【和訳】Radiohead – Knives Out

動画

歌詞&和訳

I want you to know
君に知って欲しいんだ
He’s not coming back

彼は戻ってこない
Look into my eyes

俺の目を見て
I’m not coming back

俺は戻ってこない

So knives out
だからナイフを取り出して
Catch the mouse

ネズミを捕まえるんだ
Don’t look down

浮かない顔をしないで
Shove it in your mouth

口の中に押し込むんだ

If you’d been a dog
もし君が犬だったなら
They would’ve drowned you at birth

彼らは生まれた時に君を溺死させていただろう
Look into my eyes

俺の目を見て
It’s the only way you’ll know I’m telling the truth

それこそが俺が真実を語っているとわかる唯一の方法だ

So knives out
だからナイフを取り出して
Cook him up

彼を料理するんだ
Squash his head

頭を潰して
Put him in the pot

鍋に押し込め

I want you to know
君に知って欲しいんだ
He’s not coming back

彼は戻ってこない
He’s bloated and frozen

彼はむくんで凍りついている
Still, there’s no point in letting it go to waste

それでも無駄にしたら意味がない

So knives out
だからナイフを取り出して
Catch the mouse

彼を料理するんだ
Squash his head

頭を潰して
Put him in the pot

鍋に押し込め

和訳リンク

曲情報

 「ナイヴス・アウト」は2001年5月30日にリリースされたレディオヘッドの5枚目のアルバム『Amnesiac』に収録された曲で、2番目のシングルとしてシングルカットされた。

 MVは、映画『エターナル・サンシャイン・オブ・ザ・スポットレス・マインド』やバンドのザ・ホワイト・ストライプスなどのMVを監督したミシェル・ゴンドリーが監督した。すべてワンテイクで撮影されたこのクリップには、フランスの女優エマ・デ・コーヌ演じる女性を見舞う、病院にいる​​トム・ヨークの姿が映っている。

初期の歌詞草案

 初期の歌詞草案は、Kid A 時代に radiohead.com に”outta Juice”というタイトルで掲載されていた。

i want you to know.
you have a beautiful smile.
i want you to know.
he needs his eyes.
i was so angry.
i couldn’t let him leave me.
and not come back.
i didnt want to.
is that why you killed him?
won’t be long now.
he’s cold. freezing.
doesn’t need clothes.
i used to have a hole right through me.
i want you to know.
he’s not coming back.
i won’t forget.
if you’d been a dog.
they would have drowned you at birth.
look into my eyes.
its the only way you’ll know i’m telling the truth.
i wont let them touch you.
i won’t let them near you.
i won’t let you come to any harm.

http://archive.radiohead.com/2000/tt002.html

 現在、同ページは”we boild the head”とタイトルを変え、詞の内容はリリースされた”Knives Out“に非常に近い形になっている。カニバリズムに言及した歌詞(「彼の頭を押しつぶせ/彼を鍋に入れろ」)も、リリース間近のそのタイミングになってから追加された。

 以下、初期草案の訳。

君に知って欲しい。
君は美しい笑顔をしている。
君に知って欲しい。
彼には目が必要だ。
俺はとても怒っていた。
俺は彼に俺を置き去りにさせることができなかった。
そして戻ってこない。
俺はやりたくなかったんだ。
それが君が彼を殺した理由?
もう長くはないだろう。
彼は冷たくなった。凍っている。
服は必要ない。
俺にはかつて穴が開いていた。
君に知って欲しい。
彼は戻ってこない。
俺は忘れない。
もし君が犬だったら。
彼らは君を生まれた時に溺死させていただろう。
俺の目を見て。
それは俺が真実を語っていることを知る唯一の方法だ。
彼らを君に触れさせない。
彼らを君に近づけさせない。
君に危害を加えさせない。

インタビュー情報

トム:それは部分的に、ビジネスマンが妻と子供たちを無視して出て行って二度と戻ってこないというアイデアでもある。また、近くにいる人を見て、彼らが死ぬだろうと知ったときの1000ヤード離れたところからの視線でもある。それはまるで彼らに暗い影を落としているような、あるいは彼らがあなたをまっすぐに見つめて、そして彼らの目から輝きが消える様子なんだ。

Q:ある1曲が、私が聞いた話では、『Kid A』のアルバムの10曲には入っていないけど、入るはずだった”Knives Out“と呼ばれる非常に商業的な曲があるということですが。

トム:商業的?

