル」「プードル主義」と揶揄されるほどの従米的な外交姿勢で、カナダと共に、アフガニスタン戦争の第1段階から軍を派遣している。
Ghost horses(幽霊の馬)の解釈
キリスト教の新約聖書における「黙示録の四騎士」をイメージしたものかもしれない。
ヨハネの黙示録では、最初の騎士は白い馬に乗り、弓を持ち、征服の象徴として王冠を与えられており、おそらく疫病を呼び起こし、キリストもしくは反キリストである。2人目は剣を持ち、(内戦)戦争、紛争、抗争の創造者として赤い馬に乗っている。3人目は食料商人で、飢餓を象徴する黒い馬に乗り、秤を運んでいる。4番目の最後の馬は緑色で、「死」という名の騎士で、その後をハデスが従った。地球の4分の1を支配し、剣、飢餓、疫病、そして地球の獣を使役して殺す権限が与えられていた。
キリスト教は時々、四騎士を世界に神聖な終末をもたらす最後の審判の前兆として解釈することがある。



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