動画
▼ミュージックビデオ(初期の曲のミュージックビデオは黒歴史化してYouTube上で削除されてしまっているパターンが多いが、この曲もその一つ)
▼オーディオ
歌詞&和訳
And the wise men say
賢い男たちが言った
“I don’t want to hear your voice”
「おまえの声は聞きたくない」
And the thin men say
痩せた男たちが言った
“I don’t want to hear your voice”
「おまえの声は聞きたくない」
And they’re cursing me
奴らは俺を呪い
And they won’t let me be
俺を放っておかない
And there’s nothing to say
だから何も言うことなんてないし
And there’s nothing to do
何もすることなんてない
Stop whispering, start shouting
小声で囁くな、大声で叫べよ
Stop whispering, start shouting
小声で囁くな、大声で叫べよ
And my mother say
俺の母は言った
“We spit on your son some more”
「私たちはお前にもっと唾を吐いてやるわ」
And the buildings say
そして建物は言った
“We spit on your face some more”
「お前の顔にもっと唾を吐きかけてやるよ」
And the feeling is
この感覚は
That there’s something wrong
何かがおかしい気がする
‘Cause I can’t find the words
だって言葉も
And I can’t find the songs
曲も見つからないから
Stop whispering, start shouting
小声で囁くな、大声で叫べよ
Stop whispering, start shouting
小声で囁くな、大声で叫べよ
Dear sir, I have a complaint
皆様方、私には不満があります
Dear sir, I have a complaint
皆様方、私には不満があります
Can’t remember what it is
それがなんであったのか思い出せないですが
Doesn’t matter anyway
どちらにしろ気にしないでください
Doesn’t matter anyway
気にしないでください
Stop whispering, stop whispering
小声で囁くな、小声で囁くな
Stop whispering, stop whispering
小声で囁くな、小声で囁くな
Stop, stop
やめろ、やめろ
和訳リンク
曲情報
「ストップ・ウィスパリング」は1993年に発売されたレディオヘッドのデビュースタジオ・アルバム『Pablo Honey』に収録された曲。
この曲はレディオヘッドに大きな影響を与えたピクシーズへのオマージュらしい。ピクシーズは、爆発的なコーラスにつながる静かなVerseで知られていた。
レディオヘッドの最初期の曲の1つで、これは米国の大学ラジオ局のプロモ シングルとしてリリースされた。このシングルはクリス・シェルドンによってヴァイオリンがミックスされ、中間部の声や最後のギターソロは入っていない。(E.P.『Itch』に収録されたU.S.バージョン)
トム・ヨークが権威者に対するアンビバレントな感情を吐露したこの曲は、レディオヘッドがまだアーリー・オン・ア・フライデーとして知られていた頃に制作された。Qマガジンによると、アーリー・オン・ア・フライデーがこの曲を演奏するのを聞いて、ブライス・エッジとクリス・ハフォードがバンドをマネジメントする価値があると確信したという。エッジとハフォードは、初期の頃からトム・ヨークとその仲間たちをマネージメントしている。
インタビュー
新シングル「Stop Whispering」について話しましょう。この曲はアルバムがアメリカでリリースされる前から、Creemで特に注目してましたよね。
エド:知ってると思うけど、今かかってるのは新しいバージョンなんだ。俺たちが録り直したんだよ。
えっ、それはポリスが「Don’t Stand So Close to Me」でやったことじゃないですか。毎年恒例のイベントみたいにこれからも録り直すつもり?
エド:(笑)俺たちはアルバムのバージョンに全然満足できなかったんだ。なんか曲の本質を見失ってる感じがしてさ。だから1日半で録り直したんだよ。今の方がもっと雰囲気があって、70年代後半から80年代初期のジョイ・ディヴィジョンっぽくなってる。
トム:そういうことをやるのって、ちょっとイラつくところもあるんだけどね。でもスタジオ入りした時には、もうその曲は結構古くなってて、方向性が見つかってなかったんだ。それが後になって、アルバムに入れる段階でやっと見えてきたって感じ。
クリーム・マガジン 1993年10月
トムの小柄な体から深いため息が漏れ、続いて少し苛立ったようにこう言った。
b-side マガジン、1995年7月/8月
「そうなんだ。でも問題は、あの曲に対して距離を置けなくて、何がどうなってるのか全然わからなかったことなんだよ。曲が良く聞こえないことも、ミックスがひどいことも、ビデオに無駄なお金をかけすぎたこともね。いわゆる“セカンドアルバム症候群”ってやつさ。本当にただ次に進みたかっただけなんだよ。でも実際には、『Stop Whispering』をいくつもいくつもバージョン違いで作ってしまった。信じられないくらいの数ね。今では、レディオヘッドには一つのルールがあるんだ。それは、曲を二度と録り直さないこと。絶対に。ライブでの演奏を除いてはね。レディオヘッドにとって重要なのは“自発性”で、それは一回しか起こらない。そして、その一回を逃すと、それで終わり。『Stop Whispering』と、最初のアルバムでの過剰な分析を通じてそのことを痛感したからこそ、今では創作するための一定のルールを設けてるんだ。これが本当に素晴らしいんだよ」
一方で、コリン・グリーンウッドはバンドがこれまで犯してきた他の「ビデオ犯罪」について考えている。彼が語る中で最も触れたくないのが、『Stop Whispering』のビデオだ。アメリカ人監督に説得されて、リネンの服と奇妙なヘッドギアを着けて、かわいらしいポーズを取らされた時のことだ。たぶん、彼らを「とてもイギリス的」に見せたかったのか、何かそんな狙いがあったのだろうが、結果的にはただの滑稽な王族もどきにしか見えなかった。
NME、1997年6月21日
備考
僕は立ち上がって何かを言おうとした。でも立ち上がった瞬間に言葉は消えてなくなってしまった。
村上春樹『TVピープル』文春文庫、1993 51頁。
何かが間違っている。でも何が間違っているのか、私にはわからない。
村上春樹『TVピープル』文春文庫、1993 209頁。
『TVピープル』の第1刷は1993年5月8日。
『Pablo Honey』は1993年2月22日リリース。