Q:聞いていないので分かりませんが…

トム:僕は絶対に否定すると思うけど、続けて。

Q:それは、次にリリースされるアルバムが『The Bends』と『OK Computer』の中間に位置する可能性があることを示すものでしょうか?

トム:そうだね、これまで僕たちがいつもやりがちだったのは、ある種の「中間」のような作品を作ることだったんだ。それがこれまでの一連の曲作りで僕が心配していたことだったけど、これはそうはならなかった。もしかしたらこれらはただの「中間」なのかもしれないけど、でも、僕は今回のケースは違うと思う。この曲にはそれに当てはまらない本当にクールなものがたくさんあると思う。

ホットプレス、2000年10月11日、9月のインタビュー

Q:事実上、ある種のライターズ・ブロックに悩まされていましたか?

トム:下痢のように言葉が出てきたから書き手として困ったわけではなかったけど、どれもひどいものばかりだったよ!そして違いがわからなかった。それはさらに悪いことだったね。でもそれは個人的に言えば、僕がすべての自信を失ったからだ。

Q:いつ、どのようにして元に戻りましたか?

トム:”The National Anthem”をレコーディングした時に思い出したんだ。あの曲が本当に本当に大好きなんだ。”Everything In Its Right Place”も本当に本当に大好きなんだ。そして”In Limbo”は今でも誇りに思っている。方向感覚を失って浮遊するような感覚を、僕らはなんとか捉えることができたんだ。それは、この本当に奇妙な場所から来ているんだ。新しい曲の中では、聴き過ぎたとはいえ、”Pyramid Song”は今でも本当に良い曲だ。どこか新しい場所に行きたいという観点から言えば、僕にとっては”Spinning Plates”がすべてのレコードの中で最高だと思う。車の中で聴くと、ドアが震えるほどね(笑)。でも”Knives Out”は――長い間本当に、本当にあの曲が大嫌いだったよ。

Q:レコーディングに一番時間がかかったそうですね…

トム:そうだね、だってすごく嫌だったから(笑)

Q:313時間 – それは正確ですか?

トム:もしかしたらそうかもね。数えてなかったけど。とにかくたくさんの時間だ。たくさんの時間。

Mojo、2001年6月、2001年4月12日のインタビュー

 2000年10月のQマガジンの記事によると、この曲のレコーディングには373日かかった。バンドはこのままで良いと判断するまで、曲を作り直す試みを続けた。

Q:あなたは”Knives Out”について言及していましたが、それが新しいアルバムの最高傑作であることが判明しました。私もそれがあなたのお気に入りだという予感がありました。

エド:本当のところ、そうじゃないよ。とても気に入ってるけど、僕のお気に入りではないよ。それがあなたの推測なら、僕は自分をある種のポップボーイだと思ってるってことになるけど、僕は違うよ。

Q:正確にはポップではありませんが、素晴らしいギターサウンドがあり、きっと気に入ってるだろうなって。

エド:ギターが大好きなのは本当だけど、ある段階でこの曲に飽きてしまったんだ。完成させるまでに時間がかかりすぎたんだ。

Ha’ir、2001年5月

 この曲はカニバリズムだとトムは述べているが、一方で次のようにも述べている。

 厳密には残酷な曲じゃない。むしろ、ある感情を表現するには、暴力的な語彙を使わざるを得ないんだ。”Knives Out”は、いくつかの異なる状況からインスピレーションを受けている。重要なことは暴力的に聞こえるということじゃなく、むしろ僕が人生で経験した特定の瞬間を表現しようとしていることだ。特に音楽業界で経験した瞬間をもう一度書き起こしている。誰かが失踪しても、多くの人が傷つくわけじゃない。彼らはいつでも残っているものを利用することができる。つまり、歌詞はその背後にある感情よりも暴力的だ。この曲は僕の身近な人の死についても歌っている。それぞれの曲は僕が理解できないことを解明しようとしている。”Knives Out”は特に残酷だね。だってそれは僕にとって非常に複雑なことを解決しようとする必死の試みだから。

ライブ動画

 ”ギタリストのエド・オブライエンのインターネット日記によると、この曲のカスケードギターパートのインスピレーションはザ・スミスだったという。