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曲情報
「ライフ・イン・ア・グラスハウス」は2001年にリリースされたレディオヘッドの5枚目のアルバム『Amnesiac』に収録された曲。
歌詞の意味
タイトル「glasshouse」の意味
この歌詞で使われている”glass house”に「ぬくぬくとした恵まれた環境で世間の苦労を知らない」というような「温室育ち」の意味は全くない。
「people who live in glass houses shouldn’t throw stones」という諺がこのタイトルを理解する上での前提知識となっている。この諺は直訳すると「ガラス張りの家に住む人は石を投げるべきじゃない」となるが、これは「欠点を持っている人は、同じように欠点を持っていることで他の人を批判してはいけない」という教訓になっている。
ガラス張りの家に住む人がメディアのターゲットになった人とその家族であるなら、石を投げているメディアも同じくガラス張りの家に住む人である。(※後述のインタビュー情報参照)
つまり「欠点を持っている人は、同じように欠点を持っていることで他の人を批判してはいけない」という諺はまさにメディアにとっての教訓のような言葉と捉えることができる。メディアは問題を起こした人に突撃取材をして吊るし上げるが、そんな彼らが人を批判できるほど普段から模範的な人間なのかは大いに疑問であり、この曲はメディアに対する批判的な曲と捉えることができるという意見だ。
turn the other cheekとは?
“turn the other cheek“は直訳すると「反対の頬を向ける」という意味だが、慣用句として「侮辱を甘んじて受ける」という意味で使われる。
つまり、この曲ではこの慣用句が、普段からリンチに飢えているメディアや、それに乗っかって他人を叩こうとする人間に対して、「おまえがリンチされる番になってもやり返そうとするなよ、甘んじて受け入れろよ」という意味で使われている。
インタビュー情報
Q:「『OK Computer』以降、新しい曲はいくつ書いた?」
ジョニー:「8曲か9曲くらいかな。“Life In A Glass House”もその一つ。でもどう仕上げればいいのかわからないんだ。ダメなキュアーみたいになる可能性もあれば、素晴らしくなる可能性もある。まだ判断できない」
Select Magazine, 1997年12月号(10月下旬、フィレンツェでのインタビュー)
Q:今回の歌詞は、はっきり聞き取れる部分が少ないように思えます。
トム:本当?くそ!結構明瞭に歌ってるつもりだったのに。
Q:聞き取れる行もあれば、そうでない行もある。その曖昧さが音楽に“ミステリー”を与えているように思える。
トム:面白いね。こっちは別にミステリーにするつもりなんて全然ないんだ。「Life In A Glasshouse」では、全部の言葉をちゃんと理解してほしくて必死なんだ。すごく重要だからね。
きっかけは、ある超有名俳優の妻のインタビュー記事を読んだことだった。タブロイド紙が3ヶ月間、まるで地獄の犬みたいにつきまとった話だ。彼女は自分の写真が載った新聞を全部集めて家中の窓に貼り付けた。そうすれば、庭に陣取っていたカメラマンたちのカメラには、自分たちの姿しか映らなくなる。あれは見事だと思ったし、曲の発端はそこにある。
すごく悲しくてひどい話なんだよ。夫は映画の撮影で家を離れていて、彼女は必死に耐えていた。彼女が追い回されていた理由は、夫が主演女優と浮気しているという“噂”があっただけ。『こんな目に誰も遭うべきじゃない』と思った。完全に無実の人なのに。
そこから、この国で特に蔓延している“タブロイドが人間を好き勝手に破壊していく”ことへの怒りに発展していった。人を杭に縛りつけ、燃えるのを見て楽しむような行為だ。
面白いよね……僕らが21歳くらいの頃以来、こんなに長くイギリスにいるのは初めてなんだ。ここ3年はほとんどイギリスにいた。正直、いろいろショックだったよ。
(トム爆笑)
Mondosonoro, 2001年6月号(ミラノでのインタビュー)
ポールからの質問:レディオヘッドと一緒に演奏するのは面白かったですか?
ハンフリー・リトルトン:
ええポール、とても興味深い経験でした。彼らが“新しいCDのためにバンドのメンバーを何人か連れてきてほしい”と言ってきたとき、まず娘に「彼らは誰なんだ?」と聞いたんだ。その後、ジョニー・グリーンウッドと会って、彼らの音楽のテープを聴いた。正直、「なんだよこれ!」と思ったよ(笑)。自分にとってまったく新しい種類の音楽で、挑戦だった。でも制作の過程で僕は彼らの音楽を理解しはじめたし、彼らも僕の音楽を理解してくれたと思う。それって悪くないよね。
BBC Online Q&A(2001年7月16日)



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