【和訳】Elliott Smith – Waltz #2 (XO)

動画

歌詞&和訳

[Verse 1]
First the mic, then a half cigarette

最初にマイクを手に取り、それから半分吸いかけのタバコを吸って
Singing “Cathy’s Clown”

歌うのは「キャシーズ・クラウン」
That’s the man she’s married to now

この男が彼女の今の結婚相手で
That’s the girl that he takes around town

この女が、彼が街に連れ回す女だ
She appears composed, so she is, I suppose

彼女は落ち着いているように見える、たぶん、そうだと思う
Who can really tell?

心の中でどう思ってるかなんて誰にわかる?
She shows no emotion at all

彼女は全く感情を見せず
Stares into space like a dead china doll

死んだ陶器人形のように虚空を見つめている

[Chorus]
I’m never gonna know you now

今や僕はあなたを決して知ることはないけど
But I’m gonna love you anyhow

どちらにしろ、これからも愛しているよ

[Verse 2]
Now she’s done and they’re calling someone

今、彼女がパフォーマンスを終え、名前を呼ばれている
Such a familiar name

なんて懐かしい名前だろう
I’m so glad that my memory’s remote

遠い過去の記憶になっていてすごく嬉しいよ
‘Cause I’m doing just fine hour to hour, note to note

だって僕は順調にやってるから、1時間ごとに、1音符ごとに
Here it is, the revenge to the tune

さあ、音楽を通して復讐する時間だ
“You’re no good

「ダメなあなた、
You’re no good, you’re no good, you’re no good”

ダメなあなた、ダメなあなた、ダメなあなた」
Can’t you tell that it’s well understood?

この意味をあなたは十分に理解してる?

[Chorus]
I’m never gonna know you now

今や僕はあなたを決して知ることはないけど
But I’m gonna love you anyhow

それでも、これからも愛しているよ

[Bridge]
I’m here today and expected to stay on and on and on

僕は今日ここにいる、そしてこれからもずっとずっと続いていくんだと思ってた
I’m tired, I’m tired

疲れたよ、僕は疲れたんだ

[Verse 3]
Looking out on the substitute scene

あなたの代わりになるものを眺めながら
Still going strong

まだその思いは消えない
XO, Mom

親愛なる母へ
It’s okay, it’s all right, nothing’s wrong

いいんだ、大丈夫だよ、何も問題ないよ
Tell Mr. Man with impossible plans to just leave me alone

不可能な計画を立てたミスター・マンに、僕を放っておいてと伝えて
In the place where I make no mistakes

僕が過ちを犯さない場所で
In the place where I have what it takes

僕に向いている場所で

[Chorus]
I’m never gonna know you now

今や僕はあなたを決して知ることはないけど
But I’m gonna love you anyhow

それでも、これからも愛しているよ
I’m never gonna know you now

今や僕はあなたを決して知ることはないけど
But I’m gonna love you anyhow

それでも、これからも愛しているよ
I’m never gonna know you now
今や僕はあなたを決して知ることはないけど
But I’m gonna love you anyhow

それでも、これからも愛しているよ

和訳リンク

曲情報

 「ワルツ#2(XO)」はエリオット・スミスのシングルであり、彼の4枚目のスタジオ・アルバム『XO』からの最初のシングルとしてレコード・レーベルのドリームワークスから1998年9月21日リリースされた。

 アメリカの音楽メディアのピッチフォークは、「煙が立ち込めたカラオケバーの中で、エリオット・スミスの母親バニーと継父チャーリーの代役である可能性が高い男女2人が、夫婦間の不和を薄く覆い隠した曲を選んでいた。彼女はぼんやりとしていた」と語った。 「彼は屈辱的な『キャシーズ・クラウン』を歌い、彼はあてつけに『ユー・アー・ノー・グッド』を歌う。スミスはカラオケの夜を利用して、ポップ・ミュージックと失恋についてのこのメタ小説を私たちに与えてくれた。」


 The Everly Brothersの「Cathy’s Clown」

 Clown(クラウン)はピエロや馬鹿を意味する単語。つまりタイトルは「キャシーのバカ」であるが、キャシーがバカなのではなく、キャシーの恋人の男性がバカという意味。恋人から不当な扱いを受け、公の場で辱めを受けた男性を描写している曲である。


 Linda Ronstadtの「You’re No Good」

 語り手は元恋人に、彼は「ダメ人間」だから別れてよかったと語っている。しかし、彼女はかつて誠実な男の心を壊した。そのことに罪悪感を抱えている彼女は許しを請いながら、私も「ダメ人間」だとそしられてもしょうがない人間だと語っている。

解釈

 ピッチフォークが言っているように、エリオット・スミスの実母のバニー・ケイ・ベリーマンと継父のチャーリー・ウェルチのことを歌っている曲だと思われる。

 バニーがチャーリーと再婚したのはエリオット・スミスが生後6か月の時である。

 エリオット・スミスは14歳の時、テキサスの母親の家を出て、当時精神科医として働いていた父親と一緒に暮らすためにオレゴン州ポートランドに引っ越した。

[Verse 3]
Looking out on the substitute scene

あなたの代わりになるものを眺めながら
Still going strong

まだその思いは消えない
XO, Mom

親愛なる母へ
It’s okay, it’s all right, nothing’s wrong

いいんだ、大丈夫だよ、何も問題ないよ
Tell Mr. Man with impossible plans to just leave me alone

不可能な計画を立てたミスター・マンに、僕を放っておいてと伝えて
In the place where I make no mistakes
僕が過ちを犯さない場所で
In the place where I have what it takes

僕に向いている場所で

 ミスター・マンは普通に考えるならバニーからチャーリーに僕を放っておくように伝えてくれという意味だが、主語がないため複数の解釈が可能である。

 ミスター・マンは過去のエリオット・スミス自身であるという説がある。そう考えると以下の「僕が過ちを犯さない場所で」の部分も意味が通る。